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アダルトチルドレンだと結婚できない?恋愛が苦しい理由を知りたい

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

幼少期の養育環境で形成された愛着のパターンは、友人や同僚との関係では表面化しにくく、恋愛のように心理的距離が縮まる関係で初めて強く現れることがあります。

まずこの記事で心の仕組みを知ることが、パターンを繰り返さないための出発点です。

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30代女性(会社員)

付き合っても関係が長く続かず、このまま結婚できないのではないかと不安です。
好きな人ができると気持ちが強くなるほど相手の態度が気になり、返信が少し遅れただけで「もう気持ちが離れたのかも」と考えてしまいます。

自分でもおかしいと分かっているのに止められず、結局キツい言い方をして関係を壊してしまいます。
最近アダルトチルドレンという言葉を知り、自分に当てはまる気がしました。
ただ、本当に育った環境の影響なのか、単に相性の合う人に出会えていないだけなのか、自分では判断がつきません。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。
好きになるほど不安が膨らんで関係を壊してしまう苦しさは、自分を責める気持ちとも重なりやすく、とてもつらいものだと思います。

この記事では、アダルトチルドレンの背景が恋愛や結婚にどう影響しやすいのかを整理しながら、育った環境の影響と相性の問題をどう見分けていくかについて一緒に考えていきます。

アダルトチルドレンの人が結婚できないと感じる理由

恋愛がうまくいかない経験が続くと、自分には結婚が向いていないのではないかという気持ちが強まりやすくなります。

まずは、その背景にあるアダルトチルドレンという考え方と、恋愛のつまずきが結婚への不安につながる仕組みを整理してみましょう。

アダルトチルドレンとは

アダルトチルドレンとは、医学的な病名ではなく、機能不全家族で育ったことで対人関係のパターンに影響が残っている状態を指す考え方です。

機能不全家族とは、親の不安定な感情や過干渉、無関心などによって、子どもが安心して過ごしにくかった家庭環境のことを言います。
こうした環境で身についた振る舞いの癖は、日常の人間関係よりも親密な関係のなかで表面化しやすいという特徴があります。

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友人や同僚とは穏やかに付き合えるのに恋愛になると苦しくなるのは、距離が近づくほど幼少期の不安が刺激されやすいのが原因です。

恋愛のつまずきが結婚不安につながりやすい

恋愛が続かない経験が重なると、原因を自分の性格や価値に結びつけてしまうことがあります。

とくに見捨てられる不安が強い場合、「自分は誰かとずっと一緒にはいられない」という感覚が根づきやすく、自己肯定感の低下がさらに深まります。

結婚は恋愛以上に距離が近く、生活をともにする関係です。
恋愛の段階で苦しさを感じている人にとっては、結婚という選択がさらに怖いものに映りやすく、将来への不信感が強まっていくのも無理のないことです。

同じ悩みを抱える人は多い

知恵袋やSNSなどで同じような悩みを検索したことがある方は少なくないと思います。

似た悩みを抱える人の声を探したくなるのは、自分の感覚がおかしくないか確かめたい気持ちの表れです。
実際に、同じような苦しさのなかで恋愛や結婚に踏み出せずにいる人はたくさんいます。

大切なのは、共感できる声を見つけて少し安心したあと、自分のなかで何が起きているのかを整理する段階に進むことです。
自分を責めるよりも先に仕組みを知ることが、次の一歩につながります。

アダルトチルドレンの人が恋愛できないと感じやすいケース

アダルトチルドレンの恋愛の苦しさにはいくつかのパターンがあります。
ここでは代表的なケースを取り上げますので、自分に近いものがないか振り返ってみてください。

好きになるほど不安が強くなる

相手を好きになると、LINEの返信スピードや会話のちょっとした変化に敏感になりやすくなります。
相手の気持ちを何度も確認したくなったり、「もう嫌われたかもしれない」と感じたりするのは、幼少期に安心できる愛情を十分に受け取れなかった経験と結びついています。

この見捨てられ不安が強まると、傷つく前に自分から関係を終わらせようとする動きが出ることもあります。
相手にしがみつく方向と、自分から距離を取る方向は正反対に見えますが、根っこにあるのは不安です。
依存と回避のどちらに傾くかは人や時期によって異なり、一人のなかで両方が出ることも珍しくありません。

好きな人から好意を向けられたときに、うれしさより怖さが先に立つこともこの延長にあります。

自己肯定感が低い状態では「こんな自分を好きになるのは何かおかしい」という感覚が無意識に働き、相手の好意そのものが不安の引き金になってしまうのです。

相手に合わせすぎて本音が言えない

嫌われることへの恐怖が強いと、自分の気持ちよりも相手の機嫌を優先する癖がつきやすくなります。
これは子ども時代に親の顔色をうかがうことで安全を確保してきた名残であり、大人になっても無意識に続いていることがあります。

小さな我慢は一つひとつは耐えられても、積み重なると急に限界がきて感情が爆発したり、逆に何も感じなくなったりします。
自分はここまで、相手はここからという線引き、つまり心の境界線があいまいなまま過ごしていると、どこかで関係が不安定になりやすくなります。

本音を抑えることで関係を保とうとする癖は、短期的にはうまくいくように見えても、長期的には自分を追い詰めていきます。

安心できる相手を選べないことがある

穏やかで安定した人と一緒にいると、なぜか物足りなさや退屈を感じてしまうことがあります。
これは、幼少期から緊張感のある関係に慣れてしまったために、感情が大きく揺さぶられる状態のほうが親密さの証拠のように感じられてしまう心理が関係しています。

不安定な相手との関係で感じるドキドキと、安心できる関係のなかにある穏やかさは、まったく別のものです。
しかしアダルトチルドレンの背景があると、慣れ親しんだ苦しさのほうを安心と取り違えやすい傾向があります。

このパターンに気づくだけでも、次の恋愛で相手を見る目が少し変わってきます。

アダルトチルドレンで結婚が不安なときの考え方

結婚への不安が漠然と大きいとき、その中身を分けて見てみると少し楽になることがあります。
ここでは、不安を整理するための3つの視点をお伝えします。

結婚したくないのか結婚が怖いのかを分ける

一人でいたいという気持ち自体は何もおかしくありません。ただ、本当に一人の生活を望んでいるのか、結婚に対する恐怖から避けているのかでは意味合いがまったく異なります。

ここで確認しておきたいのは、自分の結婚観に親の影響が混ざっていないかという点です。
親が不仲だった、母親が結婚生活の愚痴をこぼしていた、父親が家庭で不安定だったといった記憶がある場合、「結婚とはつらいもの」という価値観が知らないうちに刷り込まれていることがあります。

確認の手がかりとして、「結婚にまつわる自分の考えを一つずつ書き出して、それは自分自身の実感か、誰かから聞いた話かを分けてみる」という方法があります。
分けてみるだけで、自分の本心が少し見えやすくなります。

相性の問題と心の傷の影響を分けて考える

恋愛がうまくいかなかったとき、それがアダルトチルドレンの影響なのか相性の問題なのかは、一つの目安で整理できます。

毎回の恋愛で似たような苦しさが繰り返されるなら、特定の相手との相性ではなく、自分のなかにあるパターンが働いている可能性があります。

一方で、特定の相手とだけ強い苦しさを感じるのであれば、その関係固有の相性も影響しているかもしれません。
どちらか一方に決めつけず、両方の可能性を持ちながら振り返る姿勢が大切です。

すぐに結婚を決めなくてもよい

年齢や周囲の変化に焦りを感じることは誰にでもあります。しかし焦りに押されて相手を選ぶと、不安定なパターンをそのまま結婚生活に持ち込みやすくなります。

まずは恋愛のなかで安心できる関係がどういうものかを体感することのほうが先です。
結婚を急がないことも、自分を守るための大切な判断です。その時間は遠回りではなく、自分に合った関係を築くための土台になります。

アダルトチルドレンが恋愛や結婚に向き合う方法

ここまで読んで、自分のパターンに心当たりがあった方もいるかもしれません。
最後に、日常のなかで少しずつ取り組める方法と、専門家を頼る目安についてお伝えします。

自分の恋愛パターンを言葉にする

過去の恋愛を振り返り、不安が強くなった場面やいつも繰り返してしまう行動を書き出してみてください。
頭のなかだけで考えるよりも文字にするほうが、自分の傾向が見えやすくなります。

振り返るときの切り口として、以下の3つを順に追ってみる方法があります。

  1. どんな場面で不安が始まるか
  2. 不安を感じたあと自分はどう動くか
  3. その結果、関係はどうなるか
自分の恋愛パターンを言葉にする

このとき大切なのは、過去の自分を責めないことです。目的はダメ出しではなく、自分がどんな場面で何を感じやすいかを知ることにあります。

パターンが見えてくると、次に同じ場面が来たときに少しだけ立ち止まれるようになります。

小さく本音を伝える練習をする

いきなり深い話をする必要はありません。「今日はちょっと疲れている」「本当は別のお店がよかった」といった小さな本音を言葉にすることから始めてみてください。

本音を伝えても関係が壊れなかったという体験は、少しずつ心の境界線を育てていきます。
相手に合わせることでしか関係を保てないという思い込みが、伝えても大丈夫だったという実感に書き換わっていくプロセスです。

一度にすべてを変えようとせず、小さな成功体験を重ねることを意識してみてください。

一人で苦しいときは専門家に頼る

恋愛の悩みが強い自己否定や日常生活への支障につながっているとき、あるいは親子関係の影響が自分では整理しきれないと感じるときは、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。

カウンセリングは、安心できる場所で自分のパターンをゆっくり整理するための手段です。

信頼できる相手に話を聴いてもらう経験そのものが、人との関係のなかで安心してよいのだという感覚を取り戻す助けになります。
対面が難しい場合は、オンラインカウンセリングという方法もあります。

ココラボでもオンラインでの相談をお受けしていますので、気持ちが向いたときに覗いてみてください。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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