認知症の母の介護に疲れイライラ…介護のストレスの解消法は?

※記事内に広告が含まれる場合があります。

50代女性(会社員)

認知症の母の介護をしていて、最近イライラが抑えられず止まりません。同じ質問を何度もされたり、さっき説明したことを忘れて怒り出したりする母に、介護疲れからつい強い口調になってしまいます。

夜中に何度も起こされて睡眠不足が続くこともあり、仕事と両立しながらの介護は想像以上に大変で、認知症介護によるストレスが限界に近いと感じています。

介護のストレス解消法を探しても、現実的に難しいものばかりで、どこまで我慢すべきなのか分かりません。介護イライラが限界にきている今、どこまで母と向き合えばいいのでしょうか。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。
ここまで追い込まれるまで、かなり無理を重ねてこられたのだと思います。

まず最初にお伝えしたいのは、介護でイライラしてしまうあなたは、決しておかしくない、ということです。

母の介護に疲れてイライラしてしまうのはおかしいこと?

結論から言うと、認知症の母の介護でイライラが募るのは、とても自然な反応です。
イライラしてしまうのは、あなたが冷たいからではなく、それだけ真剣に向き合ってきた証です。

認知症の母の介護でイライラが起こりやすい理由

認知症介護でイライラが起きやすい背景には、複数の要因が重なっています。
代表的なものを挙げると、

  • 同じ説明を何度も繰り返さなければならない
  • 相手に伝わらない無力感が続く
  • 夜間対応による慢性的な睡眠不足
  • 家族だから距離を取れないという心理的圧迫

といった負担が、日々積み重なっていきます。
特に睡眠不足は、感情のコントロールを著しく難しくします。普段なら流せる言動でも、強い怒りとして表に出やすくなるのです。

介護疲れによるイライラは心の弱さではない

介護中にイライラしてしまうと、自分は冷たい人間なのではないか、もっと優しくできるはずなのに、こんなことで怒るなんて最低だ、と自分を責めてしまう方はとても多いです。
頭では分かっていても、感情が抑えられなかった自分を思い返して、後悔や罪悪感が残ることもあるでしょう。

ですが、介護疲れによるイライラは、心の弱さではありません。
それは、これまで無理を重ねてきた心と体が、もう余裕がないと必死に訴えている状態です。
休む時間が取れず、気を張り続け、感情を抑え込みながら介護を続けてきたからこそ、ある瞬間に限界が表に出てしまうのです。

我慢できなくなった自分を責めるよりも、ここまで本当によく頑張ってきた、と一度立ち止まって自分自身を見てあげてください。
イライラしてしまうほど、あなたは一人で抱え込み、踏ん張り続けてきたのです。

日本ではどれくらいの人が介護ストレスを抱えている?

各年代ごとのストレスありなし割合

厚生労働省の調査によると、介護での悩みやストレスがある方のほうが、ない方より倍近くいることがわかっています。
また高齢になればなるほど、体力を必要とする生活に対して、長期化へのストレスを感じやすくなる割合が高く出ていると考えられます。

介護を抱える人の悩みやストレスの割合

(参照:国民生活基礎調査 令和4年国民生活基礎調査 介護

この結果から分かるのは、「介護でつらいと感じている人の方が少数派ではない」という事実です。今、あなたが感じている苦しさは、決して特別なものではありません。

実は….首相も経験している

介護のつらさは、特別な立場の人だけが乗り越えられるものではありません。
実は、女性首相 高市早苗さん も、身近な家族の介護を経験しています。(2025年時点)

現代ビジネスの記事でも紹介されているように、配偶者の病気をきっかけに、介護と向き合う日々があったことが語られています。政治家として多忙な日々を送りながら、日常生活が難しくなっていく家族を支える状況は、決して簡単なものではなかったことが伝わってきます。
責任の重い仕事を担ってきた人でさえ、介護の前では同じように苦しみ、迷っていたのです。
介護のストレスは、性格や覚悟の問題ではないことをはっきり示しています。

もし今、あなたがイライラしてしまう自分を責めているとしたら、それはあなたが弱いからではありません。
それだけ介護という役割が、人の心に大きな負荷をかけるものだということなのです。

〜今日から実践〜 認知症介護のストレス解消法3選

「もう我慢できない」と感じ始めた時点で、それは十分に限界です。介護は、限界を超えてから頑張り続けるものではありません。

ここからは、今日から少しずつ取り入れられる、現実的なストレス対処の考え方をお伝えします。無理に前向きになる必要はありません。できそうなところだけ拾って実践してみてください。

①母の言動を「病気の症状」として切り分ける

認知症の介護で特に苦しくなるのは、言動を人格として受け止めてしまうことです。
怒りっぽい言葉や理不尽な要求も、認知症による症状であると頭の中で切り分けるだけで、心のダメージは少し和らぎます。
完全に割り切る必要はありません。ただ、これは母の本心ではなく、認知症の影響だと一度立ち止まって考える習慣を持つことが大切です。

②完璧な介護を目指さないという選択

介護を頑張る人ほど、ちゃんとしなければ、迷惑をかけてはいけないと自分を追い込みがちです。ですが、完璧な介護は現実的ではありません。できない日があって当然ですし、手を抜くことも、長く続けるためには必要な選択です。
うまくできなかった自分を責めるより、今日も何とか一日を乗り切った自分を認めてあげてください。

③感情が揺れる自分を否定しない

介護中に怒りや悲しみ、虚しさが湧いてくるのは自然なことです。その感情を感じてしまう自分を否定しないことが、心を守る第一歩になります。
イライラする自分=ダメな人ではありません。イライラするほど頑張っている人、という見方もできます。

介護でイライラが限界になる前に

もし、イライラが爆発しそう、もう限界だと感じているなら、それは助けを求めるタイミングです。それぞれ方法をまとめていますがあなたが出来るところを選択しましょう。

介護者が壊れてしまう前にできる選択

介護は、介護者が倒れてしまっては続けられません。あなた自身の心と体を守ることは、わがままではなく必要な行動です。一時的に距離を取る、支援サービスを検討するなど、選択肢を持つことが重要です。

また、誰かに話すことは、弱さではありません。むしろ、心を壊さないための健全な対処です。家族や友人に話せなくても、第三者だからこそ安心して話せることもあります。

地域包括支援センターに頼る

認知症介護で限界を感じたとき、地域包括支援センターという存在もあります。
ここは、介護の相談を無料で受け付けてくれる公的な窓口で、介護サービスの調整や制度の案内だけでなく、介護者自身の悩みも相談できます。

センターは各地域ごとに設けられており、例として東京の一部地域の地域包括支援センターについてまとました。

  • 千代田区の地域包括支援センターまとめ
介護が必要な人の住所担当地域包括支援センター
神保町出張所管内、神田公園出張所管内、万世橋出張所管内、和泉橋出張所管内高齢者あんしんセンター神田
101-0063
東京都千代田区神田淡路町2丁目8番1号かんだ連雀1階
03- 5297- 2255
丸の内、大手町、内幸町、有楽町、霞が関、永田町、隼町、平河町、麹町、紀尾井町、一番町~六番町、日比谷公園、千代田、皇居外苑、北の丸公園、九段南、九段北、富士見、飯田橋、一ツ橋一丁目高齢者あんしんセンター麹町
102-0082
東京都千代田区一番町12番いきいきプラザ一番町1階
03- 3265- 6141
  • 中央区の地域包括支援センターまとめ
介護が必要な人の住所担当地域包括支援センター
日本橋地域日本橋おとしより相談センター
103-0001
東京都中央区日本橋小伝馬町5番1号 十思スクエア1階
03- 3665- 3547

人形町おとしより相談センター
103-0013
東京都中央区日本橋人形町2丁目32番4号 日本橋医師会人形町ビル1階
03- 5847- 5580
京橋地域京橋おとしより相談センター
104-0044
東京都中央区明石町1番6号 リハポート明石等複合施設1階
03- 3545- 1107
月島地域月島おとしより相談センター
104-0052
東京都中央区月島4丁目1番1号 月島区民センター1階
03- 3531- 1005

勝どきおとしより相談センター
104-0054
東京都中央区勝どき5丁目1番17号 勝どき ザ・リバーフロント1階
03- 6228- 2205
中央区全域中央区地域包括支援センター
104-8404
東京都中央区築地1丁目1番1号 中央区区役所4階
03- 3546- 5379
  • 港区の地域包括支援センターまとめ
介護が必要な人の住所担当地域包括支援センター
芝、海岸1丁目、東新橋、新橋、西新橋、三田1~3丁目、浜松町、芝大門、芝公園、虎ノ門、愛宕港区立芝地域包括支援センター(芝地区高齢者相談センター)
105-0014
東京都港区芝3丁目24番5号
03- 5232- 0840
東麻布、麻布台、麻布狸穴町、麻布永坂町、麻布十番、南麻布、元麻布、西麻布、六本木港区立南麻布地域包括支援センター(麻布地区高齢者相談センター)
106-0047
東京都港区南麻布1丁目5番26号
03- 3453-8032
元赤坂、赤坂、南青山、北青山港区立北青山地域包括支援センター(赤坂地区高齢者相談センター)
107-0061
東京都港区北青山1丁目6番1号
03-5410-3415
三田4・5丁目、高輪、白金、白金台港区立地域包括支援センター白金の森(高輪地区高齢者相談センター)
108-0071
東京都港区白金台5丁目20番5号
03- 3449- 9669
芝浦、海岸2・3丁目、港南、台場港区立地域包括支援センター港南の郷(芝浦港南地区高齢者相談センター)
108-0075
東京都港区港南3丁目3番23号
03- 3450- 5905

※ お住まいの地域によって相談先は異なります。「どこに相談すればいいか分からない」という方は、まず該当地域のセンターを確認してください。
不明な方は、厚生労働省の地域包括支援センターについてからご確認ください。

こころの専門家に相談するという支え方

認知症介護の悩みは、専門家に相談することで整理されることが多くあります。
気持ちを言葉にするだけでも、心の重さは変わってきます。

ココラボでは、介護に向き合う方の気持ちを否定せず、今の状況に合った支え方を一緒に考えるカウンセリングを行っています。誰かに話を聞いてもらうだけでも、一息つくことができるでしょう。
一人で抱え込まず、必要なときは専門家の力を借りてください。

アバター画像

この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

この記事をシェアする

公認心理師が
あなたの一歩を支えます

相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。

公認心理師がサイト上で回答します

悩みを相談する

公認心理師にオンラインで相談

予約する

カウンセリングの詳細はこちら