マリッジブルーが重症化するとうつ病になる?鬱対策を教えて

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結婚準備という大きな環境変化の中で起こるマリッジブルーは珍しいことではありません。しかし、2週間以上続いて生活に支障が出る場合は早めに専門家に相談することが大切です。

この記事を読むことで、その具体的な理由と重症化サインと具体的な対処法や相談先がよくわかります。

石川先生のおすすめポイント

  • マリッジブルーの原因や仕組みが心理学的視点でまとめられています。
  • 具体的な対処法や相談先が記載されています。

20代女性(会社員)

来年の春に結婚を控えています。
彼のことは好きだし、結婚したいという気持ちに嘘はないはずなのに、ここ1ヶ月ほど、朝起きると胸が重くて、仕事中もぼんやりしてしまうことが増えました。

また先日、式場との打ち合わせから帰ってきた夜に、理由もわからないまま泣いてしまいました。

これはマリッジブルーなのか、それとも何か別のことが起きているのか、自分でもわからなくて怖いです。
もしかしてうつ病になってしまったのかと思うと、余計に不安で、誰にも言えずにいます。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。
結婚が近づくにつれて気持ちが重くなっていくとき、それが何なのかわからないまま一人で抱えているのは、とても苦しいことだと思います。

マリッジブルーは多くの場合、時間とともに落ち着いていきます。ただ、2週間以上続いて日常生活に影響が出てきているなら、一人で抱え込まず専門家に相談することを考えてみてください。

この記事では今の状態を少し整理する手がかりと、重症化のサインを見極める視点をお伝えします。

結婚前なのに気が重い…マリッジブルーはうつ病(鬱)?

結婚が近づいているのに、気持ちが浮かない。
結婚が近づくにつれて気持ちが重くなっていくのに、理由がわからない。そんな不安を一人で抱えている方は少なくありません。

いまの状態を確認するチェックポイント

今の自分の状態を、一度立ち止まって確認してみましょう。以下は診断ではなく、自分の状態を言葉にするための手がかりです。

  • 結婚のことを考えると、強い不安や憂うつな気分が出てくる
  • 眠れない、または眠っても疲れが取れない日が続いている
  • 食欲がない、または食べすぎてしまう状態が続いている
  • 理由がわからないまま涙が出ることがある
  • 仕事や日常生活に支障が出ている
  • 楽しいはずのことが楽しめなくなっている

いくつか当てはまっても、それだけで病気だと判断する必要はありません。
「続いている期間」と「日常生活への影響の程度」が、状態を見極めるうえで大切な視点になります。

重症化のサインと受診の目安

2週間以上続くと専門家に相談

症状が2週間以上続いていて、仕事や日常のことが手につかなくなっているなら、一人で抱え込まず専門家に話してみてください。

眠れない日が何日も続く、食事がほとんど取れない、涙が止まらない日が繰り返されるといった状態は、心と身体の両方が相当な負荷を受けているサインです。

消えてしまいたい、何もかもやめてしまいたいという気持ちが浮かんできたときは、どうか一人で抱えないでください。一時的な気持ちであっても、早めに誰かに話すことが大切です。

マリッジブルーとは?

マリッジブルーとは、結婚を前にした時期に気分の落ち込みや不安が強くなる状態のことです。
結婚を意味するmarriage(マリッジ)と、憂うつな気持ちを表すblue(ブルー)を組み合わせた和製英語です。

アイベックの調査によると、結婚を経験した100人にアンケートを実施したところ、マリッジブルーを「なった」「ややなった」と回答した方は合わせて66%と多くの方が経験していることがわかっています。

マリッジブルーになりましたか?

(参照:株式会社アイベック調べ

起こりやすい時期

マリッジブルーは、結婚が現実的に近づいてきたタイミングで起きやすいとされています。

入籍前後、結婚式の準備が本格化する時期、引越しや同棲の開始前後など、環境の変化が一気に迫ってくる場面で症状が出やすいです。
これという決まった時期はなく、式の1年前から感じる方もいれば、入籍直前に急に気持ちが重くなる方もいます。

よくある反応と特徴

マリッジブルーの症状は?

アイベックの調査では、マリッジブルーの症状としてはイライラ、気分の落ち込み、漠然とした不安、眠れない、食欲がなくなるといった体調不良が見られます。

本当にこの人でよかったのかという迷いや、破談・延期が頭をよぎる経験をする方も珍しくありません。
周囲から祝福されているほど、こんな気持ちになってはいけないと一人で抱え込みやすく、それが状態をさらに重くすることがあります。

これらはマリッジブルーとして多くの人が経験する反応であり、あなたの気持ちや選択が間違っているわけではありません。

マリッジブルーとうつ病・鬱状態との違い

マリッジブルーとうつ病は症状が似ているため、自分でも区別がつきにくいことがあります。
いくつかの視点で整理すると、今の状態を見極める手がかりになります。

気分の落ち込みより大事な見立てポイント

マリッジブルーとうつ病の最も大きな違いは、生活機能への影響の程度です。

気分の落ち込みや不安があっても、仕事に行けている、食事もある程度取れている、日常の用事はこなせているという状態であれば、重篤なうつ病の状態とは異なります。

一方、何もする気が起きない、仕事に行くことが困難になっている、1日中気分の低下が続いて波がほとんどない状態が続いているなら、医療機関への相談を視野に入れてください。

うつ病は決して珍しい疾患ではなく、厚生労働省の調査では気分障害として医療機関を受診している方は国内で約172万人にのぼります。
症状が気になり始めた段階で専門家に話してみることは、決して大げさな選択ではありません。

マリッジブルーと似た状態に、適応障害があります。結婚のような明確なきっかけで心身に不調が現れるもので、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)にも定義されています。

3つの状態の違いを簡単に整理すると、以下のようになります。

きっかけ症状の続き方
マリッジブルー結婚準備・環境変化数週間〜1ヶ月程度で落ち着く
適応障害結婚など明確なストレス因ストレスの原因が解消されると改善しやすい
うつ病特定しにくい場合も多いきっかけが解消されても症状が続く

自分がどの状態に近いか判断するのは難しいことも多いため、症状が長引いていると感じたら、一人で抱え込まず専門家に相談することを検討してみてください。

期間と波の出方

マリッジブルーは、2週間から1ヶ月ほどで落ち着いてくることが多いです。楽しいことがあれば気分が少し上向く、という波があるのが典型的な経過です。
それに対してうつ病では、楽しいことがあっても気分が上がらない状態が続き、1日中気分の低下が繰り返されます。

期間が長引いていても、波がある状態であれば、まずはセルフケアや相談から始めることができます。

マリッジブルーの原因と心理的な背景

好きな相手との結婚なのに、なぜこんなに辛いのだろうと自分を責めてしまう方は少なくありません。
ただ、心が揺れること自体には、心理的な背景があります。

結婚は、生活環境が変わるだけではありません。
娘から妻へ、息子から夫へという役割の変化、新しい人間関係の構築、背負う責任の広がりが一度に押し寄せる体験です。
喜びと同時に、これまでの自分や生活を手放すような喪失感が生まれることは、心理的に自然な反応です。

特に、相手を幸せにしなければという責任感が強い人、完璧な結婚生活のイメージを持っている人、ひとつの不安を繰り返し考えてしまう傾向がある人は、状態が重くなりやすい傾向があります。
これは性格の欠点ではなく、真剣に向き合おうとしているからこそ起きることです。

破談や延期が頭をよぎる場合も、結婚をやめたいというより、この重さから解放されたいという気持ちが、そのような思考として浮かぶことがよくあります。
その考えが浮かぶこと自体は、今の状態の深刻さや、この結婚の正否を示すものではありません。

鬱気味のマリッジブルーの人が出来るおすすめ対処法3選

① まずは生活を整える
② 不安を言葉にして整理する
③ 一人で抱えない工夫をする

今すぐに気持ちをすっきりさせることは難しくても、状態をこれ以上重くしないために日常でできることがあります。

① まずは生活を整える

睡眠、食事、身体を動かす時間を意識的に確保することが、心の回復を支える基盤になります。

特に睡眠は、不安や気分の落ち込みに直接影響します。
眠れない夜が続いているなら、寝る前のスマートフォンの使用を控えるなど、眠りに入りやすい環境を整えることから始めてみてください。

あわせて、結婚準備のスケジュールを少し見直して、余裕のある週を意図的に作ることも大切です。
準備を進めなければという焦りが、心の余裕をさらに圧迫しています。

② 不安を言葉にして整理する

何が不安なのかがはっきりしないまま、漠然とした重さの中にいるのは非常に消耗します。

紙に書き出すという方法は、頭の中をぐるぐるしている考えを外に出して整理するのに有効です。
不安の内容を書き出すことで、解決できることとそうでないことを分けて見られるようになります。

費用や段取りのように具体的な課題であれば、対策を考えることができます。一方、本当にこれでよかったのかという問いは、すぐに答えが出るものではありません。そういう気持ちは、答えを出そうとせず、いったんそのままにしておくことが助けになることもあります。

③ 一人で抱えない工夫をする

パートナーへの相談は、不安の内容によってはためらいを感じることもあるかもしれません。

相手への不満や批判としてではなく、今の自分の状態を伝えるという方向で切り出すと伝わりやすくなります。
理由はうまく説明できないけど最近気持ちが重くて、と切り出すだけでも、相手は受け取りやすくなります。

パートナー以外でも、結婚を経験した信頼できる友人や家族に話すだけで、気持ちが楽になることもあります。

相談先(医療・カウンセリング)の選び方

症状が長引いていたり、日常生活に支障が出てきているなら、そろそろ一人で抱えなくていいタイミングかもしれません。

まず相談前に整理しておくと楽になること

相談に行く前に、いつ頃から、どんな症状が、どのくらいの頻度で出ているかを簡単にメモしておくと、話がスムーズになります。

うまく説明できなくても大丈夫ですが、メモがあると自分の状態を落ち着いて伝えやすくなります。
何を話せばいいかわからない、という不安が受診のハードルを上げていることは多いものです。メモが一枚あるだけで、話の糸口がつかみやすくなります。

医療(心療内科・精神科)が向くケース

眠れない夜が2週間以上続いている、食事がほとんど喉を通らない、仕事に行く気力が出ないという状態が続いているなら、心療内科や精神科に足を運んでみてください。

必ずしも薬を処方されるわけではなく、話を聞いてもらうだけの受診でも構いません。
状態が重くなる前に相談することは、回復を早める選択肢のひとつです。

カウンセリングが向くケース

生活に大きな支障は出ていないけれど、不安や気持ちの整理がひとりでは難しい、誰かと話しながら考えを整理したいという状態であれば、カウンセリングが向いています。

カウンセリングは、答えをもらう場ではありません。自分の気持ちや考えを、専門家と一緒に少しずつ整理していく場です。
短期間でも気持ちが整理されたり、不安の背景が見えてきたりすることがあります。

症状が重い場合は、医療機関と組み合わせて利用することもできます。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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