自己嫌悪で恋愛が苦しくて仕方ない…もう恋愛できないの?

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

恋愛のときだけ自分を責めてしまう、という方は多いです。

それは心が弱いからではなく、大事に思う相手の前ほど、自分の粗が見える気がするからなんですよね。

苦しさの奥には、たいてい理由があります。

一人で抱え込まず、まずはご自身の状態をそっと眺めるところから始めてみてください。

アバター画像

20代女性(会社員・公務員)

好きな人ができると、嬉しいはずなのに苦しくなります。

既読がつかないだけで、変なこと言ったかなと何度もトーク画面を開いてしまう。

そのたびに、こんな重い自分が嫌になります。

恋愛のたびに落ち込む私は、そもそも向いていないのかなと思うんです。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。

恋愛になると自己嫌悪がふくらむのは、あなたが冷たい人だからではありません。その苦しさは、自分を否定するくせと関わっています。

この記事では、なぜ恋愛で自分を責めてしまうのかを解きほぐします。少し楽になる見方を、一緒に整理していきましょう。

恋愛のたびに自己嫌悪になるあなたへ

好きな人ができると、心が動くぶんだけ自分の嫌な面も見えやすくなります。恋愛で自己嫌悪におちいる感覚は、あなただけのものではありません。はじめに、その気持ちの出どころをゆっくりたどっていきます。

「また余計なことを言ったかも」と、送信したあとで何度も画面を見返す。そんな時間が続くと、心はじわじわとすり減っていきます。

相手を好きだからこそ、嫌われたくない気持ちは強くなります。だから自分の言動をあとから点検し、粗ばかり探してしまうわけです。楽しいはずの時間なのに、気づけば一人反省会をしている夜もあります。

恋愛中でも、恋の入り口でも、自分を責めるくせに気づくことが出発点になります。
恋愛中でも、恋の入り口でも、自分を責めるくせに気づくことが出発点になります。

恋愛に踏み出せないと感じる人も、根っこは似ています。始める前から自分を止めて、動けない自分をまた責めてしまう。好きになること自体が、こわいと感じる人もいます。

交際中でも、恋の入り口でも、自分を責める同じくせが顔を出しています。まずそこに気づくことが、少し楽になる出発点になります。交際中の人は言った言葉を、踏み出せない人は動けない自分を責めます。責める先が違うだけです。

アバター画像

監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?

自己嫌悪の裏にある自己肯定感の低さ

恋愛で自分を責めやすい背景には、自己肯定感の低さが隠れています。ここからは、その心理のしくみを三つの角度からほどきます。原因が見えると、自分を責める手がすこしゆるみます。

自己肯定感とは、ありのままの自分を認められる感覚のことです。これが低いと、評価が気になる恋愛の場面で自信が揺らぎます。恋愛は、自分の弱いところが最も出やすい場面でもあります。土台が揺れていると、相手の何気ない一言も強く響いてしまう。

嫌われる恐怖と完璧主義のつながり

好きな相手の前では、よく見られたい気持ちが自然と高まります。その裏返しで、嫌われる怖さもふくらみます。

完璧でいなければ愛されない。そう思い込むほど、小さな失敗も許せなくなります。理想の恋人像を自分に課すと、その基準に届かない自分が苦しくなります。

好かれたい気持ちが強いときほど、自分に課した基準を見直す余地があります。
好かれたい気持ちが強いときほど、自分に課した基準を見直す余地があります。

恋人に見せる自分へ百点を求めるほど、減点ばかりが目につきます。少しの言い間違いで、自分を大きく責める人もいます。けれど相手が見ているのは、点数ではなく素のあなたです。

それでも、失敗した自分を責めるほど身動きは取れなくなります。完璧さより、正直さのほうが関係を育てます。

過去の対人関係が与える影響

自分を責めるくせは、生まれつきのものではありません。育つ過程で身についた反応である場合もあります。

心理学には、愛着スタイルという考え方があります。幼いころに築いた関係の型が、大人の恋愛のしかたに影響するという見方です。親や身近な人との間で不安が強かった人は、相手の反応に敏感になりがちです。

過去を責めずに振り返ることが、今の関係を理解する手がかりになります。
過去を責めずに振り返ることが、今の関係を理解する手がかりになります。

安心して甘えられた経験が少ないと、相手の気持ちを疑いやすくなります。ただし、すべてを過去のせいにする必要はありません。今の関わり方を通して、少しずつ書き換えていける部分もあります。

過去の型に気づけたら、それはもう変えていける入り口です。責めるためではなく、理解するために振り返ってみましょう。

▼合わせて読みたい

不安型愛着障害の試し行動なのかも…彼氏との恋愛が苦しくなっています。

好きな相手なのに、自分の言動で関係を少しずつすり減らしてしまう感覚は、出口が見えにくくてつらいものだと思います。 やめたいのにやめられない、そのループの中にいる…

URL:https://kokolaboratory.com/qa-3726/

一時的な落ち込みか繰り返す癖か

同じ自己嫌悪でも、性質はひとつとは限りません。失恋直後のような一時的な落ち込みなら、時間とともに和らぎます。

気をつけたいのは、恋のたびに同じパターンで自分を責める場合です。相手が変わっても苦しさが繰り返すなら、心のくせが働くサインかもしれません。そのときは、相手選びよりも自分の内側に目を向けたほうが早いこともあります。

落ち込みの深さや続く期間を、手帳に書き留めておくと違いが見えます。うまく判断できないときは、次の章の目安も参考になります。

落ち込みの続き方を記録すると、一時的か繰り返すくせかを考えやすくなります。
落ち込みの続き方を記録すると、一時的か繰り返すくせかを考えやすくなります。

まず、自分の落ち込みがどちらに近いかを振り返ってみる。それだけでも、次にとる行動の見当がつきやすくなります。

恋愛での自己嫌悪との向き合い方と行動ステップ

自分を責めるくせが見えてきたら、次は日々の向き合い方です。嫉妬、恋愛への一歩、自分責め、境界線の順に、扱い方を分けて見ていきます。どれも、今日から小さく試せるものです。

大事なのは、感情を消そうとしないことです。嫉妬や不安は、なくすより扱い方を覚えるほうが現実的です。

嫉妬やチェック癖とどう付き合うか

相手のSNSを何度も見てしまい、あとで落ち込む。そんなチェック癖を、誰にも言えずに抱えている人もいます。

嫉妬そのものは、好きだからこそ生まれる自然な感情です。つらいのは、その勢いのまま相手にぶつけてしまうときです。言ったあとで、また自分を責める悪循環にもなりがちです。

見たくなったら、まず五分だけ別の行動をはさみます。深呼吸や短い散歩で、衝動はいくらか落ち着きます。時間を置くと、伝えたい思いと八つ当たりの違いが見えてきます。

衝動と行動の間に短い時間を挟むと、気持ちを落ち着いて選びやすくなります。
衝動と行動の間に短い時間を挟むと、気持ちを落ち着いて選びやすくなります。

チェックをやめられた日は、自分を小さくねぎらってあげてください。見ないでいられた時間は、次に我慢するときの目安になります。

恋愛に踏み出せない気持ちの整理

恋愛できないと悩む背景には、傷つくことへの怖さがあります。過去のつらい経験が、一歩を重くしていることもあります。

無理に恋人を作ろうと焦る前に、人と関わる練習から始めても構いません。安心できる関係を少しずつ増やすほうが、遠回りに見えて近道です。友人や同僚と穏やかに話せる時間が、自信の下地になります。

あせりは、まわりと自分を比べたときに強まります。比べる相手を、少し前の自分に置き換えてみましょう。

恋愛から少し離れる時期があってもいい。それも、自分を大切にする一つのかたちです。

▼関連記事

社交不安障害だと恋愛できないの?好きな人ができても怖くて動けません

ご相談ありがとうございます。好きな人ができるたびに怖さが先に来てしまう。社交不安障害とは、人との関わりの場面で強い不安や恐怖が続き、日常生活にも支障が出る状態の…

URL:https://kokolaboratory.com/qa-2462/

自分を責める思考の切り替え方

失敗した場面を、頭の中で何度も再生してしまう。これは反芻思考と呼ばれ、気分をさらに落ち込ませます。

止めようと力むと、かえって考えが強まる場合もあります。そこで、思考を消すのではなく、事実と解釈を分けてみます。

たとえば返信が来ないとき、事実は「まだ返信がない」だけです。嫌われたという結論は、そこに乗せた自分の解釈にすぎません。相手は忙しいのかもしれないし、理由はまだ分かりません。

まだ返信がないという事実と、嫌われたという解釈は分けて眺められます。
まだ返信がないという事実と、嫌われたという解釈は分けて眺められます。

事実と、自分の想像を切り分けてメモしてみてください。それだけで、責める材料がぐっと減ります。

書き出すと、頭の中でふくらんだ不安が等身大に戻ります。紙の上なら、こわい考えとも少し距離を取れます。

パートナーとの境界線の引き方

相手を大切に思うほど、自分の気持ちを後回しにしがちです。けれど我慢を重ねると、関係はかえってこわばります。

境界線は、相手を遠ざける壁とは違います。自分の心地よさを守るための、やわらかい線引きです。どこまでなら心地よいかは、人によって違っていて当然です。

自分の心地よさを伝える小さな対話が、境界線をつくるきっかけになります。
自分の心地よさを伝える小さな対話が、境界線をつくるきっかけになります。

言いにくいことは、責めずに自分を主語にして伝えます。私はこう感じた、と話すと、相手も受け取りやすくなります。

小さな希望を一つ伝えることから、線引きは始められます。相手を信じるからこそ、本音を預けられるのです。

我慢と思いやりは、別物です。黙って引き受けた分は、相手には見えないまま残ります。

アバター画像

監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?

恋愛の自己嫌悪を一人で抱えないための相談の目安

ここまでの工夫でも苦しさが晴れないときは、頼っていい相手がいます。抱え込みすぎのサインと、公認心理師への相談を順に取り上げます。誰かに話すのは、前に進むための現実的な一歩です。

抱え込みすぎているサイン

気分の落ち込みが強く、眠れない日が続く。食欲がわかず、好きだったことにも興味が持てない。

こうした状態が二週間ほど続くなら、心の疲れがたまっているサインと考えられます。恋愛の悩みだけでなく、心身の不調が重なっている場合もあります。仕事や生活に支障が出ているなら、早めのケアが役に立ちます。

眠りや食事の乱れは、気持ちの落ち込みより先に表に出ることがあります。自分では平気なつもりでも、そこだけは変化が分かります。

自分を傷つけたい気持ちがよぎるなら、早めに専門家へ。がまんを続ける前に、声を出してほしい場面です。

気分や睡眠、生活の変化が続くときは早めに相談先へつながってください。
気分や睡眠、生活の変化が続くときは早めに相談先へつながってください。

公認心理師への相談という選択肢

カウンセリングは、特別な人だけのものと思われがちです。でも実際は、誰でも使える身近な選択肢です。

公認心理師などの専門家と話すなかで、自分のくせを一緒に整理できます。費用や相手が気になるときは、公的な窓口から試す方法もあります。

相談先は一つに限らず、試しやすい窓口から選べます。
相談先は一つに限らず、試しやすい窓口から選べます。

厚生労働省のまもろうよ こころには、無料で使える相談窓口がまとまっています。電話でつながる窓口もあれば、チャットやSNSで文字だけ相談できる窓口もあります。

一度きりの利用でも、気持ちの整理には意味があります。相性が合わなければ、別の窓口に変えてかまいません。

話す相手は、一人にしぼらなくて大丈夫です。あなたが少し息をつける場所を、選んでいけます。恋愛の悩みから始まった相談でも、受け止めてもらえます。焦らず、あなたのペースで進めていって大丈夫です。

アバター画像

監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

この記事をシェアする

公認心理師が
あなたの一歩を支えます

相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。

公認心理師がサイト上で回答します

公認心理師にオンラインで相談

カウンセリングの詳細