人に頼るのが苦手…頼り下手な性格を変えることは可能?

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30代女性(会社員)

仕事でもプライベートでも「自分でやった方が早い」と思ってしまい、人に頼るのが苦手です。周りも皆忙しそうなので申し訳なく、資料の修正や確認を一人で抱え込んでしまい、いつも締切前に残業が増えます。
先日も、本当は手が足りない状況だったのに「大丈夫です」と言ってしまい、後日ミスが発覚して落ち込みました。

頼ると迷惑をかけてしまう気がする一方で、このままだと心身が限界を迎えてしまいそうです。
上手に助けを求めるコツや、気持ちの切り替え方があれば教えていただきたいです。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。
頭では「頼りたい」と思っていても、なかなかその勇気が出ないことってありますよね。
「迷惑をかけたくない」「断られたらどうしよう」と思うほど、声をかけるハードルが上がってしまいます。

結論から言うと、頼り下手は性格の欠点ではなく、これまでに身につけた考え方と行動のクセのひとつです。
原因を理解し、頼み方を練習することで、罪悪感を減らしながら助けを求められるようになるでしょう。

人に頼るのが苦手な理由

2022年に@BAILAが行った調査によると95%の人が「人にお願いしづらい、人を頼るのが難しいと感じたことがある」と回答しており、多くの人が抱えている悩みだと言えます。

では、人に頼れない背景にはどのような要因があるのでしょうか?心の専門家の立場から詳しく解説していきます。

「頼る=迷惑をかける」という罪悪感

頼る前から必要以上に罪悪感を感じてしまうと、頼るという行動にストップがかかってしまいます。
このとき、頭の中では「相手の時間を奪ってしまったらどうしよう…」「失敗したら責任を感じてしまうかな?」など、悲観的な予測が立っています。

しかし、相手がどう感じるかは分からない部分もあります。
実際には「今ならできるよ」「それくらいなら大丈夫」と受け止めてもらえるケースも少なくありません。

完璧主義とコントロール欲求

「自分がやった方が早い」「他人が入ると質が落ちる」と感じると、任せることに不安を感じてしまいます。
完璧主義思考が強いほど、成果物の完成度に対する基準が高くなり、他者のやり方との違いがストレスになるのです。

この場合、頼れないことの本質は「人が信用できない」よりも、自分の基準を守りたいという気持ちにあります。

幼少期やこれまでの経験の影響

「自分でやりなさい」と言われやすい環境や、長子として我慢が求められた経験があると、頼り方を学ぶ機会が減ります。
結果として、大人になっても「頼る=甘える」という思考のまま残り、人に頼るスキルが育ちにくくなる場合もあります。

また、過去に人に頼ったときに、断られたり冷たくされたりした経験があると、頼るという行動が「傷つくかもしれない」という恐怖と結びつきます。
無意識のうちに「また同じことが起きる」という学習をしているので、頼る場面を避けるようになってしまうのです。

頼るのが苦手な人の特徴

頼れない人には、「誠実」「気配りができる」など長所も多く含まれます。
一方で、その長所が強く出すぎると、自分だけで抱え込んでしまうことにつながります。

責任感が強い

「これは自分の仕事だから最後までやる」と考え、助けを求める選択肢が浮かびにくくなります。
周囲からは「頼ってくれればいいのに」と見えていても、本人は責任を果たそうとしているだけ、ということが起きます。

自分が頼られると断れない

自分が頼まれると引き受けてしまう人ほど、「私が頼んだら相手も無理をする」と推測します。
その推測が、頼むことへのブレーキになります。

相手の反応に敏感

相手の忙しさや表情を読み取りすぎると、「今はタイミングが悪い」「冷たくされたら怖い」と結論づけやすくなります。特に、HSP気質がある人はその傾向が強くなりがちです。

その結果、頼るよりも自分でやった方が安全だと判断してしまいます。

他人に依頼するメリットとデメリット

人に頼ることは万能ではありませんが、上手に頼ることができると心身の負担を減り、仕事や人間関係なども安定します。

ここでは、人に頼るメリットをしっかり活かしつつ、起こりがちなデメリットを事前に防ぐためのポイントを分かりやすく解説します。

他人に依頼するメリット

人に頼ることで得られる具体的なメリットは以下の通りです。

負担が分散してミスが減る

一人で抱え込むほど、時間や気持ちに余裕がなくなります。その結果、確認が雑になったり、判断を急いでしまって、ミスが起きやすくなります。
適切に人に頼ることで作業量が分散し、ミスの予防につながります。

また、限界を超えてから助けを求めるより、早い段階で頼る方がダメージは小さく済む場合も多いです。

相手への信頼が伝わり関係性が良くなる

「頼む=迷惑」と感じやすい人ほど見落としがちですが、頼ることは「あなたを信頼しています」というメッセージにもなります。

適切な方法で依頼することで、相手は「任された」「役に立てた」と感じやすく、関係性がよくなることがあります。

得意分野で分担でき、チームの成果が上がる

得意なことや苦手なことは人によって異なります。
そのため、それぞれが得意な部分を担う方が、成果につながりやすくなります。

人に頼ることで役割分担がうまく回り始めると、作業のスピードが上がり、仕上がりの質も高まりやすくなります。

他人に依頼するデメリット

基本的には、頼ることで得られるメリットの方が大きいですが、頼り方を間違えると、相手との関係や成果の質に悪影響が生じます。

相手の都合に左右される&スピードが落ちる

他人に依頼すると、相手の予定や優先度などの都合に左右される場合があります。
また、自分一人では即決・即実行できる作業でも、確認や修正作業などのやり取りが多くなると、進行が遅れるケースも。

そうならないためにも、事前に相手の空き状況を確認して、期限を決めてから依頼するようにすると、安心して頼ることができます。

伝達コストがかかりズレが起きる

依頼する側がしっかりと伝えなければ、頼まれた側は「何をどこまでやるべきなの?」と迷うことがあります。作業範囲や完成基準がきちんと共有されていない依頼は、仕上がりのズレを生み、やり直しにつながります。「何を」「どこまで」「いつまでに」「どういう品質で」などを言語化して、事前に共有することが重要です。

頼る相手が偏ると不公平感が出る

頼みやすい相手に依頼が集中すると、負担の偏りが起きます。表面上は引き受けてくれていても、内心では消耗していることも。
その積み重ねが、不公平感や相手との関係性の悪化につながります。

内容に応じて頼る相手を変えたり、誰にどれだけ頼んでいるかを見える化するなど、偏りに気づける状態にしておくと安心です。

頼り下手を改善する方法

気持ちの切り替えと行動をセットで進めることで、頼り下手を少しずつ改善させることができます。

切り替えフレーズを持つ

人に頼ることに罪悪感を感じたときは、その感情を否定せず、冷静に判断を切り替えるようにします。
たとえば、「迷惑かけないように自分だけで抱え込むと、かえって大きな迷惑かけてしまうかもしれない」と気付くことが大切です。

相談者さんはすでに、残業増加とミスで消耗してしまっています。
この状態が続くと、体調を崩したり、さらに大きなミスにつながる可能性もあります。

頼るのことは甘えではありません。
事故やトラブルを防ぐために必要な行動だと、割り切って考えるのがおすすめです。

相談から始めてみる

頼り下手の人にとって、いきなり頼るのはハードルが高いかもしれません。
そこでおすすめなのは、小さな相談から始めてみることです。

「AとBではどちらを先に進めたら良いですか?」「ここで詰まっているので、やり方を教えてもらえますか?」といったように、相談ベースで相手に聞いてみるだけでも、気持ちはぐっと楽になります。

相談することで相手に状況が伝わり、「今、ちょうど手が空いているから手伝うよ」と声をかけてもらえるかもしれません。

こうした経験を重ねることで、「頼っても大丈夫なんだ」という感覚が少しずつ育ち、自然と頼れるようになっていきます。

依頼の型を決めておく

人に頼りたくても、どのように依頼したらいいか分からないときは、型に沿って依頼するとスムーズです。

特に「普通に考えればわかるだろう」と曖昧な言葉で任せると、思いがけないズレが生じ、トラブルに発展することもあります。

たとえば、次の4点が揃っていると相手が迷わなくて済みます。

  1. 何を(作業内容)
  2. どこまで(作業範囲)
  3. いつまでに(期限)
  4. どのような状態まで(基準)

依頼方法が雑だと「丸投げ」になってしまい、どこまでやればいいか分かりません。

明確な依頼は相手の負担を減らし、認識のズレを防ぐことにも繋がります。

普段から周囲とコミュニケーションを取る

普段から周囲の人とコミュニケーションをとっておくと、相手の状況を把握しやすくなり、頼みごともしやすくなります

人は基本的に、仲の良い人からのお願いほど「力になりたい」と感じやすいものです。
ただしコミュニケーションは得意・不得意が分かれるため、無理してストレスになるようでしたら、頑張りすぎなくても大丈夫です。

頼った後は感謝と具体的な結果を共有する

相手に助けてもらったあとの一言は、次の頼みやすさに繋がります。
「助かりました、ありがとう」だけでなく、「おかげで締切に間に合いました」というように具体的に伝えると、相手は貢献を実感できます。

頼んだ後のやり取りを気持ちの良いものにすることで、次も頼みやすくなります。頼ることは、関係を消耗させる行為ではありません。適切な頼み方は、むしろ信頼関係を育てるのです。

最後に:頼るのが苦手でも、まずは小さく始めてみよう

頼るのが苦手な人は、責任感が強く、周囲への配慮もできる人です。
ただし、その長所が強く出て自分だけで抱え込みすぎると、ミスや残業を増やし、心身の余裕を奪います。

頼ることは迷惑ではなく、安全に進めるための手段です。
いきなり大きく任せるのではなく、まずは小さな相談から始めるようにすると、少しずつ人に頼れるようになると思います。

もし「どう頼ればいいか分からない」「罪悪感が強くて動けない」と感じる場合は、公認心理師等とのカウンセリングで一緒に整理していくのも有効です。
今の状況や気持ちを言葉にするだけでも心が軽くなることがあるので、必要に応じて専門家に相談してみてください。 

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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