彼女がパニック障害に…恋人として接し方はどうする?

※記事内に広告が含まれる場合があります。

20代男性(会社員)

私には、大学生の頃から5年間付き合っている同い年の彼女がいます。明るく前向きな性格で、これまで大きな問題もなく過ごしてきました。
ですが、社会人になってから、通勤の電車に乗ると気分が悪くなり、途中で降りて家に戻ってくることが増えました。家ではいつも通り元気なので、正直どう受け止めていいのか分からず、心配になって病院を受診してもらいました。その結果、彼女はパニック障害と診断されました。
彼女を支えたい気持ちはありますが、どんな声かけが正解なのか、どこまで寄り添えばいいのか分かりません。彼氏として、パニック障害の彼女とどう向き合えばよいのでしょうか。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。恋人の体調や心の変化を前に、戸惑いや不安を感じるのはとても自然なことです。「支えたいけれど、どう関わればいいのか分からない」という悩みを抱える方は、決して少なくありません。
まずはパニック障害について正しく知ることが、彼女との向き合い方を考える第一歩になります。

パニック障害とは

パニック障害は、突然強い不安や恐怖に襲われ、心や体に激しい反応が出る心の病気です。
命の危険がない場面でも、体が「今すぐ逃げなければならない」と誤作動を起こしてしまうのが特徴です。

突然あらわれるパニック発作の症状

パニック障害の中心となるのが「パニック発作」です。
発作は前触れなく起こることが多く、本人も理由が分からないまま強い苦痛を感じます。代表的な症状には、次のようなものがあります。

  • 動悸や心臓が激しく打つ感じ
  • 息苦しさ、息がうまく吸えない感覚
  • 吐き気、胃のムカつき
  • めまい、ふらつき
  • 冷や汗や手足の震え
  • 「このまま倒れるのでは」「死んでしまうのでは」という強い恐怖

これらは本人にとってとても現実的で切迫した体験であり、我慢できるものではありません。

電車や人混みで起こりやすい理由

パニック発作は、電車・バス・人混み・会議室など、「すぐに逃げられない」と感じやすい場所で起こりやすい傾向があります。
「途中で降りられなかったらどうしよう」や「迷惑をかけたらどうしよう」という考えが引き金となり、不安が一気に高まり、発作につながることがあります。実際に危険があるわけではなくても、脳が危険だと誤認識してしまうのです。
また、電車での体調不良についてはこちらの記事で詳しく解説しているので一緒に読んでみてください。

気持ちの弱さや性格の問題ではない

パニック障害は、気合いや根性で乗り越えられるものではありません。脳や自律神経が過敏になり、身体が過剰に反応してしまう状態と考えられています。

周囲からは「元気そう」「普通に見える」ことも多いため、「甘えているのでは」「考えすぎでは」と誤解されやすいのも特徴です。

ですが、本人は発作を恐れ、常に不安と戦っています。見えない苦しさを抱えている病気であることを理解することが、支える側にとってとても大切です。

日本のパニック障害の割合

パニック障害は、「自分の身近にはいない」「珍しい病気なのでは」と思われがちですが、実際には多くの人が経験しています。

特に、進学・就職・昇進など、環境が大きく変わる時期に発症するケースが少なくありません。
年齢別に見ると、若い世代から中高年まで幅広く分布しており、「誰にでも起こりうる身近な心の不調」であることが分かります。

年齢層推定患者数(万人)
10代約3.2万
20代約6.4万
30代約6.7万
40代約7.3万
50代約4.9万
60代以上約7.8万

パニック障害は明るい人がなりやすい?

「彼女は明るい性格です。周りからも『元気そう』『しっかりしている』と言われるタイプでした。だからこそ、パニック障害と聞いて、正直ピンときませんでした」
このように感じる方は、とても多いです。

ですが実は、研究データを見ると、この違和感にはきちんとした理由があります。
三重大学で行われた研究では、パニック障害と診断された約300人を対象に、性格特性と発症年齢の関係が調べられています。

その結果、パニック障害を若い年齢で発症した人ほど、「不安を感じやすい特性」や「神経症傾向」が高いことがわかっています。一方で同じ研究では、「外向性(明るさ・社交性)」については、健常者とパニック障害の人の間で大きな差は見られませんでした。
つまり、「明るいから安心、元気そうだから大丈夫、とは言い切れない」のが現実です。

恋人として向き合っていくには

恋人がパニック障害と診断されると、「何とかしてあげたい」「早く元気になってほしい」と思うのは自然なことです。
ただ、支えようとする気持ちが強すぎると、かえってお互いに苦しくなってしまうこともあります。

恋人がやってしまいがちなNG対応

彼女を思う気持ちから、無意識のうちに逆効果になってしまう対応もあります。
以下は、恋人だからこそ起こりやすいNG例です。

  • 「大丈夫」「気にしすぎだよ」と軽く流してしまう
  • 「前はできてたよね?」と過去と比べてしまう
  • 不安そうな様子を見るたびに、過度に心配しすぎる
  • 良かれと思って行動を制限しすぎる(外出を全部止めるなど)

これらは、本人に「理解してもらえていない」「迷惑をかけている」という気持ちを強めてしまうことがあります。
大切なのは、症状を消そうとすることよりも、安心していられる関係を保つことです。

症状が出たときの具体的な声かけ例

パニック発作が起きたとき、何を言えばいいのか迷う方は多いと思います。
完璧な言葉を探す必要はありませんが、次のような声かけは比較的安心につながりやすいです。

  • 「今つらいんだね。ここにいるよ」
  • 「無理しなくていいよ、落ち着くまで一緒にいよう」
  • 「ゆっくり呼吸しようか。合わせるよ」
  • 「今は何も決めなくて大丈夫だよ」

ポイントは、解決しようとしないこと、急かさないことです。
逆に、「深呼吸して!」「ほら、大丈夫だから」と指示や断定が強くなると、本人は追い詰められてしまいます。「そばにいる」「否定しない」それだけでも、発作のつらさは和らぎやすくなります!

恋人からのカミングアウトは信頼の証

パニック障害を打ち明けることは、本人にとって大きな勇気が必要です。
あなたに話したということは、「弱い自分も知ってほしい」「一人では向き合えない」という信頼の表れでもあります。
完璧な対応を目指さなくて大丈夫です。
分からないままでも、そばにいようとする姿勢そのものが、彼女の安心につながっていきます。

もし、二人だけで抱えることに限界を感じたときは、第三者の力を借るという選択肢もあります。
ココラボでは、パニック障害を抱えるご本人だけでなく、恋人・パートナーと一緒に受けられるカウンセリングも行っています。ぜひご利用ください。

アバター画像

この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

この記事をシェアする

公認心理師が
あなたの一歩を支えます

相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。

公認心理師がサイト上で回答します

悩みを相談する

公認心理師にオンラインで相談

予約する

カウンセリングの詳細はこちら