会食恐怖症で修学旅行の食事が不安で、別室で食べたいけど注目されるのが怖い…
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
修学旅行の食事が不安で落ち着かない、という声はよく届きます。
会食恐怖症は気持ちの持ちようではなく、人前での緊張が強く出ている状態なんですね。
別室を望むのも、注目が苦手なのも、わがままではありません。
一人で抱えず、先生や家族を頼ってみてください。
10代女性(学生)
高校2年です。
来月の修学旅行が近づくたびに、ホテルの食事会場を思い出して胃が重くなります。
会食恐怖症で、みんなと同じ場所だと箸が止まってしまうんです。
別室で食べたいのに、席を抜ける姿を見られるのが怖くて、先生にも言い出せません。
行くか休むかも、まだ決められずにいます。
ココラボ相談室からの回答
修学旅行は楽しみなはずなのに、食事のことを思うと気持ちが重くなる。その苦しさは、心が弱いからでも、わがままだからでもありません。
この記事では、不安になりやすい場面を分けて整理しながら、先生への伝え方と当日の食事の選び方を一緒に見ていきます。行くか休むかも含めて、あなたが選べる余白を残せるように進めます。
修学旅行の食事が怖いのは、あなたのせいではありません
まずは、いま感じている怖さを否定せずに受け止めるところから始めます。
食べられない自分を責めてしまう気持ちも、この章でいったん横に置いてみましょう。
「別室で食べたい」と思う自分を責めなくていい
大部屋でみんなと食べるのがつらくて、別室で食べたい。
そう考えること自体を、迷惑なことだと感じている人は少なくありません。
でも、食べる場所や量を調整したいという願いは、あなたを楽にするための工夫です。
それは周りへの甘えや身勝手ではありません。
自分が安心して過ごせる形を探すことは、修学旅行に参加するための大切な準備です。
その前提が揺らいでいると、対策を考える前に気持ちがすり減ってしまいます。
別室を望む気持ちを、迷惑をかける申し訳なさとセットで抱えている人も多いです。
けれど、無理をして体調を崩すより、調整して参加できる方が、周りにとっても安心なはずです。
会食恐怖症は社交不安の一種で意志の弱さではない
会食恐怖症は、人と食事をする場面で強い不安が続く状態を指します。
正式な病名ではありませんが、多くは社交不安症の一症状として理解されています。

背景にあるのは、食べ物そのものへの嫌悪ではなく、人からどう見られるかへの不安です。
うまく食べられなかったらどうしよう、変に思われないか、という緊張が体をこわばらせます。
だから、気合いや慣れだけで乗り越えようとしても、うまくいかないことが多いのです。
これは根性の問題ではなく、不安の反応が強く出ているだけだと考えてみてください。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
修学旅行の「どの場面」が不安かを分けて考える
漠然と修学旅行全体が怖いと感じると、対策を立てにくくなります。
この章では、不安の正体を場面ごとに分け、行く・休むの判断軸まで整理します。
大部屋・定食・注目など不安になりやすい場面
ひとくちに食事が不安といっても、つらさを感じる場面は人によって違います。
自分がどこで一番身構えるのかを知ると、頼みたい配慮も見えてきます。
- 学年全員が同じ会場に集まる大部屋での食事
- 量があらかじめ決められている定食やコース形式
- 席を立ったり別室へ移動したりするときに注目されること
- 食べ残しや、箸の止まった手元を見られること
たとえば、量が決まった定食が一番つらいという人もいます。
自分で選べないと、残すことへのプレッシャーが強くなるためです。

発症のきっかけは完食指導のことが多い
自分だけがなぜ、と感じている人にこそ知ってほしいデータがあります。
日本会食恐怖症克服支援協会が当事者642名に行った調査では、発症のきっかけで最も多かったのは完食指導や周りからの強要で34.7%でした。
さらにその場面を尋ねると、給食で先生からというケースが7割を超えています。
文部科学省の食に関する指導の手引でも、食べられない子への対応には慎重さが求められると示されています。
同じ協会には、会食に関する相談が年間およそ1000件寄せられ、その中心は10代から20代だといいます。
つまり、修学旅行の食事に悩んでいるのはあなただけではなく、同じ苦しさを抱える人が各地にいます。
食べられなくなったことには背景があり、あなた個人の弱さのせいではありません。
きっかけをはっきり思い出せなくても、自分を責める必要はないのです。
「行く」か「休む」かを追い込まずに選ぶ視点
参加するか見送るかで、ぎりぎりまで迷う人は多いです。
このとき、無理に行く・無理に休むのどちらかに自分を追い込まないことが大切です。
判断の手がかりになるのは、配慮が用意できそうか、頼れる大人がそばにいるか、という点です。
一口も食べられない状態や、吐き気や震えが続くほどの負担があるなら、休む選択も十分に妥当です。

行くと決めても、途中でつらくなったら別室に移れるようにしておくと、心の逃げ道が残ります。
選択肢を一つに絞りきらないことが、当日の安心につながります。
行きたい気持ちと、怖い気持ちの両方があるのは、どちらも本当のあなたの声です。
どちらかを間違いと決めつけず、いまの自分に無理のない範囲はどこかを探してみてください。
修学旅行の前に先生へ伝えて配慮をお願いする方法
不安を一人で抱えたまま当日を迎えると、負担が一気に大きくなります。
この章では、先生や周囲の大人に配慮をお願いするときのコツを整理します。
別室・量・時間の配慮はお願いしていい
体調や特性に合わせて食事の形を調整してもらうことは、特別なお願いではありません。
学校生活を続けるための合理的な配慮として、相談していいことです。
具体的には、次のような形を伝えてみると、先生も動きやすくなります。
- 食事は別室や、端の席にしてほしい
- 量を減らす、または飲み物や軽いものだけにしたい
- 食べられないときは、無理に勧めないでほしい

伝えるときは、困っている場面と、こうしてもらえると助かるという希望をセットにすると届きやすいです。
うまく話せるか不安なら、紙に書いて渡す方法でもかまいません。
スクールカウンセラーや親を頼るコツ
担任に理解が薄いと感じると、それ以上相談しづらくなることがあります。
そんなときは、スクールカウンセラーや保護者など、頼れる相手を増やしておくと心強いです。
スクールカウンセラーには、担任を通さず直接予約できる学校も多いです。
会食恐怖症のつらさや、どんな配慮がほしいかを、事前に一緒に整理してもらえます。
家族が事情を知っているなら、学校への連絡を代わってもらうのも一つの手です。
大人同士で話が進むと、あなたが繰り返し説明する負担が減ります。
相談する相手は、必ずしも一番身近な人でなくてかまいません。
話しやすい先生や、保健室の先生など、少しでも安心して打ち明けられる人から始めてみてください。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
当日の食事を乗り切る現実的な選択肢
準備をしても、当日その場に立つと不安がぶり返すことはあります。
この章では、無理なく過ごすための具体的な選択肢と、注目への対処を見ていきます。
飲み物だけ・少量・栄養補助食品という選び方
会場で全部食べきることを、当日のゴールにしなくて大丈夫です。
その場をやり過ごせる形をいくつか持っておくと、気持ちが少し軽くなります。

| つらさの度合い | 試しやすい選び方 |
|---|---|
| 会場にはいられる | 飲み物や汁物だけ口にする |
| 少しなら食べられそう | 食べられる一品だけに絞る |
| 会場自体がつらい | 別室でおにぎりや軽食にする |
| 食事が難しい | 栄養補助食品や持参したもので補う |
栄養補助食品を一つ持っておくと、買いに出られない場所でも安心材料になります。
食べる量よりも、その時間を落ち着いて過ごせることを優先しましょう。
「注目されるのが怖い」を和らげる工夫
別室で食べたいのに、席を抜ける姿を見られるのがつらい。
この注目への不安は、事前のひと工夫でやわらぐことがあります。
たとえば、同じ班の親しい友人にだけ、先に事情を伝えておく方法があります。
理由を知っている人が一人いるだけで、視線への身構えが少し楽になります。
移動のタイミングを先生と決めておき、目立ちにくい動線にしてもらうのも有効です。
みんなが席に着く前に静かに動ければ、視線を集めずに別室へ向かえます。
注目そのものをゼロにするのは難しくても、身構える時間を短くする工夫はできます。
段取りが決まっているだけで、当日の心の負担はずいぶん変わってきます。
周囲の声かけと、つらい時の相談先
最後に、周りの人にどう関わってほしいかと、不安が続くときの相談先を整理します。
この章は、あなた自身と、支えたい家族や先生の両方に向けた内容です。
先生や友人に伝えたい「安心できる言葉」
支える側は、励ますつもりの言葉が、逆に負担になることがあります。
どんな声かけが安心につながるかを、あらかじめ共有しておくと関係が楽になります。

当事者が楽になりやすいのは、無理しないでいい、食べられるだけでいいと受け止める言葉です。
反対に、気にしすぎ、慣れれば大丈夫といった言葉は、つらさを見えなくしてしまいます。
一緒に食べる人が、自分は自分のペースで食べるからと構えていてくれると、罪悪感がやわらぎます。
食べないことを責められない空気が、何よりの支えになります。
もし支える側でこの記事を読んでいるなら、まず、打ち明けてくれたことをそのまま受け止めてあげてください。
不安だったんだね、と気持ちに触れる一言が、本人の孤立感をほどいていきます。
不安が続くときに相談したい専門機関
工夫を重ねても、不安が生活全体に広がっていくことがあります。
そんなときは、一人で抱え込まずに専門の窓口を頼ってみてください。
人と食べる場面での強い不安が半年以上続き、学校や生活に支障が出ているなら、相談の目安です。
心療内科や精神科では、認知行動療法など、不安との付き合い方を一緒に考えていけます。
まずは話を聞いてほしいという理由でも、受診やカウンセリングを利用していいです。
修学旅行という一度きりの機会を、一人で背負い込まなくて大丈夫だと覚えておいてください。