無意識にマウントを取ってしまう癖をやめたい…原因と直し方は?

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20代男性(会社員)

友人との会話で、無意識にマウントを取ってしまうことが増えていて、自分でも嫌になっています。

先日も、友人が仕事の悩みを話してくれているのに、気づいたら「私も先月すごく大変でさ」と自分の話にすり替えていました。 帰り道に振り返って、また同じことをしてしまったと落ち込みました。

この癖をやめたいのに、会話の中でつい口をついて出てしまいます。
これは性格が悪いということなのでしょうか。 それとも、何か心理的な原因があるのでしょうか。直し方があれば知りたいです。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。
やめたいのにやめられない。そのたびに自分を責めてしまう。

でも、まずはあなたが自分の行動に気づけたこと、それだけでも十分です。
無意識にマウントを取ってしまう癖は、性格の悪さとは少し違う場所から来ていることが多いです。

この記事では、その心理的な背景と、会話の中で少しずつ変えていくための手がかりを一緒に整理していきます。

また、相手のマウントに疲れたという方は、マウントを取る人の対処法について解説した記事もあるので合わせてチェックしてみてください。

やめたいのに無意識にマウントしてしまう人は多い

やめたいと思っているのに繰り返してしまう。そのことで自分を責め続けている方は、決して少なくありません。

マウントは不安の埋め合わせで出やすい

無意識にマウントを取ってしまう癖は、意地悪な性格や相手を見下す気持ちから来ているわけではないことが多いです。

心理的には、自分の存在価値を確かめたい、認められたいという気持ちが会話の中で反射的に出てしまう反応に近いものです。

相手が悩みを話しているとき、共感しようとしているはずなのに、気づいたら自分の苦労話にすり替えていた。

そういう経験がある方は、悪意があってそうしたわけではなく、心のどこかにある不安や劣等感が言葉より先に動いてしまったと考えるほうが、実態に近いことが多いです。

自己嫌悪に向かう前に、まずそのことに気づけたこと自体が、変化の入り口になります。

なぜそうなるのかを見ていくことが、マウントを取る癖を直していく第一歩です。

マウントと共感の違いは?境界線を整理

無意識にマウントを取ってしまう人の多くが、自分のどの言い方がマウントになっているかに気づけていません。

ここでは共感との境界線を、具体的に整理していきます。

マウントかどうかを確認する視点

マウントになっているかどうかは、次のような視点で確認できます。

視点マウント共感
話の目的自分のすごさや正しさを証明したい相手の気持ちや状況を理解したい
話の主語自分相手
感情の受け止め方相手の感情を評価・否定する相手の感情をそのまま受け止める

自分にすり替わっていないか、自分の結論や経験で上書きしていないか、と言い換えてもいいかもしれません。

このような視点を意識するだけで、会話の中で気づけることが増えてきます。

共感に戻す言い換え

マウントに捉えられすい言い方には、いくつかのパターンがあります。語尾や主語を少し変えるだけで、会話の向きが変わります。

マウントに捉えられすい言い方共感に戻す言い換え
私の方が大変だった大変だったんだね、もう少し聞かせて
私ならこうするけど・普通はこうするよ私はこれが合ってたな、あなたはどうしたい
それくらいで落ち込むのその状況だとしんどいね、今いちばん困ってるのはどこ

マウントと共感の違いは、大きな性格の差ではなく、こうした言葉の選び方の習慣にあることが多いです。

無意識のマウントをやめたいのにやめられない心理的背景5選

無意識のマウントは、一つの原因から来るとは限りません。
いくつかのパターンがあるので、自分に近いものを探しながら読んでみてください。

無意識のマウントをやめたいのにやめられない心理的背景5選

1. 対人不信

相手のことをなかなか信じきれず、会話の中で先に優位を取ることで安全を確保しようとするパターンです。

会話が無意識のうちに勝ち負けの確認になっていて、相手に一歩先を取られることへの警戒が強く働いています。

対人関係の中で傷ついた経験が積み重なると、人は攻撃より先に防御を選ぶようになることがあります。

マウントは、そういった対人不信が言葉の形を取ったものである場合があります。

2. 無価値感

自分には価値がないのではないかという感覚が根底にあると、比較や実績の話に引き寄せられやすくなります。

承認欲求が高まっていて、褒められたり認められたりしないと不安が大きくなるため、会話の中で自分を上に見せようとする動きが出やすいです。

自己肯定感が安定していないとき、人は他者との比較で自分の価値を測ろうとします。

無意識のマウントは、その不安が言葉になって出てきたものかもしれません。

3. 競争心

努力や実績がアイデンティティの中心になっている人は、相手の話を聞く前に無意識に評価や比較が始まることがあります。

負けたくない、追い抜かされたくないという気持ちが強く、会話が勝負の場になりやすいです。

頑張ることで自分を保ってきた人ほど、他者の成果や苦労に対して張り合う反応が出やすい傾向があります。

競争心そのものは悪いわけではありませんが、会話の中で自動的に発動してしまうと、相手との関係を少しずつ削ることになります。

4. プライド

弱さや失敗を見せることへの抵抗が強い場合、強い言い方や即断的なアドバイスが増えて、結果として上から目線に見えやすくなります。

否定やアドバイスが過多になるのも、このパターンに当てはまることが多いです。

マウントを取る傾向は、親や身近な大人のコミュニケーションスタイルが無意識に受け継がれていることもあります。

母親や父親の話し方に似ていると気づいて怖くなった、という方も少なくありません。

それは性格ではなく、長年の環境の中で身についたパターンである可能性があります。だとすれば、少しずつ変えていくことができます。

5. 正しさと罪悪感

自分が正しいと思えることで安心したい気持ちが強いと、会話の中で断定的な言い方が増えやすくなります。

その場では正しさで落ち着いても、あとから言いすぎたかもという罪悪感が出て、自己嫌悪でさらにこじれるというサイクルに入りやすいです。

正しさへのこだわりは、不安を正論で抑えようとする反応とも読み取れます。

罪悪感が繰り返し出てくる方は、このパターンが関係しているかもしれません。

無意識のマウント癖を減らす3つの方法

背景が分かったところで、では実際にどうするか。
その場で止める方法から、根本的なパターンを緩める方法まで、段階を追って整理します

無意識のマウント癖を減らす3つの方法

1. 口を開く前に一度間を作る

口を開く直前に、今比較しようとしていないかを一瞬確認するだけで、言葉が変わることがあります。

以下のような3段階の動作を意識して、小さな間を作ることが、マウントの癖を直す入り口になります。

  1. 口を開く前に止まる
  2. 一呼吸置く
  3. 目的を相手理解に戻す

「それ、どんな経緯だったの?」「今いちばん困ってるのはどこ」といった一言を挟むだけで、会話の向きが相手に戻ります。
話を聞いたあとは、「つまり〜で大変だったんだね」と要約返しをすることで、相手が話を聞いてもらえたと感じやすくなります。

2. 謝り方のテンプレを持つ

気まずくて何も言えずにいるより、シンプルな形で謝れるほうが関係を守れます。
謝り方の流れとして使いやすいのは、以下のような4段階です。

  1. さっきこういう言い方をした(事実)
  2. 比べる言い方で嫌な気持ちにさせたかもしれない(影響)
  3. ごめんね(謝罪)
  4. 次からもう少し聞くようにするね(次の行動)

言葉にしてしまうと長く感じますが、実際の会話では数十秒で言えるものです。

やりがちな失敗は、悪気はなかったんだけど、という前置きを先に出してしまうことです。

意図せずとも相手の受け取りを否定する言い方になりやすいので、できれば後に回すか省くほうが伝わりやすくなります。

相手との関係によって調整も必要です。

友人には短く温度感を合わせた言い方、職場の相手には事実と次の行動を明確にした言い方、家族には気持ちを確認する一言を足した言い方が、それぞれ関係にフィットしやすいです。

3. 根本から比較癖を弱める

その場の対処と並行して、なぜマウントが出やすいかのパターンを記録していくことが有効です。

いつ、誰と、どの話題のときに出やすいかをメモしておくと、自分のトリガーが見えてきます。

自動的に出てくる思考についても、少しずつ置き換えを試みることができます。

負けたくないという気持ちが出たとき、実際に守りたいのは自分の尊厳や安心かもしれない、と言い換えてみる。

認められたいという気持ちが出たとき、それは安心したいということかもしれない、と翻訳してみる。

勝ち負けで人との関わりを評価する習慣があると気づいたら、違いを違いとして言語化する練習に少しずつ寄せていくことができます。

今日できたことを3つ書く、小さな自己承認の積み重ねが、外からの承認への依存を少しずつ緩めていきます。

マウントがやめられずに繰り返してしまうときは

対処法を知っていても、なかなか止められない。関係がこじれ続けている。
そういうときは、一人で抱え込まずに誰かと整理する方が近道になることがあります。

心理カウンセリングでは、状況整理だけでなく会話の中での具体的な対応まで一緒に扱うことができます。

マウントを取る癖をやめたいと思って、ここまで読んだこと自体が、すでに大切な気づきです。
一夜にして変わるものではありませんが、気づきを重ねるたびに、会話の感触は少しずつ変わっていきます。
焦らなくていいです。自分を責めすぎず、できるところから始めてみてください。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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