月経前症候群のイライラがひどいのは私だけですか、情緒不安定で泣く日もあります
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
生理前のイライラや涙は、ご自身の弱さではなく、ホルモンの変動に心身が反応している状態です。
大切なのは、症状を完璧に消すことより、生理前に偏るという周期性に気づき、無理に抑え込まない工夫を持つことです。
生活や人間関係への支障、つらい気持ちが続くときは、我慢を続けず婦人科や心療内科を頼ってください。
30代女性(会社員)
生理の一週間ほど前になると、自分でも戸惑うほどイライラしてしまいます。
職場でも些細なことで気持ちが乱れ、トイレでこっそり泣いた日もありました。生理が始まると落ち着くので、毎月これの繰り返しかと思うと気が重いです。
性格や我慢の問題なのか、大事にしたい家族を傷つけている気がして、自分が嫌になります。
ココラボ相談室からの回答
毎月、同じ時期に感情の波が来て、そのたびに自分を責めてしまう。その繰り返しの重さは、経験した人にしか分かりにくいものだと思います。
この記事では、そのイライラや涙が生理前に偏っているのかという周期性と、傷つけ合いを増やさないための距離の取り方を中心に、ご自身の状態を見直す材料を一緒に整理していきます。
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月経前症候群のイライラがひどい今

生理前になると感情の波が大きくなり、そのたびに苦しくなる。まずはその今の状態を、責めずに整理してみます。ここでは何が起きているのかを、いったん言葉にしてみます。
怒りや涙が出る時期
月経前症候群のイライラがひどいと感じる時期は、生理が始まる3〜10日ほど前に偏ることが多いとされています。普段なら流せる一言にカッとなったり、ささいなことで泣いてしまう日もあります。
怒りと涙は正反対のようでいて、どちらも感情のブレーキが効きにくくなっているサインです。生理が始まると少しずつ軽くなる、という波を感じている方も少なくありません。
自分を責めやすい状態
感情をぶつけてしまったあと、なんであんな言い方をしたのかと自己嫌悪に沈む。この自責こそが、いちばん消耗する部分かもしれません。
イライラや涙そのものより、そのあとに残る罪悪感のほうがつらい、という声はよく聞かれます。けれどそれは、あなたが家族や周りを大切に思っているからこそ生まれる反応でもあります。
PMSとPMDDの見極め方
つらさが強いと、これは病気なのかと不安になります。ここでは診断ではなく、自分の状態を見るための軸を整理します。手がかりになるのは、周期性と生活への支障の2つです。

生理前だけ強まる症状
生理前に現れる心身の不調をまとめて、PMS(月経前症候群)と呼びます。日本産科婦人科学会によると、生理前に何らかの症状を感じる女性は7〜8割にのぼるとされています。
ポイントは、症状が生理前に偏り、月経が始まると数日で軽くなるという繰り返しがあるかどうかです。一年中ずっと気分が重い場合は別の背景も考えられるため、後半で触れる相談先が手がかりになります。
生活に出ている支障
PMSの中でも、イライラ・怒り・落ち込みといった心の症状が特に強い場合があります。それが仕事や人間関係に支障を出すほどなら、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性があるとされます。重症のPMSにあたり、女性の数%にみられると報告されています。
ただPMSとPMDDの境目はきれいに分かれるものではなく、自己判断で決める必要はありません。毎月のパターンと、生活がどれくらい回らなくなっているかを、相談のときの材料として持っておくくらいで十分です。
イライラや涙が強まる背景

なぜ生理前だけこうなるのか。背景を知っておくと、自分を責める力が少しゆるみます。ここでは体と生活の両面から整理します。
ホルモン変動と脳の敏感さ
生理前は、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが大きく動く時期です。特に生理直前のホルモン低下に伴って、気分の安定に関わる脳内のセロトニンの働きが乱れやすくなると考えられています。
その結果、ふだんは気にならない刺激にも過敏に反応し、怒りや涙、情緒不安定として現れます。これは性格や我慢の問題ではなく、体と心の変化として起こりうる反応です。
睡眠不足とストレス
睡眠が足りていないと、怒りへの耐性は一気に下がります。仕事や家事、人間関係でストレスが重なっている時期は、同じホルモン変動でも感情の揺れが大きく出やすくなります。
つまり、原因はホルモンだけではなく、生活の条件が重なって増幅されているイメージです。逆に言えば、整えられる条件もそこにあります。
血糖や刺激物の影響
生理前は甘いものが欲しくなりやすい時期ですが、血糖値が急に上がって急に下がると、イライラが強まりやすくなります。空腹の時間が長すぎるときも同じです。
また、カフェインやアルコールは神経を刺激したり睡眠の質を下げたりして、症状を後押しすることがあります。コーヒーやエナジードリンクが増えていないか、振り返ってみる価値はあります。
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感情をぶつけにくくする工夫

イライラをゼロにするのは難しくても、大切な人を傷つけにくくすることはできます。ここでは抑え込むのではなく、距離と伝え方を整える工夫を紹介します。次の周期に向けた準備として読んでみてください。
睡眠と食事を守る
この時期だけでも、睡眠を最優先にしてみてください。眠れない夜は、横になって休むだけでも体は少し回復します。
食事は、主食だけで済ませずにタンパク質を足すと、血糖の急な上下が起きにくくなります。完璧な食事を目指すより、急な空腹と甘いものだけの食事を減らすほうが現実的です。
記録で周期をつかむ
何日前から荒れやすいかが分かると、対策はぐっと立てやすくなります。アプリでもカレンダーのメモでもよいので、いつから・何がきっかけ・いつ戻るかを残してみてください。
数か月分を見返すと、生理前に波が来て、生理開始後に楽になるという自分のパターンが見えてきます。これは婦人科などに相談する際の情報にもなります。
一人の時間を作る
感情が高ぶりそうなときは、その場から少し離れるだけで、ぶつけ合いを避けられることがあります。荒れやすい時期には、大事な話し合いや予定をあえて入れない、という選び方もできます。
たとえば、夜に一人で湯船に浸かる時間を確保するだけでも、気持ちの土台は変わってきます。我慢して通常通りに過ごそうとするより、接触をゆるめるほうが結果的にラクなこともあります。

してほしいことを短く伝える
周りに理解を求めるとき、長い説明より、してほしいことを一つ短く伝えるほうが届きやすいです。今週は気持ちが揺れやすいから、そっとしておいてほしい、という伝え方でも十分です。
離れる前に、嫌いになったわけではなく喧嘩を避けたいだけ、と一言添えておくと、相手も受け取りやすくなります。生理前の不調をパートナーに共有しておくことで、互いの負担が減るとも報告されています。
受診や相談を考えたいサイン

セルフケアで抱え込まなくてよい場面もあります。ここでは、相談を考える目安と、どこに行けばよいかを整理します。急かすためではなく、選択肢として読んでみてください。
人間関係や仕事への支障
毎月同じ時期に人間関係が壊れそうになる、仕事や家事が回らなくなる。そうした支障が続くなら、セルフケアだけで頑張り続ける必要はありません。
つらさを我慢して様子を見るより、状態を整理する場として医療機関を使う、という考え方ができます。
死にたい気持ちがある
生理前に、死にたい気持ちや、自分を強く否定する考えが浮かぶことがあります。こうした気持ちがあるときは、早めに専門家へ相談してほしいサインです。
また、月経が始まっても落ち込みが続く場合は、PMS以外の背景も考えられます。一人で判断しきろうとせず、医療や相談の窓口を頼ってください。
婦人科や心療内科への相談
相談先は、今いちばんつらい症状によって選び分けられます。
| 主な状態 | 相談先の目安 |
|---|---|
| 身体症状やホルモンの調整が中心 | 婦人科 |
| 精神症状が強く、生活に支障がある | 心療内科・精神科 |
| 気持ちの整理に時間をかけたい | 公認心理師などのカウンセリング |
低用量ピルや漢方、SSRIといった選択肢もあります。ただ合う方法は人によって違うため、自己判断で決めずに専門家と相談しながら選ぶのが安心です。月経前症候群のイライラがひどい状態を、一人で抱え込まなくてよい場面は確かにあります。
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