双極性障害の恋愛は続かない?急に別れたがる理由を知りたい

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20代女性(会社員)

双極性障害のある彼と付き合って1年半になります。
先月、突然LINEで別れたいと言われました。理由を聞いても、一緒にいると迷惑をかけるから、としか言いません。その数日前には普通にデートの約束をしていたのに、急に連絡が途絶えて、既読もつかなくなりました。

以前にも躁状態のときにひどいことを言われて、その後すごく落ち込んで謝ってきたことがあります。今回も同じなのか、それとも本当にもう気持ちがないのか、分かりません。

支えたい気持ちはあるけれど、このまま続けていいのか、離れた方がお互いのためなのか、ずっと考えています。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。
突然の別れの言葉や、理由のはっきりしない沈黙が続くと、相手の気持ちが分からないまま自分だけが置いていかれたように感じることがあります。

支えたいのか、離れるべきなのか。揺れながら考え続けてしまうのは、とても自然な反応です。ここでは、双極性障害のある恋人が急に別れたがる背景と、パートナーとして判断するときの軸を、順に整理していきます。

双極性障害(躁うつ病)とは?恋愛に影響する特徴

恋愛の話を考える前に、まず押さえておきたいのは、相手の言動の背景にある気分の波です。波の仕組みが見えてくると、目の前の出来事が少し違う角度から理解できることがあります。

まず双極性障害とはどんな病気?

双極性障害は、気分が高揚する躁(そう)状態と、気分が深く沈むうつ状態を繰り返す病気です。以前は躁うつ病と呼ばれていました。うつ病とは経過や治療の考え方が異なるため、現在は双極性障害(双極症)という名称が一般的です。

躁状態では、勢いがつきやすく、判断が大きく前に出ます。うつ状態では、意欲や気力が落ち込み、人と関わるエネルギーが湧かない日が続きます。

大事なのは、こうした波を本人の気持ちだけで完全にコントロールするのは難しいという点で、恋愛関係にも影響が出やすくなります。

双極性障害はどれくらい身近な病気か

双極性障害の発生頻度と発症しやすい年齢

発症頻度はおよそ100人に1人とされ、10代後半から20代での発症が多い病気です。最初はうつ病と診断され、のちに双極性障害へ診断が変わるケースもあります。

診断や治療の調整に時間がかかることがあるため、波がなかなか落ち着かないと感じやすい背景があります。

(関連記事:双極性障害は治らないのですか?完治と寛解の違いは何ですか

双極性障害の人は恋愛が続かない傾向がある?

双極性障害の恋愛について考えている人は、二人の相性や愛情の問題だけでは説明しきれない揺れを感じています。恋愛が続かないように感じる背景には、気分の波が関係の距離感やコミュニケーションに影響しやすい、という構造があります。

躁状態のときに起きやすい変化

躁状態ではエネルギーが一気に高まり、連絡の頻度が急に増えたり、計画が大きくなったりすることがあります。反対に、感情の抑制が効きにくくなり、些細な刺激で怒りが強まることもあります。

その結果として、普段なら言わないようなきつい言葉や暴言が出てしまうことがあります。躁状態での暴言は、あとから本人が強い後悔を抱えることも少なくありません

うつ状態のときに起きやすい変化

うつ状態に入ると、人と関わるエネルギーそのものが大きく低下します。例えばLINEの返信ができない、既読をつける気力もない、という状態は、本人にとって動けないという感覚に近いことがあります。

待つ側のパートナーからすると、急に冷たくなったように感じたり、無視されているように思えてしまったりすることもあります。

ただ多くの場合、それは気持ちが変わったというより、外に向ける力が枯渇している状態です。この認識のずれが積み重なると、恋愛が続かないという実感につながっていきます。

双極性の恋人が急に別れたがるのも症状?

パートナーから突然、別れたいと言われたとき、その言葉をどう受け止めればいいのか分からなくなるのは当然です。ここでは、双極性障害の方が別れたがる背景を、整理して見ていきます。

別れたくなる心理の背景

急に別れたがる背景には、躁状態由来のものとうつ状態由来のものがあります
躁状態では、すべてをリセットしたいという衝動が高まり、その勢いのまま別れを切り出すことがあります。

一方でうつ状態では、自分は迷惑をかけている、一緒にいても幸せにできない、という自己否定が強まり、相手のために身を引こうとするケースがあります。相談文にあった迷惑をかけるからという言葉は、まさにこの文脈で出てくることがあります。

どちらの場合も、気分の波の最中に出た言葉である可能性があります。
安定した状態のときに同じ結論を出すとは限らない、という見立てをいったん持っておくと、判断を急ぎにくくなります。

連絡(LINE等)が途絶えるときに起きていること

うつ状態にあるとき、スマホを手に取ること自体が大きなハードルになることがあります。返信しなければと思っても文章をまとめる気力がない。返せない自分を責めて、ますます動けなくなる。そんな悪循環も起こり得ます

双極性障害 連絡 こない状態は、気持ちが離れたサインとは限りません。今は外に向けるエネルギーが残っていない状態だと捉えると、少し見え方が変わるかもしれません。とはいえ、待つ側が苦しくなるのも自然なことなので、その苦しさまで我慢し続ける必要はありません。

(関連記事:彼氏からLINEの返信が遅い。既読や返事が遅くなる人の心理とは?

別れたくなる衝動は本心?その背景で起きていること

あの言葉は本当の気持ちだったのだろうか。そう何度も考えてしまう方は少なくありません。ここでは、衝動と本心の違い、そしてあとから訪れる後悔の正体を整理します。

衝動と本心はどう違う?

気分の波の最中は、判断力や感情のバランスが普段と違う形になりやすいものです。そのため「別れたい」という決断が、安定しているときの価値観と同じ重さで出ているとは限りません

別れるかどうかのような大きな決断は、状態が落ち着いているときに改めて考えるほうが、後悔が残りにくいと言われています。すぐに結論を出さなければいけない、という前提をいったん外してよい場面もあります。

なぜあとから強い後悔が起きるのか

躁状態で激しい言葉を口にしたり、うつ状態で一方的に関係を断ち切ったあと、状態が落ち着くと強い後悔が訪れることがあります。

この後悔は、自分の病気のせいで大切な関係を壊したという自責の念と結びつきやすく、次の落ち込みを深める悪循環になることもあります。

暴言のあとに深く落ち込んで謝ってくるパターンを繰り返し経験しているパートナーは、許してよいのか、距離を取るべきか判断がつかないまま消耗していきます。その迷い自体を責める必要はありません。

双極性障害の人と別れた方がいいと感じたときの判断軸

双極性障害のパートナーと別れた方がいいと考え始めると、冷たくなってしまったようで苦しくなる方もいます。ただ、迷いが出るのは、それだけ真剣に関係を大切にしてきた証でもあります。

支えることと耐え続けることの違い

パートナーとして相手を支えたいという気持ちは大切なものです。ただ、支えることと耐え続けることは同じではありません。支えるという行為が成り立つには、パートナー自身の心身が保たれていることが前提になります。

相手を大切に思うからこそ離れるという選択にも、一緒にいるという選択にも、どちらにも意味があります。

決断するための確認ポイントを持つ【具体例あり】

別れるか続けるかを今すぐ決める必要はありません。ただ、自分の状態を確認できるポイントがあると、感情だけで判断せずに済むことがあります。以下は、カウンセリングの場面でもよく話題になる確認ポイントです。

確認ポイント具体的な場面・問いかけ
相手が治療を続けているか通院や服薬を自己判断で中断していないか。治療を続ける姿勢があるかどうかで、見守れる余地も変わります。
自分の生活に支障が出ていないか仕事に集中できない、眠れない、友人との時間を楽しめない。こうした変化は心身が限界に近づいているサインかもしれません。
気分の波について話し合える関係か安定しているときにルールを共有できているか。病気の話題に触れられない状態が続くなら、二人だけで抱えることには限界があるかもしれません。
暴言や衝動のあとに反省があるか落ち着いたあとに本人から反省の言葉があるか。それがある場合は、関係を大切にしたい気持ちが残っている可能性があります。

これらは正解を出すためのチェックリストではなく、今の自分がどの地点にいるのかを確かめる手がかりです。確認ポイントを持っておくと、揺れの中でも少しだけ足場ができていきます。

カップルカウンセリングという選択肢

カップルカウンセリングについて

ここまで読んで、相手の状態も自分の気持ちも、一人では整理しきれないと感じた方がいるかもしれません。

恋人との間での悩みは、カップルカウンセリングという二人の間に起きていることを、第三者の視点を借りながら見つめ直す時間を設けることが有効です。

このカップルカウンセリングは、どちらかが正しいと決める場ではありません。関係を続けるにしても距離を置くにしても、納得感のある選択につながりやすくなります。

答えを急ぐ必要はありません。まずは、今の気持ちが少しでも軽くなる形で、整理の場を持ってみることも一つの方法です。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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