失笑恐怖症って中学生にもあるの?受験で面接があって不安が強くて辛い…

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

笑ってはいけない場面で笑いがこみ上げるのは、気持ちがゆるんでいるからではなく、強い緊張への反応として起こることがあります。

ご本人は真剣だからこそ、我慢するほど苦しくなり、自分を責めてしまいがちです。

まずは状態を落ち着いて理解することが第一歩になります。

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10代女性(学生)

前から、先生に叱られている時や、クラスが静まり返った真剣な場面で、なぜか笑いがこみ上げてしまいます。

おかしいと思っているわけじゃないのに、我慢しようとするほど止まらなくなって、あとで自分が嫌になります。

もうすぐ高校受験の面接があります。静かな部屋で一人ずつ話す場面を想像すると、また笑ってしまうんじゃないかと不安でたまりません。

ココラボ相談室からの回答

笑ってはいけない場面ほど、笑いがこみ上げてしまう。
そのつらさは、ふざけているからでも、気持ちがゆるんでいるからでもないことが多いものです。
面接が近づくほど不安が大きくなるのも、無理のないことだと思います。

不安を無理に消そうとせず、まず落ち着ける場面を作ることが助けになります。

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面接前に不安が強い今の状態

面接が近づくと、不安がふくらんでいく。まずは、その気持ちがどこから来ているのかを、少し整理してみます。答えを急がずに、今の状態から見ていきましょう。

笑いそうで怖くなる場面

笑ってはいけないと分かっている場面ほど、なぜか笑いがこみ上げてくる。先生に叱られているとき、クラスが静まり返った真剣な話し合いのとき、朝礼で発表しているとき。そういう静かな場面や人前で話す場面で、自分の意思とは関係なく笑いそうになる人は少なくありません。

おかしいと感じているわけではないのに、口元がゆるんでしまう。その感覚に戸惑い、まわりにどう見られるかが気になって、余計に緊張が強まっていきます。

中学生が抱えやすい戸惑い

中学生になると、笑ってしまったあとに強く自分を責めてしまう人が増えていきます。ふざけていると誤解されたり、真剣に受け止めていないと思われたりするのが怖い、という声もよく聞かれます。

そして今、受験面接という場面が目の前にある。静かな部屋で一人ずつ受け答えする状況を想像すると、また笑ってしまうのではという不安が先に立つ。その心配が頭から離れないのは、それだけ真剣に向き合おうとしているからでもあります。

真剣だからこそ不安が強まる、という視点で自分を責めすぎないことが大切です。

失笑恐怖症と呼ばれる症状

ここでは、失笑恐怖症と呼ばれる状態がどんなものかを整理します。言葉の意味と、体で起きていることを分けて見ると、少し落ち着いて眺められます。自分に当てはまるかどうかは、読みながらゆっくり確かめてください。

よく見られる反応

失笑恐怖症の症状として語られるのは、笑ってはいけない場面で笑いがこみ上げる、止めようとするほど強まる、といった反応です。何もおかしくないのに笑いが出てしまい、我慢するほど余計に止まらなくなる。笑ったあとに強い自己嫌悪や罪悪感が残り、次の場面を避けたくなる。こうした流れは、多くの解説で共通して挙げられています。

大事なのは、これが楽しさから来る笑いとは限らないという点です。強い緊張や不安が高まったときに、その反応として笑いという形で出てくることがあると考えられています。

正式な診断名の扱い

失笑恐怖症という言葉は広く使われていますが、じつは医学的に定められた正式な診断名ではありません。精神疾患の分類として使われるDSM-5やICD-11には、この名称は載っていないのです。

楽しさの笑いと緊張反応を分けて見ると、相談しやすくなります。

これは、あなたの困りごとが軽いという意味ではありません。名前がはっきりしないだけで、笑いそうになるつらさそのものは、きちんと相談していい対象です。 医療の場では、どんな場面で、どのくらい、生活にどう影響しているかを一緒に見ながら、状態を整理していきます。

社交不安との関係

失笑恐怖症は、人前での緊張が関係していることが多いとされ、社交不安と重なる部分があると説明されます。人からどう見られるかを強く意識する状態が、笑いという反応につながることがある、という見方です。

ただし、笑いが止まらない背景には、まれに体の要因が関わっている場合もあります。そのため、原因を自分だけで決めつけず、気になるときは大人や専門家に相談することがすすめられます。

名前だけで決めつけず、困っている場面を大人と共有することが助けになります。

笑いを止めようとして辛くなる流れ

なぜ、我慢するほど笑いが強まるのか。ここでは、その流れを短く整理します。仕組みが分かると、自分を責める気持ちが少しゆるむことがあります。

緊張とプレッシャー

絶対に笑ってはいけない、と強く思うほど、意識は笑いのほうへ向かっていきます。場面が真剣であるほど、静かであるほど、そのプレッシャーは大きくなります。抑えようとする力が、かえって笑いを呼び込んでしまうことがあるのです。

我慢で強まる悪循環

笑いをこらえることに意識が集中すると、体がこわばり、呼吸も浅くなっていきます。すると落ち着きにくくなり、こみ上げる感覚がさらに強まる。我慢が緊張を生み、緊張が笑いを強めるという循環に入りやすくなります。

失敗記憶と予期不安

一度うまくいかなかった経験は、記憶に強く残りやすいものです。また同じことが起きるのでは、という予期不安が、次の場面の前から緊張を高めていきます。面接前の今の不安も、この予期不安が関わっているのかもしれません。

我慢の循環に気づくと、完璧に止める以外の工夫を選びやすくなります。

受験面接の前にできる準備

ここからは、受験面接に向けてできる準備を見ていきます。不安をゼロにする方法ではなく、不安と一緒に進むための工夫として読んでください。できそうなものから、ひとつずつで十分です。

面接練習の進め方

いきなり本番のような練習をすると、緊張が上がりすぎることがあります。まずは鏡やスマホの前で一人で話すことから始め、慣れてきたら家族や先生に面接官役をお願いする、と段階を踏むと負担が少なくなります。落ち着いて答えている自分を頭の中でイメージしておくと、当日の心の準備にもなります。

練習では、笑いそうになったときにどうするかも一緒に決めておきます。この対策があるだけで、丸腰で臨むより気持ちが安定しやすくなります。

段階を分けて練習すると、本番を想像したときの負担が少し軽くなります。

当日に落ち着く工夫

面接の直前や最中に使える工夫を、いくつか挙げておきます。その場で試せるものを知っておくと、不安が高まったときの支えになります。

  • ゆっくり息を吐く呼吸で、体の緊張を少しゆるめる
  • 手のひらや足の裏の感覚に意識を向け、今この場に注意を戻す
  • どうしても落ち着かないときは、一度深呼吸してから答え始める

笑いに向いていた注意を、呼吸や体の感覚に移すと、こみ上げる感覚から離れやすくなります。完璧に止めることを目指すより、少し和らげることを目標にするほうが続けやすいものです。

当日に使う行動を先に決めておくと、不安が高まったときの支えになります。

伝えるか迷うとき

面接で笑ってしまったら落ちるのでは、という不安はよく聞かれます。面接は受け答えの内容や態度を総合的に見る場なので、緊張による反応だけで結果が決まるとは限りません。 それでも心配なら、緊張しやすい体質だと事前に一言だけ伝えておく、という選択肢もあります。

伝えるかどうかに、正解はありません。伝えることで安心できる人もいれば、言わないほうが落ち着く人もいます。どちらが自分に合いそうかを、信頼できる大人と一緒に考えてみてください。

ひとりで抱え込まないために

最後に、相談できる相手について整理します。一人で抱えるほど不安は大きくなりやすいので、話せる先を知っておくと心強くなります。どこから話すかは、あなたが選んで大丈夫です。

親や先生に話すこと

家の人や担任の先生に、笑ってしまう困りごとを打ち明けるのは勇気がいります。それでも、事情を知っている人が一人いるだけで、面接や学校の場面での安心感は変わってきます。うまく言葉にできないときは、この記事を見せながら話してみるのもひとつの方法です。

保健室やカウンセラー

話せる相手が一人いるだけでも、面接前の不安は抱えやすくなります。

担任には話しにくいと感じるなら、保健室の先生やスクールカウンセラーという選択肢があります。多くの中学校では、スクールカウンセラーに無料で相談でき、成績や進路とは切り離して話を聞いてもらえます。受験前の不安をそのまま持っていって、整理を手伝ってもらうこともできます。

受診を考えたいサイン

失笑恐怖症と中学生の悩みは、多くの場合、まわりの理解と工夫で付き合っていけます。ただ、次のような状態が続くときは、医療機関を選択肢に入れてもいいかもしれません。

  • 学校に行くのがつらくなっている
  • 笑いが心配で、人と関わる場面を強く避けてしまう
  • 眠れない日や、食欲が落ちる日が続いている
  • 自分を責める気持ちが、どんどん強まっていく

こうしたサインが重なるときは、保護者と一緒に心療内科や精神科へ相談することを考えてみてください。すぐに何かを決めなくても大丈夫です。今の不安を誰かに話すところから、あなたのペースで始めてみてください。

つらさが生活に広がるときは、早めに大人や専門家へつなぐことも大切です。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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