精神疾患でヘルプマークはもらえますか?対象条件と申請方法を教えて

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30代女性(パート・アルバイト)

精神的な不調が続いており、日々人混みや電車に強い不安を感じています。外出中に動悸がしたり、頭が真っ白になることもあり、無理をすると帰宅後に動けなくなってしまいます。
仕事への通勤や買い物中に体調が悪くなることがあり、本当は周囲に少し配慮してもらえたら助かる場面でも、うまく伝えられず我慢してしまいます。

最近ヘルプマークを知りましたが、精神疾患やメンタルの不調でも対象になるのか分かりません。障害者手帳も持っていないため、周囲からどう思われるのか、使っていい立場なのかが分からず不安です。対象条件や申請方法について教えてください。

ココラボからの回答

ご質問ありがとうございます。
外からは分かりにくい不安や体調のつらさを抱えながら、通勤や外出を続けてこられたのですね。

まず結論から言うと、精神疾患やメンタルの不調の方でもヘルプマークは利用することができます。
ヘルプマークは本当は少し配慮してもらえたら楽になる場面があっても、周囲の目や気持ちを考えて、つい我慢してしまう。そんな時にとても有効なマークです。

ここからは、ヘルプマークがどんなものから申請方法などできるだけ分かりやすく整理してお伝えします。

ヘルプマークとはどんなものか

ヘルプマークは、外見からは分かりにくい困りごとや、体調面で配慮が必要な状態があることを、周囲にそっと伝えるためのマークです。

妊娠初期の方や内部疾患のある方など、一見すると元気そうに見えても、実は支えが必要な事情を抱えている人が対象とされています。

誰かに特別扱いしてほしいわけではなく、ただ無理をしないで行動したい。そんな気持ちを、言葉にしなくても伝えられるツールとして使われています。

精神疾患でヘルプマークはもらえるのか?

ここでは、心の疾患の方に焦点を当てて解説していきます。

ヘルプマークは身体障害だけのものではない

ヘルプマークは、身体の障害がある方だけのものだと思われがちですが、精神疾患やメンタルの不調がある場合でも受け取ることはできます。

実際、電車や人混みで強い不安を感じる方、体調の波が大きい方など、日常生活に支障が出るケースも、想定されている利用者像に含まれています。

メンタルの不調や心の病気も対象になる理由

精神的な不調は、外からは分かりにくく、周囲に事情を伝えにくい特徴があります。元気そうに見えていても、外出中に突然不安が強くなったり、動悸や息苦しさが出ることが多いです。

こうした症状は、脳や自律神経の働きが関係しており、無理をすれば何とかなるものではなく、我慢を重ねることで体調が悪化してしまうものです。

またヘルプマークが精神疾患やメンタルの不調が対象に含まれているのは、日常生活の中で突然支障が出やすく、周囲の理解や配慮が安心や安全につながる場面が多いからです。


心の疾患でヘルプマークをもらえる対象条件と活用例

ヘルプマークをもらえる人の対象条件には、病名や障害名による明確な線引きはありません
また、障害者手帳を持っているかどうかも必須条件ではありません。

制度上で大切にされているのは、日常生活の中で、少し配慮があるだけで負担が軽くなる場面があるかどうかです。
もし対象かどうか判断が難しい場合、次のような状態に心当たりがあるかどうか、目安としてチェックしてみてください。

  • 不安や緊張が強く、外出や移動がつらい
  • 適応障害やパニック障害で日常生活に支障が出ている
  • 知的障害があり、周囲の配慮が必要

ではここから、具体的なケースを紹介します。

不安や緊張が強く、外出や移動がつらい場合

人混みや電車で強い不安を感じたり、外出中に突然動悸や息苦しさが出ることがある場合、その行動自体が大きな負担になっている可能性があります。

周囲に少し配慮してもらえるだけで安心して行動できる場面があるのであれば、ヘルプマークを持つことは決して大げさな選択ではありません。

適応障害やパニック障害で日常生活に支障が出ている場合

適応障害やパニック障害の方で、次のような状態が続いている場合も活用するべきケースです。

  • 朝はなんとか家を出られるものの、通勤電車に乗ると急に胸が苦しくなり、動悸や息苦しさを感じる。
  • 途中で具合が悪くなったらどうしようと考え始めると不安が強まり、駅で降りてしまうこともある。
  • 買い物に行くだけでも、人の多い場所では緊張が抜けず、常に出口やベンチの場所を探してしまう。
  • 周囲からは普通に外出できているように見えるため、つらさを説明できず、無理をしてしまう。

症状の強さや頻度には個人差がありますが、移動や外出のたびに強い不安が先に立ち、安心して行動できない状態が続いている場合、ヘルプマークを検討することは自然な選択肢のひとつです。

知的障害があり、周囲の配慮が必要な場合

ヘルプマークは、精神疾患だけでなく、知的障害があり状況の理解や意思表示が難しい方も対象ととなります。

外出先で困っていても、自分から事情を説明するのが難しい場合、ヘルプマークがあることで、周囲が気づきやすくなり、必要な配慮につながることがあります。

今回のご相談とは状況が異なるかもしれませんが、ヘルプマークは「見えにくい困りごとがある人全体」を支える仕組みであるという点を知っておくと、制度の位置づけがより分かりやすくなります。

ヘルプマークの申請方法|実際にもらうまでの流れ

申請方法は、思っているよりも簡単に受け取れるケースがほとんどです。
初めて調べる方が不安に感じやすいポイントを、順番に説明します。

どこで申請・配布されるのか(自治体・窓口)

ヘルプマークは、お住まいの自治体が配布しています。
主な配布場所は、市役所や区役所の福祉課、障害福祉窓口、保健センターなどです。

自治体によっては、
・福祉センター
・駅構内の案内所
・委託された公共施設
などで配布している場合もあります。

一例として、東京都と大阪府の配布場所はこちらとなっています。(2026年1月時点)

東京都の場合

配布場所(名称)窓口・受付時間(目安)
都営地下鉄 各駅 (浅草線 押上駅、三田線 目黒駅・白金台駅・白金高輪駅、新宿線 新宿駅を除く)駅係員対応時間内(始発~終電の時間帯)
都営バス 各営業所 (都営バス各営業所・支所。例:杉並、自動車営業所 等)各営業所の窓口営業時間内(平日9:00~17:00程度)
都電荒川線 荒川車庫前停留場停留場窓口営業時間内(始発~終電の時間帯)
日暮里・舎人ライナー 配布駅 (日暮里駅、西日暮里駅の駅務室)駅務室営業時間内(始発~終電の時間帯)
ゆりかもめ 配布駅 (新橋駅、豊洲駅、有明駅の駅務室)駅員対応時間内(始発~終電)
多摩モノレール 配布駅 (多摩センター駅〈多摩市〉、中央大学・明星大学駅〈八王子市〉、高幡不動駅〈日野市〉、立川南駅・立川北駅〈立川市〉、玉川上水駅〈立川市/東大和市〉)駅係員対応時間内(始発~終電)
東京都心身障害者福祉センター・多摩支所平日 9:00~12:00・13:00~17:00(土日祝・年末年始休)
都立病院(広尾病院など)病院窓口対応時間内
東京都がん検診センター平日 9:00~17:00(窓口対応時間内)
区役所・市役所等の障害福祉窓口各自治体の開庁時間内

大阪府の場合

配布場所(名称)窓口・受付時間(目安)
大阪府庁 福祉部障がい福祉室 障がい福祉企画課平日9:00~17:30(府庁開庁時間内)
大阪府内 各保健所平日9:00~17:30(各保健所の窓口時間)
市役所・区役所等の障がい福祉担当課 (大阪市各区保健福祉センター、大阪市サービスカウンター、及び府内各市町村の福祉課窓口)各自治体の開庁時間内 例:平日8:45~17:15(土日祝休)
大阪メトロ 主要駅 駅長室 (例:梅田駅、なんば駅、天王寺駅など)駅長室対応時間内(始発~終電の時間帯)

申請に必要なものと医師の診断書の有無

多くの自治体では、診断書や手帳がなくても、その場で受け取れることがほとんどです。
窓口では、以下のような対応が一般的です。

申請書記入:簡単な申請書に名前や連絡先を記入する
ヒアリング:現在困っていることを簡単に聞かれる

申請にかかる時間や費用について

ヘルプマークの申請に費用はかかりません。配布は無料で、後から料金を請求されることもありません。
手続きにかかる時間も短く、多くの場合は10分前後で終わります。混雑していなければ、その場で受け取れるケースがほとんどです。


ヘルプマークの認知度と利用率は?

ここまでヘルプマークの基本的な情報を説明しましたが、ここからは認知度や利用率をデータから解説します。

まず、認知度については年々少しずつ知られるようになってきています。
2022年時点の調査では、認知率は約52.3%とされており、半数以上の人が存在を知っている状況です。

一般生活者のヘルプマークの認知率

(参照:内閣府 障害者に関する世論調査 令和4年11月調査

ただし、「知っている人が多い=安心して使われている」とは言い切れません。
年代別に見ると、18〜29歳では7割以上が認知している一方で、年齢が上がるにつれて認知率は下がり、70歳以上では3割台にとどまっています。

支援や配慮が必要になりやすい世代ほど、ヘルプマークが十分に知られていない現状も見えてきます。

一方で、実際にヘルプマークを「現在、利用している」と答えた人は20%にとどまっています。

ヘルプマークの利用率

(参照:障がい者総合研究所

注目したいのは、「利用したいと思っているが、まだ利用していない」と回答した人が約41%と、最も多かった点です。
つまり、多くの人がヘルプマークの存在を知り、必要性も感じていながら、

  • 周囲の目が気になる
  • 本当に使っていいのか分からない
  • 自分の状態で持つのは大げさではないかと迷っている

といった理由から、一歩踏み出せずにいるのが実情で、ヘルプマークを使うことに迷っているのは、あなただけではありません。

多くの人が、同じように悩み、同じところで立ち止まっています。

ヘルプマークを持つか迷っている方へ|専門家からのアドバイス

ヘルプマークを持つか迷うのは、とても自然なことです。多くの人が、自分は使っていいのか、周りにどう思われるかを気にしています。
困ってから使うものではなく、これ以上無理をしないために、自分を守る選択肢のひとつです。

一人で判断しきれないときは、まだ相談するほどか分からなくても、今の状態を整理するだけでも構いません。ココラボでは、ヘルプマークを含めた生活上の不安についても相談を受け付けています。
無理を重ねる前に、自分を守る選択肢のひとつとして考えてみてください。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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