社交不安障害の彼女に気をつかいすぎてしまい恋愛がしんどくなっています
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
社交不安障害は、もちろん本人がいちばんつらいです。
しかし、そのパートナーは、常に近くで支えているからこそ、その特有の症状に寄り添うのが難しくなってしまうことがある、という話はよくカウンセリング時にも話題に上がります。
この記事では、、支える側の視点からの大事な視点について整理されています。ぜひ読んでみてください。
20代男性(会社員)
付き合って半年になる彼女が社交不安障害と診断されています。
週末のデートも当日になって体調が悪いと連絡が来ることが増え、LINEを送っても既読のまま何時間も返事がないことがあります。
最初は気にしていなかったのですが、最近は自分の誘い方が悪いのかとか、一緒にいること自体が負担なのかと考えてしまい、気持ちの持っていき場がありません。
彼女のことは好きだし支えたいと思っているのに、正直しんどいと感じている自分にも罪悪感があります。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
好きだから支えたいのに、支えようとするほど自分がすり減っていく。
その矛盾に気づいたとき、誰にも言えない苦しさを感じている方は少なくないかもしれません。
この記事では、社交不安障害のある彼女との恋愛で自分がしんどくなりやすい背景と、ふたりの関係を無理なく続けていくための考え方を整理していきます。
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社交不安障害の彼女に気をつかいすぎて、彼氏側がしんどくなるのはなぜか?

パートナーの不調を前にして自分もつらくなるのは、気持ちが弱いからではありません。
ここではまず、支える側が消耗しやすくなる心理的な背景を整理します。
彼女の反応の意味が読めず、いつも先回りしてしまう
社交不安障害のある彼女は、体調や不安の波によって反応が日ごとに変わりやすい傾向があります。
昨日は楽しそうだったのに今日は連絡が途絶える、という状況が続くと、無意識にパターンを読もうとしはじめます。
今日は機嫌がいいのか悪いのか、この話題は大丈夫か、誘っても負担にならないか。
そうした先回りの思考が常にはたらいている状態は、気づかないうちに大きなエネルギーを消費します。
相手の気持ちを推測し続けること自体が、心理的な負荷になっているわけです。
支えたい気持ちが強いほど、自分の負担に気づきにくい
恋愛のなかで相手を支えたいと思う感情は自然なものです。
ただ、その気持ちが強いほど、自分自身のしんどさにフタをしやすくなります。
彼女がつらいときに自分まで弱音を吐いてはいけない、恋愛をしんどいと思うのは自分が冷たいからだ。
そんなふうに考えてしまうと、自分の疲労や不満を感じること自体に罪悪感が生まれます。
この状態が続くと、付き合うことが相手にとって迷惑ではないかという方向にまで思考が広がり、関係を続けていいのかどうかという大きな迷いにつながることもあります。
嫌われたくなくて、彼氏側も無理を重ねやすい

社交不安障害は、他者からの否定的な評価を過剰に恐れるという特徴を持つ状態です。
実はこの心理は、支える側にも似たかたちで伝わっていく場合があります。
彼女に嫌われたくない、機嫌を損ねたくない、という気持ちが強まるほど、自分の希望や本音を引っ込めてしまう。
その結果、自分も素を出せないまま恋愛を続ける状態になり、ふたりの間に本音が通わなくなっていきます。
社交不安障害の彼女に恋愛で起こりやすいこと
社交不安障害は、他者からの否定的な評価を過剰に恐れるという特徴を持つ状態です。
状況を整理するためには、社交不安障害がどういった状態なのかを知っておくことが助けになります。
ここでは、恋愛場面で起こりやすいことを彼女側の視点から見ていきます。
社交不安障害は性格の問題ではなく、不安が強く出る状態

社交不安障害は、人前に出る場面や他者の視線を感じる場面で過剰に不安や恐怖が生じる状態です。
性格が内向的だから、努力が足りないから、というものではなく、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの機能や、恐怖を司る扁桃体の過活動といった生物学的な要因が関わっていることがわかっています。
厚生労働省の資料では生涯有病率が約13%とされ、平均発症年齢は13歳前後と報告されています。
性格の延長として片づけてしまうと本人が治療にたどり着きにくくなるため、まずこの点を理解しておくことが関係を考えるうえでの出発点になります。
好きでも避ける、黙る、会えないことがある
社交不安障害のある人のなかには、好きな人の前だからこそ頭が真っ白になる、嫌われるのが怖くて自分から連絡できないという状態を経験する人がいます。
気持ちが冷めたから連絡しないのではなく、気持ちがあるからこそ動けなくなるという逆説が起きやすいのが、この状態の特徴です。
彼女ができても素の自分を出せず、デートや会話のあいだずっと緊張し続けて疲れ切ってしまうというケースも珍しくありません。
本人はその疲労を見せまいとするので、外からは何が起きているのか余計にわかりにくくなります。
そっけなさやドタキャンを気持ちが冷めたサインとは限らない
返信が遅い、デートをキャンセルされた、会っていても表情が硬い。
こうした反応が続くと、自分への気持ちが薄れたのではないかと受け取りたくなります。
けれど、社交不安障害のある人にとっては、外出そのものや人前にいること自体に大きなエネルギーを必要とする日があります。
行動の変化が必ずしも気持ちの変化を意味するわけではない、という視点を持っておくだけでも、すれ違いの幅はいくらか小さくなります。
こんな場面で、彼氏側は特に消耗しやすい
ここでは、社交不安障害のある彼女との恋愛で消耗しやすい代表的な場面を取り上げます。
それぞれの場面で彼女の側に何が起きているかを知ることで、受け止め方が少し変わるかもしれません。

①LINEが返ってこないとき
既読のまま何時間も返信がないと、何か怒らせたのか、もう興味がないのかと気持ちが揺れます。
しかし社交不安障害のある人は、返信の文面ひとつを考えるだけでも強い緊張を感じやすい状態にあります。
どう返せば変に思われないかを延々と考えた結果、返信できなくなるという流れは当事者にとっては日常的なものです。
返信がないこと自体よりも、返ってこない理由がわからないことにストレスを感じやすいので、この構造を知っておくだけでも負荷は変わってきます。
②デートを断られたとき
当日のキャンセルが続くと、本当は会いたくないのではと感じてしまうのは自然なことです。
社交不安障害のある人の場合、外出への不安は直前になって急に強まることがあり、前日までは楽しみにしていたのに当日の朝になって体が動かなくなるということが起こりえます。
回避することでその瞬間は楽になりますが、断ってしまった罪悪感が次の約束への不安をさらに高めるという悪循環が本人のなかで回っていることも多いです。
③外出や人前を避けたがるとき
人が多い場所や初めての店を嫌がる、友人との集まりに来てくれない、といった場面では、自分の生活や交友関係まで制限されているような感覚に陥りやすくなります。
社交不安障害のある人にとって、不特定多数の視線がある場は日常以上にエネルギーを消耗する環境です。
避けること自体を責める必要はありませんが、自分の行動範囲まで狭めてしまうと、ふたりともじわじわと生活が窮屈になっていきます。
関係をこじらせにくくするために、彼氏側が意識したいこと

社交不安障害のある彼女との恋愛をうまく続けるための正解はひとつではありません。
ただ、関係がこじれやすいパターンにはある程度の共通点があるため、それを知っておくと自分の動き方を見直しやすくなります。
不安をゼロにしてあげようとしない
彼女が不安を感じているのを見ると、何とかしてあげたいと思うのは当然です。
しかし、社交不安障害の不安はすぐにゼロにできるものではなく、そもそもゼロにすること自体が現実的な目標ではありません。
不安があってもふたりの関係を続けられる状態を目指す、という感覚のほうが持続しやすくなります。
彼女のしんどさと、自分のしんどさは分けて考える
パートナーがつらそうなときに自分のしんどさを後回しにしてしまうのは、恋愛ではよく起こることです。
けれど、彼女が感じている不安と、自分が感じている疲労や不満は、別々の感情として存在していいものです。
どちらかが我慢すれば関係がうまくいくわけではなく、それぞれのしんどさを認めたうえで向き合うほうがお互いに長続きしやすくなります。
先回りしすぎず、本人の気持ちを確認する
彼女の不安を刺激しないようにと気をつかうあまり、本人に聞かずに予定を調整したり、行き先を決めてしまったりしがちです。
配慮のつもりでも、それが続くと彼女にとっては自分で判断する機会が減り、ふたりの関係のなかで主体性を持ちにくくなります。
迷ったときは推測で動くよりも、本人にどうしたいかを聞いてみるほうが結果的にすれ違いは減りやすいです。
大丈夫?を繰り返すより、安心して話せる空気をつくる
心配しているからこそ何度も大丈夫かと声をかけたくなりますが、確認が繰り返されると彼女のほうも自分がそんなに危うく見えているのかという不安につながりかねません。
それよりも、つらいときにはつらいと言っていいんだという空気をふだんからつくっておくことのほうが、結果として彼女の安心感につながりやすくなります。
ふたりで話し合うなら、ここをすり合わせておく

気持ちの整理がある程度ついたら、ふたりの間で具体的にすり合わせておくと楽になる場面は多いです。
話し合いは一度で完結させようとせず、少しずつ調整していくくらいの感覚で構いません。
連絡頻度や会い方は理想より続けやすさを優先する
毎日LINEをしたい、週末は必ずデートしたいという理想があっても、彼女のコンディションによってはそのペースを維持すること自体がプレッシャーになります。
大事なのは理想の頻度を守ることよりも、ふたりが無理なく続けられるペースを見つけることです。
返信が遅れても責めないというルールをひとつ共有しておくだけでも、お互いの安心感はかなり変わります。
つらいときの伝え方をあらかじめ決めておく
調子が悪いとき、それをどう伝えるかが決まっていないと、彼女は言い出せないまま我慢し、こちらは理由がわからないまま不安を抱えることになります。
今日はちょっとしんどいというひと言だけでも伝えてもらえるようにしておくと、必要以上に原因を探らなくて済みます。
伝え方の型をあらかじめふたりで決めておくことは、お互いの負担を減らすうえで実用的な工夫です。
彼女本人も彼氏側も、抱え込みすぎる前に相談していい

ここまで読んで、少し頭のなかが整理できた部分があるかもしれません。
最後に、ふたりが専門的なサポートを検討してもよいタイミングについて触れておきます。
彼女本人が受診やカウンセリングを考えたいサイン
次のような状態が続いているときは、医療機関や心理カウンセリングへの相談を考えてよいタイミングです。
- 日常の行動が回避中心になり、生活の幅が狭まっていると感じる
- 不安の波が以前より強くなってきたと本人が感じる
- 恋愛を続けること自体が怖いという気持ちが消えない
社交不安障害は自然に軽快する割合が30〜40%程度と報告されており、専門的なサポートを受けることで回復の見通しが立ちやすくなります。
恋愛の悩みは病気でなければ相談してはいけないものではなく、ふたりの関係をどう続けていくかというテーマで専門家に話を聞いてもらうことは、理解されるだろうかという不安を抱えている人にとっても大きな支えになり得ます。
ふたりの関係に正解はありませんし、すぐに何かを変えなければいけないわけでもありません。
ただ、ひとりで抱え続けるよりも、誰かに話してみることで少し呼吸がしやすくなる瞬間はあります。
