病は気からは本当?思い込みや考え方で症状は変化するのか

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20代男性(会社員)

何人かの友人とカフェで話していたとき、その中の1人が「マスクをすると体調が悪くなる気がする」と話していました。それに対して、分かるという人と、分からないという人がいて、私は正直分からない派です。

病院に行くとしんどくなる、という話もよく聞きますし、昔から「病は気から」と言われますが、本当にそうなのでしょうか。
私はこれまで病は気からを実感したことがなく、正直なところ、思い込みや考え方の問題なのではと思っています。
心の専門家から見て、実際のところどうなのでしょうか。

ココラボからの回答

ご質問ありがとうございます。このテーマは、日常会話でもよく出てくる一方で、誤解も生まれやすい話題ですね。
結論からお伝えすると、病は気からは全部が嘘でも、全部が本当でもありません。そして、思い込みや考え方が体に影響することは、心理学や医学の分野でも確認されています。
このテーマについて、わかりやすく順番に整理してお話しします。

病は気からとはどういう意味?

病は気からという言葉は、昔から気の持ちようだけで病気が治る、あるいは本人の気合が足りないという意味で使われがちです。ですが、本来は「心の状態が体の反応に影響を与えることがあるという経験則を表した言葉です。

こうした状態の反応は心理学的には『心気症』と呼ばれています。次に、この状態を解説していきます。

『心気症』と呼ばれる状態

心の影響で体の不調を強く感じてしまう状態は、心理学や精神医学において、心気症健康不安症と呼ばれることがあります。これは、

  • 実際に命に関わる病気があるわけではない
  • しかし本人にとっては確かな苦しさがある

という点が特徴です。
マスクをすると体調が悪くなる、病院に行くとしんどくなる、という話も、過去の経験や不安と結びついて体が過敏に反応しているケースがあります。

プラセボ効果

プラセボ効果とは、本来は効果のないものでも、効くと信じることで症状が軽くなる現象です。

例えば、

  • 薬だと思って飲んだ偽薬で痛みが和らぐ
  • この治療で良くなると思ったことで回復が早まる

これは脳が安心や期待を感じることで、自律神経やホルモンの働きが変化するためだと考えられています。

ノセボ効果

一方で、逆の作用もあります。それがノセボ効果です。

  • これをすると体に悪いと思い込む
  • 副作用が出るかもしれないと強く不安になる

その結果、実際に体調不良や不快感が出てしまうことがあります。
病院に行くと具合が悪くなる、マスクをするとしんどくなるという体験も、このノセボ効果が関係している場合があります。

実際に病は気からは思い込み?考え方の違い?

ここで大切なのは、思い込みだから気にしなければいいという訳ではない、という点です。
心の反応も体の反応の一部です。自律神経、呼吸、血流、筋肉の緊張などは、気持ちと密接につながっています。つまり、

  • 症状は作り話ではない
  • ただし原因が心と体の境目にある場合がある

という理解が現実に近いと言えます。

思い込みと呼ばれやすい症状が強まる仕組み

周囲から見ると、気にしすぎ思い込みじゃない?と言われやすい症状ほど、本人にとってはつらいものです。例えば、

こうしたケースでは、また具合が悪くなるかもしれないという予期不安が症状を強めてしまいます。
これは上で説明した「ノセボ効果」と呼ばれ、悪い結果を想像することで体が先に反応してしまう仕組みです。

考え方の違いが症状の出方を左右する理由

同じ状況でも、症状の出方には個人差があります。例えば、マスクをしても何ともない人がいる一方で、息苦しさを強く感じる人もいます。この違いは、

  • 不安を感じやすいかどうか
  • 体の変化に敏感かどうか
  • 過去の体験と結びついているか

といった要因が重なって生まれます。性格が弱いからではなく、感じ取り方のクセやこれまでの経験の違いです。

病は気からとストレスの関係

心理的ストレスや気分が体調不良の原因だと感じている人は、実際どのくらいいるのでしょうか。厚生労働省の全国調査では、悩みやストレスがあると感じている人の割合は以下の通りです。

年齢層男性「ストレスあり」割合 (%)女性「ストレスあり」割合 (%)
20~29歳43.653.1
30~39歳48.058.6
40~49歳48.658.7
50~59歳48.658.4
60~69歳43.947.6
70~79歳37.046.5
80歳以上37.050.2

(参照:厚生労働省

この調査は「病は気から」を直接検証したものではありません。しかし、多くの人が日常の中で、気持ちやストレスと体調のつながりを実感していることは読み取れます。

つまり、病は気からという考え方は、単なる迷信ではなく、多くの人の実感や経験に基づいて語られてきた側面があると言えるでしょう。

気持ちの持ち方で寿命への影響もある?

海外・国内の研究では、「慢性的なストレス」「強い不安や抑うつ状態」が続くことで、生活習慣病や免疫機能の低下、回復力の低下につながる可能性が示されています。これは、前向きに考えれば長生きできるという単純な話ではありません。

心の負荷を無視し続けることが、体に影響するという現実的な話です。

考え方ひとつで幸せにも不幸せにもなる

病は気からという言葉が苦しく感じるのは、気の持ちようが悪いあなたが悪いと言われているように感じるからかもしれません。ですが本来は、

  • 自分の感じ方を知る
  • 不安や違和感に気づく
  • 無理に否定せず整えていく

そのためのヒントとして捉える言葉です。

ココラボでは、心と体のつながりを専門的な視点で一緒に整理するオンラインカウンセリングを行っています。
もしかすると医療的な診断が必要なケースもあるため、不安が強い場合は医療機関との併用が大切です。考え方を変えることが目的ではなく、今の状態を正しく理解するための時間として、必要なときにご相談ください。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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