虚言癖を治したいです。自覚はあるのに嘘がやめられず、バレて嫌われるのが怖い
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
虚言癖を治したいと検索するところまで来た時点で、もう半分は動き出していると思います。
自覚があるのに止まらないのは、意志の弱さとは別ものなんですよね。
嘘の奥には、たいてい守りたかった気持ちがあるんです。
責めるより、どんな場面で口が動くのかを一緒に見ていく方が、案外近道だったりします。
20代後半・会社員
話を盛るくせがあって、行っていない旅行の話をしたり、できない仕事をできると言ったりしてしまいます。
ついた瞬間にまたやったと胃が重くなるのに、口が勝手に動くんです。
バレて縁を切られるのが怖くて、本気で直したいのに、やめられません。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
またやってしまった、と自分を責める夜を重ねている方は、少なくありません。嘘をやめたいのにやめられないのは、意志が弱いからではないんです。
この記事では、なぜ嘘が出てしまうのかを整理しながら、治したいと思えた今からできることを一緒に見ていきます。焦って全部を変えようとせず、まず一つずつ確かめていきましょう。
嘘をやめたいのにやめられない自分への苦しさ
嘘をつくたびに、またやってしまったと胸のあたりが重くなる。その感覚を抱えたまま、この記事にたどり着いた方もいるはずです。ここでは、まず今の苦しさがどこから来ているのかを一緒に見ていきます。
罪悪感と自己嫌悪のループが起きる仕組み
小さな嘘をついた直後、頭では良くないと分かっているのに、口が先に動いてしまう。その後で罪悪感がやってきて、こんな自分は嫌だと落ち込む流れは、多くの人が経験しています。
やっかいなのは、この自己嫌悪が次の嘘を呼びやすいことです。自分を責めるほど心の余裕がなくなり、目の前の気まずさから逃れるために、また反射的に嘘が出てしまう。
嘘そのものより、嘘のあとの自己否定が悪循環の燃料になっていることは少なくありません。まずはこのループの存在に気づくだけでも、抜け出す入り口になります。

治したい自覚は改善のサイン
虚言癖を治したいと感じている時点で、あなたは自分の言動を客観的に見られています。これは決して当たり前のことではありません。
嘘を重ねる状態が固定化している人ほど、自分の嘘に気づけなかったり、困っていなかったりすることが多いといわれます。自覚と罪悪感があること自体が、回復に向かううえで前向きな材料だと考えてよいでしょう。

虚言癖は治らない、という言葉を見て気持ちが沈んでいるかもしれません。ただ、そう語られる多くは、本人に直す気がないケースを指しています。悩んで検索しているあなたは、その前提から外れているんです。
やめたいのにやめられない、という感覚は、意志が弱いからではありません。長く続いたくせは、ちょっと決意したくらいでは動きにくいものです。だからこそ、気合ではなく仕組みで少しずつ変えていく発想が合っています。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
嘘がやめられない心理と虚言癖の背景
なぜ嘘が出てしまうのかを整理すると、自分を責める以外の見方が持てるようになります。ここでは定義と心理、育ちや病気との関わりを順番に確認していきます。
虚言癖は病名ではないという前提
虚言癖という言葉は、1891年にドイツの心理学者アントン・デルブリュックが用いたのが始まりとされ、繰り返し嘘をついてしまう性質を指します。実は、正式な病名や診断名ではありません。
つまり、虚言癖という決まった病気にかかっているわけではなく、嘘という行動のくせを、便宜的にまとめて呼んでいるにすぎないのです。この前提を知るだけでも、自分は治療不能な人間だという思い込みは少しゆるみます。

嘘をつく心理と嘘のタイプ
嘘には、いくつかの動機があります。怒られたくない防御の嘘、自分を大きく見せたい背伸びの嘘、相手を傷つけまいとする擁護の嘘などです。
大切なのは、その嘘が何を守ろうとしているのかに目を向けることです。多くの場合、背景には見捨てられたくない不安や、劣等感、認められたい気持ちが隠れています。承認欲求や低い自己肯定感が、嘘という形で外に出ているとも言えます。
できない仕事をできると言ってしまう人は、無能だと思われる怖さから自分を守ろうとしています。嘘を責める前に、守りたかった感情の方を見てあげると、対策が立てやすくなります。

なお、自分の願望や理想の姿を、まるで事実のように語ってしまう状態は、病的虚言や空想虚言と呼ばれることがあります。語っている本人は半ばそれを本当のことのように感じているため、悪気の有無だけで単純に線を引けない面もあります。
幼少期の家庭環境との関わり
嘘のくせには、育った環境が影響していることもあります。正直に話しても怒られるだけだった、嘘をついたときだけ親がかまってくれた。そんな経験があると、嘘は身を守る手段として身につきやすくなります。
これは、あなたの親を責めるための話ではありません。当時は必要だった生き延びる工夫が、大人になった今は生きづらさに変わっている、という理解の方が役に立ちます。原因を誰かのせいにして終わらせるのではなく、そのくせが今の自分に必要かどうかを見直す視点を持てると、次の一歩が探しやすくなります。
背景に病気が隠れているケースの見分け方
嘘の多さの奥に、パーソナリティ障害や発達障害などが関わっている場合もあります。たとえば、傷つきやすい自尊心を守ろうとする自己愛性の傾向や、見捨てられ不安の強い境界性の傾向が、嘘という形につながることがあります。ADHDの特性から、考えるより先にとっさの言葉が出てしまうケースもあります。

一方で、記憶が飛ぶ解離や、発達特性による認識のズレが、本人は嘘のつもりがないのに嘘だと誤解されているだけのこともあります。だからこそ、嘘が多い自分をすぐ病気だと決めつける必要はありません。
自分ひとりで病名を判断する必要はありません。次のような点を、受診を考える目安として持っておくと整理しやすくなります。
- 嘘の頻度が自分でも数えきれないほど増えている
- つこうと思っていないのに、とっさに口から出てしまう感覚が強い
- 嘘によって金銭や仕事で実害が出はじめている
これらが重なるときは、性格のくせとして一人で抱えるより、専門家と背景を確認したほうが安心です。
嘘を減らすために自分でできるセルフケア
ここからは、今日から試せる具体的な取り組みを紹介します。一度に完璧を目指さず、できそうなものから一つ選ぶくらいで十分です。
嘘のパターンを1週間記録する
まずおすすめしたいのが、嘘の記録です。責めるためではなく、自分のくせを知るために書き留めます。
書き出してみると、自分がどんな場面で嘘をつきやすいのかが見えてきます。次の項目をメモしてみてください。
- いつ、誰に対してついたか
- どんな嘘だったか
- 直前にどんな気持ちや状況があったか
嘘が出る手前には、たいてい決まった引き金があることに気づけると、それだけで対処の糸口になります。

嘘をつきそうな瞬間の立ち止まり方
自分を客観的に眺める力を、心理学ではメタ認知と呼びます。嘘をつきそうな瞬間に、この視点を一拍おいて挟むのが狙いです。
記録でつかんだ引き金が近づいたとき、体は先に反応します。喉が詰まる、鼓動が速くなる、目をそらしたくなる。そうした身体のサインを、立ち止まる合図として使うと実践しやすくなります。
一呼吸おいて、今から見栄を張ろうとしているな、と心の中で言葉にするだけでも構いません。完全に止められなくても、気づけた回数が増えること自体が前進です。

目標は嘘ゼロではなくコントロール
いきなり嘘を一切つかない自分を目指すと、たいてい行き詰まります。人は誰でも、気遣いや社交で小さな嘘を使うものだからです。
現実的なゴールは、生活や人間関係が壊れないレベルまで嘘を減らしていくことに置くと続けやすくなります。ゼロか百かで考えず、今週は一つ踏みとどまれた、という小さな変化を数えていきましょう。
バレた嘘を訂正したいときの考え方
これまでの嘘を全部打ち明けて楽になりたい、と思うこともあるかもしれません。ただ、一気に告白する行動は、かえって関係を揺らすことがあります。
まずは、正直に話しても大丈夫だと思える相手を一人つくることから始めてみてください。安心して本当のことを言える関係が一つあると、嘘に頼る必要そのものが減っていきます。訂正は、その安全な相手から少しずつで構いません。

すべての嘘を清算しようとしなくても、これから正直でいられる場面を一つずつ増やしていく方が、信頼は結果的に戻りやすくなります。過去より、これからの積み重ねに目を向けてみてください。
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セルフケアで足りないときの相談先
自分なりに取り組んでも変化が乏しいときは、専門家の力を借りる段階かもしれません。相談は逃げではなく、現実的な選択肢の一つです。
専門家に相談したいサイン
次のような状態が続くときは、一人で抱えないほうがよいと考えられます。
- 自分で1〜2か月取り組んでも嘘の頻度が変わらない
- 嘘の記憶が曖昧になり、何が本当か分からなくなる
- 罪悪感で眠れない、気分の落ち込みが長く続く
こうしたサインは弱さではなく、サポートを足すタイミングを知らせる目印です。

何科に行くか・受診時の伝え方
受診先としては、精神科や心療内科が一般的です。虚言癖そのものを治す薬はありませんが、背景に不安や衝動性がある場合は、その治療で嘘が落ち着くこともあります。
診察で嘘をやめたいと言い出しにくいときは、あらかじめ紙に書いて渡す方法があります。医師はあなたを責める立場ではないので、うまく話せなくても大丈夫です。自分が虚言癖かもしれないと悩んで受診を考えられていること自体が、すでに改善へ向かう一歩になっています。
カウンセリングや治療で行うこと
カウンセリングでは、嘘をつく直前の感情や考えのくせを一緒に整理していきます。認知行動療法では、嘘をつかなくても自分には価値がある、といった新しい受け止め方を少しずつ育てます。

すぐに医療機関へ行くのが不安なら、公的な窓口から始める手もあります。各都道府県の精神保健福祉センターや、厚生労働省のまもろうよ こころでは、無料で相談先を探せます。
嘘をやめられない自分を、これ以上ひとりで責め続けなくて大丈夫です。治したいと思えた気持ちを持ったまま、あなたのペースで一つずつ試していけたらと思います。
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