自己中心的な人の治し方を知りたい。原因と特徴を知って嫌われたくない
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
自己中と言われると、自分の全部を否定された気がして、なかなか眠れない夜もありますよね。
でも、直したいと感じている時点で、あなたはもう周りを大切に思える人なんだと思います。
まずは性格ごと変えようとせず、一つの場面から見直していけたら十分ですよ。
30代女性(会社員)
先日、同僚から軽い調子で自己中だよねと言われてから、自分の言動がずっと気になっています。
話を最後まで聞けていたか、予定を勝手に決めていなかったか。
直したいのに何から手をつければいいか分からず、このまま人が離れていく気がしています。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
自己中と言われると、自分のすべてを否定されたように感じて、心細くなりますよね。直したい気持ちと、どこから直せばいいのか分からない戸惑いが、同時に押し寄せているのかもしれません。
この記事では、治し方をあわてて実行する前に、どこまでを直す対象と考えればいいのかを一緒に整理します。原因や特徴にも触れながら、自分を責めすぎずに見直すための手がかりを探していきます。
「自己中かも」と治し方を探しているあなたへ
自己中と言われて治し方を探すとき、頭にあるのは「どう直すか」だけではないと思います。本当は、自分は直すべき状態なのか、人が離れていくのは自分のせいなのか、そこが一番気がかりなのではないでしょうか。まずは言葉の意味と、誰にでもある性質という前提から、静かに置いていきます。
自己中・わがまま・自分勝手の違い
自己中心的とは、無自覚のうちに自分を物事の中心に置いて、他人の事情まで考えが回りにくい状態を指します。似た言葉にわがままや自分勝手がありますが、少しずつ色合いが違います。
わがままは思い通りに振る舞う様子、自分勝手は具体的な行動、利己的は自分の利益を優先する意味合いで使われることが多いです。どれも近い言葉ですが、自己中だと言われたからといって、性格そのものが欠けていると決まるわけではありません。
大事なのは、言葉のレッテルではなく、その場で実際に何が起きていたかです。そこを分けて見られると、必要以上に自分を追い込まずにすみます。

自己中心性は誰にでもある性質
心理学者のピアジェは、自分の視点からしか物事を捉えにくい性質を自己中心性と呼びました。これは幼い頃に強く見られ、成長とともに相手の視点に立てるようになります。この移り変わりを脱中心化といいます。
ただ、大人になっても自己中心性がすっかり消えるわけではありません。自分が知っていることは相手も知っているはず、と思い込んでしまうスポットライト効果のような偏りは、誰の中にも残っています。
つまり、自己中心的な面があること自体は、特別に悪い人だという証拠ではないんです。程度とバランスの問題として眺めると、少し肩の力が抜けるかもしれません。
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治し方の前に「どこまで直すか」を見極める
治し方に進む前に、まず整理しておきたいことがあります。それは、自分の何を直す対象と考えるか、という範囲の見極めです。ここを飛ばすと、直そうとするほど自分を責める方向に進みやすくなります。
自己中と見られやすい言動の例
自己中と受け取られやすい言動には、いくつか共通する場面があります。たとえば話を最後まで聞かずに遮る、予定を自分優先で決める、指摘されると反発する、といった場面です。

- 相手が話している途中で、自分の話にすり替えてしまう
- 集まりの日程を、自分の都合だけで先に決めてしまう
- 注意されると、まず言い訳や反論が先に口をつく
ここで気をつけたいのは、当てはまった数で自分を採点しないことです。いくつ当てはまるかよりも、その言動で実際に困った人がいたかを見るほうが、ずっと役に立ちます。

誰に・どんな場面で言われたか
同じ自己中でも、誰から、どんな場面で言われたかで意味は変わります。複数の相手から、別々の場面で繰り返し言われるなら、見直す手がかりとして受け取る価値があります。
一方で、特定の一人から、機嫌の悪いときだけ言われるのであれば、話は少し違ってきます。それはあなたの性格の問題ではなく、その関係の中で起きていることかもしれません。
言われた言葉を、すべて等しく真に受ける必要はありません。どこから来た指摘かを分けるだけで、抱え込む重さが変わってきます。

実害の有無と相手の要求の妥当性
直すかどうかを考えるとき、実際に困った人がいたかは大切な軸になります。あわせて、相手の要求がこちらの限界を超えていないか、という視点も持っておきたいところです。
自己中と言われる=全面的に自分が悪い、とは限りません。相手の期待が過大なだけの場合もあり、その線引きは自責とはまた別の話です。
自分の言動で誰かが繰り返し困っているなら、そこは見直す価値があります。けれど、応えきれない要求まで抱え込む必要はない、と覚えておいてください。
自己中心的な言動が起きる背景
ここでは、なぜ自己中心的な言動が出やすくなるのか、その背景を見ていきます。責任を追及するためではなく、自分を守る働きとして理解するためです。背景が見えると、直す手順もぐっと現実的になります。
家庭環境と自己肯定感の低さ
自己中心的に見える言動の背景として、育ってきた環境がよく挙げられます。過保護に育った、あるいは十分に受け止めてもらえなかった経験が、対人関係の癖として残ることがあります。
とりわけ自己肯定感の低さは、見過ごされやすい要因です。自分に自信が持てないと、損をしたくない気持ちが強まり、結果として自分優先に見える言動が増えてしまいます。
これは責められるべき欠点ではなく、これまでを生き延びてきた反応でもあります。背景を責めるより、今の自分が何を守ろうとしているのかを見るほうが、前に進みやすいでしょう。

承認欲求や心の余裕のなさ
認められたい、軽んじられたくないという気持ちが強いと、自己主張が先走ることがあります。これは特別なことではなく、不安と承認欲求が絡み合った、ごく自然な心の動きです。
見落とされがちなのが、心の余裕のなさです。疲れている、追い詰められているときほど、人は相手への配慮に手が回らなくなります。
もしそうなら、それは性格の問題というより、その時のコンディションの問題かもしれません。自分の状態を性格と切り分けて眺められると、対処の見通しが立ちやすくなります。
「それで通ってきた」という学習
これまで自分優先のやり方で大きな問題が起きなかった場合、その方法が身についていることもあります。うまくいっていた行動は、無意識のうちに繰り返されやすいものです。
これは意志が弱いからではなく、学習の結果として起きています。だからこそ、責めて変えようとするより、別のやり方を少しずつ試すほうが向いています。
自分を守るために続いてきた癖だと分かると、直し方の見え方も変わってきます。悪者探しではなく、更新の対象として扱えばいいのだと思います。

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今日から試せる小さな行動
ここからは、実際に何を試せるかに移ります。性格を丸ごと変えるのではなく、一つの場面、一つの行動から始めるのがコツです。小さく試せる大きさに絞っていきます。
性格改造ではなく行動から変える
自己中を直そうとすると、つい性格そのものを変えようと力んでしまいます。けれど、性格は一度に入れ替えられるものではありません。
現実的なのは、特定の場面での行動を一つだけ選んで試すことです。たとえば今日は、会話で一度だけ相手の話を最後まで聞く、と決めるくらいの粒度で十分だったりします。
小さな行動が積み重なると、結果として周りとのやり取りが少しずつ変わっていきます。性格を裁くより、行動を選び直すほうが、疲れずに続けられます。
一拍おく・相手の予定を先に聞く
すぐに試せる具体策として、反応する前に一拍おく方法があります。指摘されてカッとなりそうなとき、返事の前に深呼吸を一つ挟むだけでも、言葉の出方は変わります。
予定を決める場面では、自分の都合を言う前に、相手の予定を先に尋ねてみてください。順番を入れ替えるだけで、相手は尊重されたと感じやすくなります。
伝え方では、私はこう感じた、こうしてほしいと自分を主語にするアイメッセージが役立ちます。相手を責めずに要望を伝えられるので、話がこじれにくくなります。

関係の修復は時間をかけて
直そうと決めた勢いで、相手に謝罪や宣言をしに行きたくなるかもしれません。ただ、修復は一度の言葉ではなく、日々の小さな積み重ねで進んでいくものです。
今日から人が変わったと示そうと焦ると、かえって不自然になりがちです。静かに行動を変え続けるほうが、時間はかかっても伝わります。
信頼は、宣言ではなく日々の振る舞いで少しずつ戻っていきます。急がず、相手のペースも見ながら進めていければ十分です。
直そうとしてつらくなったとき
最後に、直そうとするほど苦しくなってしまうときの話をします。自己中を直したい人ほど、真面目に自分を責めてしまいやすいからです。心の安全を保ちながら見直すための目安を、いくつか置いておきます。
直すほど自分を責めてしまうループ
自分の言動を振り返るうちに、何もかもが自分のせいに思えてくることがあります。気づける人ほど後悔しやすく、その自責がさらに自分を追い詰めてしまうことも少なくありません。
ここで覚えておきたいのは、振り返りと自己否定は別物だということです。行動を見直すことと、自分はダメだと決めつけることは、切り離して構いません。
責める気持ちが止まらなくなったら、いったん見直しそのものを休むのも一つの手です。自分を痛めつけながら直そうとしても、長くは続きません。

一人で抱えないほうがよいサイン
気持ちの落ち込みが強いときは、一人で抱えないほうがよい場合があります。たとえば眠れない、食べられない、自分がいないほうがいいという考えが浮かぶ、といった状態です。
こうしたサインが続くときは、無理に自力で解決しようとしなくて大丈夫です。公的な相談先として、厚生労働省のこころの耳のような窓口も利用できます。
相手からの指摘が人格否定や継続的な非難になっているなら、距離を取ってよい場面もあります。安全を確保することは、わがままではありません。
診断名で自分を決めつけない
自己中について調べると、パーソナリティ障害や発達障害といった言葉に行き当たることがあります。不安になる気持ちは自然ですが、その名前で自分を決めつけないでください。
こうした診断は、本来医療機関で慎重に判断されるものです。ネットの情報だけで自己診断に進むと、必要のない不安まで抱え込みやすくなります。
日常生活に支障が続く、同じパターンを自力で止められない、落ち込みが二週間以上続く。そうしたときは、自己判断ではなく、専門家に相談する目安として受け取ってください。

カウンセリングで自己理解を進める
自分の傾向を一人で見直すのが難しいと感じたら、カウンセリングという選択肢もあります。カウンセリングは、欠点を矯正する場ではなく、自分を理解していく過程です。
対話を重ねる中で、自分でも気づかなかった癖や、その背景にある思いが見えてくることがあります。何を直し、何は直さなくていいのかを、一緒に整理してもらえる場でもあります。
急いで答えを出す必要はありません。自己中の治し方を探してきたその気持ちは、すでに周りとの関係を大事にしたいという表れなのだと思います。