進路の話をすると、不安で泣くのは私が弱いからですか?

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10代女性(学生)

高校3年生です。進路のことを話すと不安で泣いてしまうのは、私が弱いからでしょうか。
周りは就職や大学進学の話が当たり前みたいに進んでいるのに、私はまだ決めきれず、気づけばもう12月で焦りだけが強いです。
三者面談で先生に「このままだと選択肢が狭くなるよ」と言われた瞬間、頭が真っ白になって涙が出てしまいました。

家でも親に「将来どうしたいの?」と聞かれると胸がぎゅっとなって、うまく言葉にできず泣いてしまいます。
泣くたびに「こんなことで泣くなんて弱い」と思ってしまって、余計に苦しくなります。
進路の話になると泣くのを止めたいし、落ち着いてちゃんと話せるようになりたいです。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。進路の話で涙が出るのは、弱さというより不安や緊張が高まったときの自然な反応です。
結論から言うと、涙を「止める」よりも、下記の順番で落ち着いて話せる状態を作れます。

  1. 不安が強まる仕組みを知る
  2. その場で落ち着きを取り戻す手順を用意する
  3. 進路を小さな単位に分けて考えて、場合によっては別の相談先を検討する

高校生の半数以上が進路に不安を抱えている

進路の話で不安が強くなること自体は、めずらしいことではありません。
むしろ、将来に関わる大きなテーマだからこそ、気持ちが揺れるのは自然な反応です。

2023年に全国高等学校PTA連合会とリクルートによって過去に行われた調査によると、高校生の半数以上が「自分の進路に不安を抱えている」と回答しています。

参照: 第11回「⾼校⽣と保護者の進路に関する意識調査」2023年

この結果からも分かるように、進路の悩みや不安は多くの人が抱えているものです。そのため、相談者さんだけが特別に不安定なわけでも、弱いわけでもありません。
むしろ「不安になる」ということ自体が、それだけ真剣に向き合っている証拠でもあります。

進路の話をすると泣いてしまう原因

進路の話をすると、涙が出てしまう原因は1つではありません。いくつかの「起きやすい仕組み」が重なっていることが多いです。

涙は「心」だけでなく「体」の反応として起こる

進路の面談や親との会話は、評価や決断が関わる場面です。
人は強い緊張がかかると、自律神経が切り替わり、心拍や呼吸、筋肉のこわばりが増えます。

このとき、頭では「泣きたくない」と思っていても、体が先に反応します。
涙は、感情の高まりと同時に、体が限界を超えないようにブレーキをかける反応として起こることがあります。

「頭が真っ白」はフリーズ反応に近い

先生に「このままだと選択肢が狭くなる」と言われた瞬間に真っ白になったとのことでしたが、
これは危機を感じたときに起きる反応の1つで、いわゆる闘争・逃走反応に加えて「フリーズ(固まる)」が起きやすくなります。
フリーズが起きると、言葉が出にくくなります。結果として、言葉の代わりに涙が先に出る形になりやすいです。

「弱い」と考えるほど悪循環が強まる

涙のあとに「こんなことで泣くなんて弱い」と責めると、つらさが増えます。
心理学では、最初の感情(不安や悔しさ)に重なる、恥や自己否定のような感情を二次感情と呼びます。

二次感情が強いほど、次の場面で「また泣いたらどうしよう」という予期不安が増えます。
予期不安が緊張を高め、緊張が涙を呼ぶという循環ができやすくなります。
この循環をほどくことが、落ち着いて話す近道です。

大学進学など進路を考えると不安になるときの対処法

大切なのは、気合いで耐えることではありません。
不安が上がる前提で「手順」を用意すると、落ち着きやすくなります。

その場で涙が出そうなときの対処

面談や親との会話では、泣かないことよりも、話を続けられることを目標にします。
次の手順を、短い合図として覚えておくと役立ちます。

  • まず「少し時間をください」と言って10秒止まる
  • 息を吸うより「ゆっくり吐く」を2回くり返す
  • 足の裏の感覚や、手のひらの温度に意識を戻す
  • 予めまとめたメモを見て、次に言う1文だけを口にする

「泣いてしまったら終わり」ではなく、「泣いても戻れる」状態にするのがポイントです。

不安を下げるのは「決断」より「分解」

進路の不安は、情報不足だけでなく「決めなければならない」という圧で強まります。
そこで、進路を3つに分けて扱います。

1. 選択肢を広げる作業

大学のパンフレット、オープンキャンパス、先輩の進路、職業の情報など、材料を集める段階です。

2. 比べるポイントを決める

たとえば、学びたい分野、通学距離、学費、将来の仕事のイメージなど、比較の軸を作ります。

3. 仮決め

最初の段階では仮決めで十分です。
仮決めがあると、先生や親にも「今はこの方向で動いています」と説明しやすくなります。

別の相談先を検討する

涙が出ること自体は問題ではありません。
ただし、生活への影響が大きい場合は支援を増やした方がよいです。

たとえば、進路の話が出るたびに強い動悸や過呼吸が起きる、眠れない日が続く、学校・日常生活に支障が出る場合は、スクールカウンセラーや保健室、外部の相談機関につながる選択肢があります。

また、気持ちの整理や不安のコントロールが難しいと感じるときは、公認心理師によるカウンセリングを利用するのも有効です。

公認心理師は、つらさの原因を一緒に整理していきます。
不安が上がったときの落ち着かせ方(呼吸・体の整え方)や、「また泣いたらどうしよう」という予期不安のほどき方、親や先生に伝える言葉の準備などを、あなたのペースで練習していけます。

進路相談は「1人で抱えるほど不安が強まるテーマ」なので、相談相手を増やすことは合理的な対策です。

泣いても大丈夫。今日できる一歩を決めよう

泣いてしまうのは、それだけ真剣に自分の進路に向き合っている証拠。
あなたが「弱い」からではありません。

もし、進路の話が出るたびに動悸・過呼吸・不眠が続くなど、生活に支障が出ている場合は、スクールカウンセラーや保健室、外部相談など 支援を増やすことも選択肢に入れてください。まずは、今日できることから始めてみましょう。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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