人から言われた嫌な言葉がトラウマに。忘れられない時の対処法は?

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20代女性(学生)

仲の良い友人に、ちょっとしたケンカのとき「正直、一緒にいると疲れる」「空気読めないよね」と言われたことが頭から離れません。相手は後から「言い過ぎた、ごめん」と謝ってくれたのですが、その言葉だけが何度もリピートされてしまいます。
他の友人と話していても「今、また疲れさせてないかな」「空気読めてないと思われてないかな」と不安になり、本音を出せなくなりました。友人の前で笑っていても心の中ではビクビクしていて、人と会った後にどっと疲れます。
一度言われた嫌な言葉を、ここまで引きずってしまう自分にも自己嫌悪です。どう考え方を変えればいいのでしょうか。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。
仲の良い友人からのひと言は、とても心に残りやすいもので、深く傷つくのは自然な反応です。

今感じているつらさは決して大げさなものではなく、それだけ心が必死に自分を守ろうとしてくれているのです。

ここからは、傷ついた気持ちを大切にしながら、人から言われた言葉をトラウマのように引きずりにくくするための考え方と、具体的な対処法をお伝えします。

人から言われた嫌な言葉がトラウマのように残る理由

嫌な言葉が繰り返し浮かんでくる状態は、心理学では「反すう思考」と呼ばれます。
過去の出来事や言葉を何度も思い出し、怒りや悲しみ、自責の気持ちを強くしながら考え続けてしまう状態です。

反すう思考は多くの人が経験する心の動きですが、長く続くと集中力の低下や不眠の原因になり心身の負担が大きくなります。

まずは「同じことを何度も考え続けてしまっている」と気づくことが、悪循環から抜ける第一歩です。

関連記事:【私だけ?】ネガティブ思考が止まらない…原因や抜け出す方法は?

他人の言葉に傷つきやすい人の特徴

傷つきやすい人は、心が弱いのではなく、ものの感じ方がとても繊細です。
そのため、人からの一言が強く心に残りやすい傾向があります。

  • 繊細で感受性が高く、他者の感情や場の空気を敏感に察知しやすい
  • 完璧主義なところがあり、少しの失敗や指摘も大きな否定として受けとりやすい
  • 自己肯定感が低く、自分の価値を過小評価して否定的な言葉に強く影響されやすい
  • 内向的で考え込みやすく、傷ついた出来事を一人で何度も反すうしてしまう
  • 自己開示が苦手で、本音や弱みを抱え込みやすく、その結果誤解や孤立感を感じやすい

これらの特徴は欠点だけではなく、人の気持ちを思いやる力や責任感の強さにもつながっています。

言葉を「全部自分のせい」にしない考え方

友人の一言をトラウマのように感じるとき、「自分が悪いから言われた」「本当に空気が読めないのかもしれない」と、自分だけを責めがちになります。

しかし、心の専門家の立場から考えると、きつい言葉をぶつけてくる背景には相手側の事情がある場合が多いです。

相手の心の事情を想像する

人が棘のある言葉を口にする場面には、いくつかのパターンがあります。

  • 仕事や勉強、人間関係など、別のことでイライラしていて、その苛立ちを近くの人にぶつけてしまう
  • 過去のつらい経験と目の前の相手を重ねてしまい、必要以上にきつい言葉になる
  • 権威を保ちたい気持ちや、相手より優位に立ちたい気持ちから、見下すような言い方になる
  • 発達特性やコミュニケーションのクセによって、悪気なくストレートな言い方になってしまう

こうした背景を知ると、「自分がダメだから言われた」と決めつける必要がないことが見えてきます。

相手の心の状態や事情を想像する視点は、メンタルヘルスの領域で「メンタライゼーション」とも呼ばれ、傷つきから回復する助けになるとされています。

心の境界線を引いて自分を守る

相手の事情を理解しようとすることと、相手の機嫌や評価に振り回されることは別の問題です。
他人の感情や意見を、自分の価値そのものと同じように扱ってしまうと、心がすり減っていきます。

心を守るうえでは、「これは相手の意見」「これは相手の感情」という境界線を意識することが大切です。

繰り返し強い言葉を向けられる関係や、話すたびに自尊心が削られていく相手とは、距離を調整することも選択肢になります。
会う頻度を減らしたり、深い話を控えたりして、心が安心できる人間関係に時間とエネルギーを使う工夫も大切です。

他人の言葉が頭から離れないときの対処法

嫌な言葉の記憶そのものを消すことは難しいですが、心への響き方を弱めていくことはできます。
ここでは、心理療法やカウンセリングで用いられている方法も参考にしながら、日常で取り入れやすい対処法を紹介します。

気持ちを書き出して、頭の中の言葉を外に出す

頭の中だけで考え続けていると、同じ場面やセリフばかりが強調されていきます。
そこで、ノートやスマホに「出来事」「そのとき浮かんだ考え」「感じた感情」を一度書き出すと、頭の中の言葉を外に出すことができます。

たとえば、「友人に『一緒にいると疲れる』と言われた」「自分は空気が読めないと思われていると感じた」「悲しさと恥ずかしさ、怒りがあった」といった形で整理してみます。
書き出すことで、心の中で起きていることが可視化され、感情と事実と推測を区別しやすくなります。

うまく書こうとする必要はなく、短いメモでも十分です。

「今、傷ついている」と認めて、体と感覚に意識を戻す

嫌な言葉を思い出した瞬間、胸がざわざわしたり、顔が熱くなったり、体の感覚も変化します。
その変化に気づかないまま考え続けると、反すう思考に入りやすくなります。

言葉を思い出したときに、「今、自分はあの一言でまた傷ついている」と心の中で認めてみます。
そのうえで、足の裏が床についている感覚や、息を吸って吐くリズム、目の前の景色など、今ここで感じられる感覚に意識を戻していきます。

このように、目の前のものごとに集中する感覚は「マインドフルネス」という方法にも取り入れられています。

自己肯定感を少しずつ育てる

他人の言葉に強く揺さぶられないためには、自分の内側に「これが自分の良さだ」と思える感覚を育てていくことが重要です。
いきなり大きく変えようとするのではなく、小さな成功や努力に目を向ける習慣が役立ちます。

十分な睡眠や食事、休息の時間を確保することも、心に余裕を生み、否定的な言葉への耐性を高めます。

自分の価値は、誰かの一言だけで決まるものではありません。 日々の小さな積み重ねが、自分を信じる力を少しずつ支えていきます。

相手や信頼できる人に気持ちを伝える

傷つく出来事を一人で抱え込むと、考えが偏りやすくなり、つらさも長引きます。

安心して話せる友人や家族に、出来事と気持ちを聞いてもらう時間は、心を落ち着かせる力があります。
共感してもらうことで、「自分だけがおかしいわけではない」という感覚も得られます。

今回の友人と関係を続けたい場合は、「あのときの一言がずっと気になっている」と、落ち着いたタイミングで伝える方法もあります。
謝ってくれたという事実は、相手が関係を大事にしたい気持ちを持っているサインでもあります。
話すかどうか、どこまで伝えるかは、自分のペースで決めてかまいません。

一方で、何度も似た言葉を向けられる、謝罪の後も同じことが繰り返されるなど、関係そのものに無理を感じる場合は、距離を調整する選択も大切です。

日常生活に支障が出ていると感じたら

嫌な言葉を引きずること自体は、多くの人が経験する自然な反応です。

ただ、時間がたってもつらさが弱まらず、眠れない日が続く、人と会うことがこわくて予定を避けてしまうなど、日常生活に大きな影響が出ている場合は、専門家に相談するタイミングかどうかを検討してよい段階です。

ココラボでは、公認心理師がオンラインでカウンセリングを行っています。

自宅からスマートフォンやパソコンで相談でき、他のカウンセリングルームと比べて利用しやすい料金設定になっています。

「まずは今のつらさを聞いてほしい」「自分の状態を一緒に整理してほしい」と感じたときは、ひとりで抱え込む前に、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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