パニック障害の友達に疲れてしまう自分は冷たいのでしょうか?

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40代男性(会社員)

親しい友達からパニック障害のことを打ち明けられました。最初は心配で、できることがあれば力になりたいと思っていました。

でも最近、正直に言うと疲れてしまう自分がいます。予定が直前で変わることが続いたり、外出先で体調が悪くならないかと気を張り続けたりして、会う前から緊張するようになりました。連絡が来るたびに、また何かあったのかなと身構えてしまうこともあります。

それでも、疲れたと感じる自分は冷たいのではないか、理解が足りないのではないかと考えてしまいます。距離を取りたい気持ちと、傷つけたくない気持ちがぶつかって、どう接したらいいのか分からなくなりました。友達のことは大切なのに、気持ちの整理がつかずにいます。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。
友達のことを大事に思っているからこそ、疲れてしまう感覚に戸惑いが出ているのだと思います。

まずお伝えしたいのは、友達に疲れてしまうと感じたことを、「自分が冷たいからだ」と決めつけなくて大丈夫だということです。
実際の相談でも、同じように戸惑う方は少なくありません。

ここからは、今起きていることを少しずつ整理していきます。正解を決めるというより、少し呼吸しやすくなる視点を増やすつもりで読んでみてください。

友達のことが心配なのに、疲れると感じてしまうのはなぜ?

パニック障害の友達を大切に思っているのに、疲れてしまう。
この疲れは、友達への気持ちが薄れたから起きているとは限らないことが多いです。

心配しているからこそ、何かあったらどうしようと考え続け、無意識に緊張した状態が続きます。会う前から相手の体調や言葉選びに気を配り続けるほど、心は消耗しやすくなります。

相手の不安に共感し続ける中で、共感疲れのような状態になることもあります。
共感疲れとは、相手のつらさに寄り添おうとするあまり、知らないうちに自分の心が消耗してしまう状態を指します。
これは、優しさが強い人ほど起きやすい反応でもあります。

そのため友達との関係をやめたいサインというより、「少し頑張りすぎているかもしれない」という体からの知らせのようなものです。

まず『パニック障害』を理解する

パニック障害の友達と関わる中で戸惑いが生まれやすいのは、症状が外から分かりにくく、調子の波があるからでもあります。ここでは、友達として関わるうえで、最低限知っておきたいポイントを整理します。

主な症状

パニック障害では、突然強い不安や恐怖とともに、動悸や息苦しさ、めまい、吐き気などの身体症状が現れることがあります。これらは本人の意思や気持ちの持ちようとは関係なく起こります

発作が治まると普段通りに見えることも多く、外からは分かりにくい点が特徴です。そのため、周囲から見ると「さっきまで元気だったのに」「なぜ急に?」と感じやすく、戸惑いが生まれやすくなります。

発作が起こる頻度

パニック障害の発作は、毎日起きる人もいれば、しばらく起きない期間が続く人もいます。頻度には個人差が大きく、一定ではありません。

そのため、周囲から見ると「最近は元気そうだから大丈夫そう」「もう落ち着いたのでは」と感じやすい一方で、本人の中では突然起こるかもしれない不安が消えていないこともあります。

発作の頻度だけで状態を判断しにくい点が、友達として関わる中で戸惑いが生まれやすい理由の一つです。

発症しやすい人の特徴

パニック障害は100人に1~2人程度が経験

パニック障害は、決して珍しい状態ではありません。報告や調査によって幅はありますが、生涯のうちに100人に1〜2人程度が経験するといわれることもあります。特別な人だけがなるものではなく、誰にでも起こりうる状態です。

そのうえで、不安を感じやすい人や、責任感が強く、周囲に気を配りやすい人ほど、無理を重ねやすい傾向があるともいわれています。

(関連記事:彼女がパニック障害に…恋人として接し方はどうする?

パニック障害の友達に接するとき、混乱が起きやすいポイント

頭では理解しているつもりでも、気持ちが追いつかなくなる瞬間があります。ここでは、支える側が戸惑いやすい場面を整理します。

予定変更や外出の難しさが続くと、関係が不安定に感じやすい

約束が直前で変わることが続くと、仕方がないと分かっていても落ち着かない気持ちが残りやすくなります。空けていた時間や心の準備が宙に浮いたように感じ、振り回されている感覚が生まれることもあります。

その一方で、こう感じてしまう自分を責めてしまい、モヤモヤを口に出せなくなることもあります。不満を持つこと自体が悪いわけではなく、予定が守られることが関係の安心感につながっているからこそ起きやすい反応だと捉えることもできます。

発作の話を聞く側も緊張し、気が抜けなくなる

友達の発作や不安の話を聞くと、こちらも身構えやすくなります。いつ起きるか分からない、何かあったら対応しなければという意識が続くと、会っている時間そのものが緊張の連続になります。

共感力が高い人ほど相手の不安を抱え込みやすく、助けたい気持ちが強いほど一人で背負い込んでしまいがちです。その積み重ねが、気づかないうちに疲れや戸惑いにつながることもあります。

【友達ができる関わり方】頑張りすぎない支え方

友達を大切に思うほど、何かしてあげなければと力が入りやすくなります。ただ、支えようとする気持ちが強すぎると、関係そのものが苦しくなることもあります。

ここでは、無理を重ねずに関わるための考え方を整理します。

声かけは、安心を増やす方向へ

不安そうな友達を見ると、励ましたり元気づけたりしたくなるかもしれません。
ただ、頑張って、大丈夫といった言葉は、相手にとってはプレッシャーになることもあります。
不安が強いときには、正しさよりも安心が必要になりやすいからです。

今つらいんだねと受け止める姿勢だけでも、不安が和らぐことがあります。声かけは問題を解決するためではなく、相手が安心できる時間も作ることに繋がります。

普段通りに接することと、配慮を話し合うことを両立させる

気を遣い続けると関係が特別なものになりすぎ、何も配慮しないと不安を強めてしまうことがあります。どちらかに寄せるのではなく、普段通りでいたい部分と、助かる配慮の部分を分けて考えることが現実的です。

たとえば、途中で帰っても大丈夫な前提で予定を立てる、無理なときは直前でも断っていいと共有しておく。こうしたすり合わせは、相手のためだけでなく、あなた自身が緊張しすぎないためにも役立ちます。

配慮は「してあげなければならないもの」ではなく、二人で少しずつ見つけていくものです。
そのほうが、お互いに無理をしすぎずに関係を続けやすくなります。

(参考情報:家族や友人がパニック障害になったとき – 厚生労働省

パニック障害の友人が安心する5つの言葉

パニック障害の友達にかける安心する言葉

ここで紹介するのは、状況を変えようとする言葉ではなく、安心を少し増やしやすい言葉の例です。

1.今つらいんだね

相手の状態を評価せず、そのまま受け止める言葉です。説明や解決につなげなくても、分かってもらえたと感じられるだけで、不安が和らぐことがあります。

2.無理しなくて大丈夫だよ

頑張らなくていい選択肢があることを伝える言葉です。安心したいのに無理をしてしまう人にとって、気持ちを緩めるきっかけになることがあります。

3.ここにいるよ

何かをしなくても、そばにいるという姿勢を示す言葉です。発作や不安が強いときほど、一人ではないと感じられることが支えになる場合があります。

4.落ち着くまで一緒にいようか

急がせず、今の状態が終わるのを待つ姿勢を伝える言葉です。早く元に戻らなければ、というプレッシャーを減らしやすくなります。

5.どうしたら少し楽になりそう?

相手の感覚を尊重し、主導権を渡す言葉です。助ける側が判断するのではなく、本人の感覚を大切にする姿勢が伝わります。

これらの言葉は、相手を落ち着かせるための魔法のフレーズではありません。この言葉を参考にあなた自身でその人に合った関わり方を少しずつ見つけていくことが大切です。

パニック障害の友達との関係に悩んだとき

パニック障害の友達に疲れると感じたとき、その悩みは人に打ち明けにくくなりがちです。
相手がつらい状況だと思うほど、こちらがしんどいと言いづらくなり、自分の気持ちをしまい込んでしまうこともあります。

ココラボのオンラインカウンセリングでは、パニック障害のある人だけでなく、その周りの人が抱える悩みも大切に扱っています。

すぐに答えを出す必要はありません。パニック障害の友達との関係に疲れると感じたとき、「ちょっとしんどいな」と感じた時点で、もう十分頑張っています。
一人で抱え込まなくてもいい、という選択肢があることだけ覚えておいてください。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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