うつ病で休学したくないけど、大学ぼっちで誰にも相談できない…

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

大学生のメンタル不調は珍しいことではなく、長崎大学の調査ではこの1年で約3人に1人が何らかの精神的不調を経験し、うつ病も18.5%と報告されています。

また、大学で孤立しやすいことや、相談できる相手がいないことは、気分の落ち込みを深める要因にもなりえます。そのため、「休学したほうがいいのか、でも休みたくない」と揺れるのは、あなただけではありません。

この記事では、大学ぼっちの状態でうつ病と向き合うときに起こりやすいことや、欠席・単位・休学の考え方を整理していきます。

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10代女性(学生)

大学1年で後期あたりからだんだん気持ちが沈むようになり、最近うつ病と診断されました。
朝起きても体が重くて、午前の授業に間に合わない日が増えています。

大学に友達がいないので、休んだ回のノートを見せてもらうこともできず、グループ課題の連絡が来るたびに胃が痛くなります。

休学すればラクになるのかもしれないけど、ダメ人間判定されそうで怖いし、学費を出してくれている親にどう説明すればいいのか分かりません。
かといって、このまま欠席が続いたら単位を落とすのも時間の問題で、どうすればいいのか自分でも整理がつきません。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。
授業に行けない日が増える中で、「休学はしたくない」という思いと、「このままだと厳しいかもしれない」という現実の間で揺れているのですよね。とても苦しい状況だと思います。

この記事では、大学ぼっちの状態でうつ病と向き合うときに何が起きやすいのか、そして欠席が増えたとき大学の制度面で確認しておきたいことを中心に、少しずつ整理していきます。

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うつ病で休学したくないとき、まず整理したい不安の正体

うつ病休学の不安の正体

休学したくないと感じること自体に、後ろめたさを覚える必要はありません。
その気持ちの奥にどんな不安があるのか、少し丁寧に見ていきます。

遅れへの恐怖と将来不安

休学したくないと思う理由のなかでも特に多いのが、同期から遅れることへの恐怖です。
就職活動の時期がずれる、卒業が遅れる、履歴書に空白ができる。
そうした将来への不安が、休むことへのブレーキになります。

この恐怖は、将来を真剣に考えているからこそ生まれるものです。
ただ、不安が強いあまり無理を続けた結果、症状が深まって長い休養が必要になる場合もあります。

学費や親への罪悪感

親に学費を出してもらっている場合、体調の変化や欠席の増加を伝えること自体がとても気が重く感じられます。
申し訳なさから、状況を隠してしまう人も少なくありません。

もし伝える場面が来たときには、次の順番を意識すると相手にも状況が伝わりやすくなります。

  1. まず、今起きている事実を短く話す
  2. 次に、自分が困っていることを伝える
  3. 最後に、必要な支えをお願いする

休学するかどうか、判断の目安を持つ

自分の状態がどの段階にあるのか、感覚だけでは整理しにくいと思います。
次のような状態が続いている場合は、いったん立ち止まって検討する段階かもしれません。

  • 2週間以上ほぼ毎日通学が困難な状態にある
  • 履修科目の半分以上に出席できていない
  • 生活リズムが大きく崩れている
  • 通院や治療を優先したほうが回復が見込めると主治医が判断している

逆に、履修を減らせば通えそうな感覚がある場合や、今学期は必修が少ない場合、家族や教員が事情を理解してくれている場合は、休学せずに続けられる可能性もあります。

気持ちだけではなく、体調・単位の状況・周囲の支援体制の3つを合わせて見ることが、納得のいく判断につながりやすくなります。

大学ぼっちでうつ状態が悪化しやすい理由

大学で一人の状態が続くと、困りごとを打ち明ける相手が見つからず、気づかないうちに抱え込みやすくなります。
ここでは、うつ状態と孤立がどんなふうに絡み合うのかを整理します。

うつ状態が対人不安を強める心理的仕組み

うつ状態にあると、意欲や集中力が落ちるだけでなく、人と接すること自体に強い不安を覚えやすくなります。

心理学では、こうした反応を回避行動と呼ぶことがあります。
これはエネルギーが下がっているときに自分を守ろうとする心の動きで、決して「サボり」や「甘え」ではありません。

本当は助けを求めたいのに、声をかけること自体がハードルになってしまう。
周囲が楽しそうに見えるほど自分との差を感じ、ますます距離を取りたくなることも珍しくありません。

孤立が欠席を増やす悪循環

大学ぼっちの状態でつらいのは、孤独感だけではありません。

  • 休んだ回の講義内容を確認する手段がない
  • グループ課題の連絡が取りにくい
  • 試験情報が入ってこない

こうした細かいけれど確実に効いてくる負担が積み重なると、じわじわと気持ちを追い込んでいきます。

うつ病で欠席扱いになる?大学で確認すべきポイント

うつ病で学校を休むときの確認ポイント

欠席が続くと、単位がどうなるのかが気がかりになってきます。
仕組みは大学ごとに異なりますが、共通して押さえておきたいポイントを整理します。

①出席要件と単位認定のルール

多くの大学では、授業回数の3分の2以上の出席を単位認定の前提としています。

ただし、この基準は大学や科目によって幅があり、実習系の科目ではより厳しい出席要件が設けられていることもあります。
自分が履修している科目の出席要件は、シラバスや教務課の窓口で確認できます。

出席回数がぎりぎりの科目がないか、早めに把握しておくだけでも見通しが立ちやすくなります。

②代替課題・追試の可能性

病気によるやむを得ない欠席の場合、レポートなどの代替課題や追試で評価してもらえるケースがあります。

すべての大学・科目で認められるわけではありませんが、事情を担当教員に伝えることで対応してもらえる場合は少なくありません。
うつ病で欠席扱いが増えている状況であっても、連絡を入れるタイミングが早いほど選択肢は広がりやすくなります。

連絡が遅れるほど選択肢は狭まりやすいので、短いメールでもいいので早めに共有しておくと安心です。

③診断書が必要な場面と提出先

大学での手続きを進めるうえで、医師の診断書が必要になる場面があります。
主なケースは次のとおりです。

  • 休学の申請
  • 合理的配慮の申請
  • 一定期間以上の欠席に対する届出

提出先は手続きの種類によって異なり、休学であれば教務課、配慮申請であれば学生支援課や障害学生支援室などに分かれるのが一般的です。
費用は医療機関によりますが、2,000円から10,000円程度が目安になります。

どの場面でいつまでに必要かを教務課であらかじめ確認しておくと、体調が落ちているときに慌てずにすみます。

④合理的配慮という選択肢

障害者差別解消法にもとづき、大学には合理的配慮を提供する義務があります。

うつ病を含む精神的な不調がある場合、座席位置の配慮、レポート提出期限の延長、別室での試験受験といった調整を申請できることがあります。

うつ病で欠席扱いが続いて不安を感じているときこそ、こうした制度を知っておくことに意味があります。
申請には診断書が必要になる場合が多いですが、手続きの流れは大学ごとに異なります。

まずは学生支援課や学生相談室で、自分のケースで利用できるものがあるかを聞いてみるところから始めてみてください。

休学せずに続けるための現実的な調整と今できる行動

通い続ける道を選ぶ場合、今の体調に合わせて学業の負荷を調整することが大切になります。
どんな調整ができるのか、確認先とあわせて見ていきます。

履修単位を見直すという選択

体調と学業の両立を考えるうえで、まず検討したいのが履修登録の見直しです。

来学期の履修を減らすことで通学の負担が軽くなり、出席できる授業に集中する形がとれます。
半期の上限ぎりぎりまで登録している場合は、卒業要件に直接関わらない科目から調整を考えてみてください。

必修科目の優先順位を考える

履修を減らす場合でも、必修科目は卒業に直結するため優先的に残す必要があります。

もし必修への出席がすでに厳しい状況であれば、担当教員に早めに事情を伝えておくことで、代替課題やオンライン受講の可能性を探れる場合があります。
何も言わずに欠席が続く状態よりも、状況を共有しておくほうが選択肢は広がりやすくなります。

教務課に事前確認する

教務課では、次のような情報を確認できます。

  • 履修変更の手続きや期限
  • 休学した場合の学費の扱い
  • 在籍年限

休学すると留年が確定するのか、復学後にそれまでの単位はどうなるのかといった疑問にも、教務課で正確な回答が得られます。

今すぐ休学するつもりがなくても、制度を知っておくことで不安の輪郭がはっきりし、判断がしやすくなります。

それでも迷うとき、休学は逃げではない選択肢

いろいろ調べてみても、やはり今のまま続けるのは厳しいかもしれない。そう感じることがあっても、おかしなことではありません。

休学という選択肢について、もう少し具体的に整理しておきます。

休学のメリット・デメリット

休学の一番のメリットは、学業から一時的に離れて治療や休養に集中できることです。
大学に籍を残したまま休めるため、回復後に復学する道が確保されています。

一方で、あらかじめ想定しておきたい点もあります。

  • 休んだ分だけ卒業が遅れる
  • 休学中も在籍料が発生する大学がある
  • 復学後、同期が先に進んでいる環境に戻る心理的な負荷

ただし、無理を続けて症状が深まり、より長い休養が必要になるリスクと比べると、早い段階での休学がかえって復帰を早めるケースもあります。

復学を前提にした休学設計

休学を検討する場合は、期間や復学の条件を事前に確認しておくと見通しが立ちやすくなります。

多くの大学では半年または1年単位での休学が可能で、復学には主治医の意見書や診断書が必要になるのが一般的です。

休学中の学費は大学によって対応が分かれ、授業料が免除される代わりに在籍料がかかる場合もあります。
最長休学期間や在籍年限も大学ごとに決められているため、教務課での確認が欠かせません。

退学や編入が視野に入る場合は、回復を最優先するのか、環境を変えることを優先するのか、費用面はどうかといった軸で整理すると、考えがまとまりやすくなります。

大学生がうつ病等でメンタルの落ち込みに困ったときの相談先

ここでは、今の状況で頼れる相談先をまとめておきます。
どこに何を聞けばよいか迷ったときの参考にしてください。

大学の学生相談室

学業・対人関係・心身の不調について、心理カウンセラーに無料で相談できます。
最初の一歩として利用しやすい場所ですので通っている大学に問い合わせてみてください。

厚生労働省がやっている相談窓口

電話やSNSで相談できる窓口が複数あります。
大学の相談室に行く気力がないときや、まず匿名で話を聞いてほしいときに使えます。

厚生労働省の相談窓口について詳しくはこちら

Coop共済運営の相談サービス

大学生協の共済に加入している場合、電話で心の悩みを相談できるサービスがあります。
学内の相談室とは別の窓口を持っておきたいときに選択肢になります。

Coop共済運営の相談窓口について詳しくはこちら

ココラボへ相談

公認心理師によるオンラインカウンセリングを行っています。
自宅から利用できるため、外出が難しいときや、大学の窓口には話しにくいと感じるときにも相談できます。

オンラインカウンセリングはこちらから

すべてを一度に決めなくて大丈夫です。まずは、明日ひとつだけ動けそうなことを探してみてください。それだけでも十分です。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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