年上の部下にどう接すればいいですか?先輩部下の指導に悩んでいます

※記事内に広告が含まれる場合があります。

30代男性(会社員)

私は営業会社でマネージャーとして部下のマネジメントを行っています。最近私よりも年上の部下が、メンタル不調を理由に休職していたのですが、数か月前に復職しました。

復職自体は喜ばしいことだと思っていますし、無理をさせてはいけないとも感じています。ただ正直なところ、年上で、なおかつメンタルが不安定そうな部下にどこまで仕事を任せていいのか、どう接すればいいのか分からず困っています。
このように年上の部下に指導・メンタルが安定していない部下への指導はどうするのが正解なのでしょうか。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。年上の部下、しかもメンタル不調を経験した方のマネジメントとなると、戸惑いや迷いを感じるのはとても自然なことです。
上司として責任を感じる気持ちと、無理をさせてはいけないという配慮の間で揺れてしまう方は、実際とても多いです。どちらも間違っていないからこそ、余計に悩んでしまうのだと思います。

ここでは、心の専門家の立場から、年上の部下との関わり方を整理していきます。

年上の部下のマネジメントに悩む理由

年上の部下に対して指導や判断が難しくなる背景には、いくつかの心理的要因があります。
まず大きいのが、年上という立場への遠慮です。自分より社会人経験が長い相手に対して、指示や修正を出すことに気後れしてしまうのは普通で、特に日本の職場文化では、年齢と上下関係が無意識に結びつきやすく、マネジメントの線引きが曖昧になりがちです。

さらに、メンタル不調を理由に休職していた経緯があると、また休職してしまうのではないかと不安が強くなり、判断が慎重になりすぎてしまうこともあります。その結果、配慮と公平性の間で揺れ、上司自身が消耗してしまうケースも多いのです。

社会的に年上部下は増加傾向?

近年、上司が年下になるケースは、すでに珍しいものではなくなっています。実際、サイボウズの調査では、直属の上司が年下と回答した人は21.6%となっています。

この数字だけを見ると、まだ一部の話に感じるかもしれません。ですが、現場レベルでは、すでに年齢と役職が一致しない状況が当たり前になりつつあります。

従業員別年上上司の割合。全体21.6%、49人以下16.1%、50〜299人19.5%、300〜999人23.6%、1000〜1999人21.0%、2000〜4999人27.2%、5000人以上28.5%

(参照:オフィスのミカタ

この背景としては、年功序列の考え方が弱くなり、成果や役割によってポジションが決まるようになったことに加えて、定年延長や再雇用制度の影響が大きいです。

先輩部下と接する時のNG行動3選

ここではまず先輩部下にフォーカスを当てて解説します。
年上の部下、いわゆる先輩部下に対しては、良かれと思って取った行動が、関係性を難しくしてしまうことがあります。特に多いNG行動を3つ紹介します。

① 気を遣いすぎて仕事や指摘を避けてしまう

年上での部下に対して、仕事を任せることや指摘を避けてしまうことがあります。
しかし、仕事を振られない、フィードバックをもらえない状態が続くと、本人は期待されていない、自分はもう戦力ではないと感じてしまうことがあります。
気遣っているつもりでも、結果的に本人の自信を削ってしまうこともあります。

② 指示や期待が曖昧になってしまう

先輩部下に対して、細かく言うのは失礼かもしれないと感じ、指示や基準が曖昧になることがあります。
期待値が見えないまま仕事を進めると、失敗への恐れから動けなくなったり、慎重になりすぎたりすることもあります。
年齢に関係なく、役割やゴールを言葉にして共有することは、安心して働くための支えになります。

③ 年齢や過去の経緯を理由に距離を置いてしまう

年上であることや、過去に休職していたことを意識しすぎるあまり、必要以上に距離を取ってしまうケースもあります。
雑談を避けたり、必要最低限のやり取りだけにしてしまったりすると、本人は孤立感を強めてしまうことがあります。上司が距離を置いているつもりはなくても、部下側は自分は腫れ物扱いされているのではと感じてしまうこともあります。
こうした誤解が積み重なると、信頼関係の回復はさらに難しくなります。

メンタル不安定な年上部下に仕事を任せるときの考え方

次にメンタルが不安定の部下に注目して仕事の任せ方を解説していきます。
メンタル不調を経験した部下に仕事を任せる際は、減らすか増やすかではなく、どう調整するかというマネジメント観点の視点がとても重要になります。

仕事量を減らすより業務の質を調整する

単純に仕事量を減らすと、本人の自信や役割意識が低下してしまうことがあります。
それよりも、責任の重さや締切のプレッシャー、同時進行のタスク数など、業務の質を調整する方が実際にはこちらの方がうまくいくことが多い印象です。

期待値を言葉にしてすり合わせる

年上の部下であっても、今どこまで求めているのかを言語化することは重要です。
期待値を明確に伝えることで、本人の不安も和らぎます。曖昧さを減らすことが、結果的に安心感に繋がりやすいです。

使えない年上の部下に見切りを付ける?

年上の部下が、年下の上司や後輩に追い抜かれている状況を見ると、

  • 実力的に差がついてしまったのでは
  • もう第一線で活躍するのは難しいのでは

と感じ、「そろそろ見切りをつけた方がいいのでは」と考えてしまう上司もいるかもしれません。チームの成果や他のメンバーへの影響を考えれば、そう感じてしまうのも無理はありません。
ただ、その見方だけで判断してしまうのは、少し早い可能性もあります。年下に抜かれているように見えるからといって、必ずしも仕事ができなくなった、やる気を失った、というわけではないケースも多くあります。

特に、メンタル不調を経験したあとや、立場の変化があったあとには、以前と同じ動き方をしていいのか分からず、慎重になっているだけ、ということもあります。
実際に、休職経験のある方から「戻ってすぐは、どこまで頑張っていいのか分からなかった」という声を聞くことも現場ではよく聞きます。

今回のように年下に抜かれているように見えるときほど、実力そのものではなく、置かれている状況や心理的なブレーキが影響していないかを、一度立ち止まって考えてみる視点が大切です。

年上の部下への指導はどうすれば良い?

ではどうやって上司側は接して指導していけば良いのでしょうか。
大切なのは、「指導=ダメ出し」だと捉えないことです。年上かどうかに関わらず、仕事の指導は「一緒に整える作業」だと考える方が、関係は安定しやすくなります。

たとえば、1対1の状況でいきなり指示や評価を伝えるのではなく、次のような聞き方から入るのがおすすめです。

  • 「今の業務量、負担に感じているところはありますか?」
  • 「やりづらい点や、少し迷っている部分はありますか?」
  • 「ここはもう少し任せたいと思っているんですが、率直にどう感じますか?」

明日からこのように相手の感覚を先に確認することで、「一方的に指示された」という印象を持たれにくくなります。また改善点を伝える時は、期待と理由をセットで伝えることがポイントです。

上司自身が限界を感じたときに考えてほしいこと

年上の部下、メンタル不調、チーム全体の責任。これらを同時に抱えながら、「自分がしっかりしなければ」と踏ん張り続けるのは、正直かなりしんどいことです。
管理職だからといって、常に答えを持っていなくてはいけないわけではありません。むしろ、答えが出ない状況だからこそ、迷って当然なのだと思います。

ココラボでは、上司としての立場や葛藤も含めて相談できるオンラインカウンセリングを行っています。職場の人間関係やマネジメントに行き詰まりを感じたときは、専門家と一緒に状況を整理することも、ひとつの大切な選択です。

アバター画像

この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

この記事をシェアする

公認心理師が
あなたの一歩を支えます

相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。

公認心理師がサイト上で回答します

悩みを相談する

公認心理師にオンラインで相談

予約する

カウンセリングの詳細はこちら