【大学院留学】ホームステイのストレスで辛い。留学を続けるべき?

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20代男性(学生)

オーストラリアの大学院に留学して半年ほど経ちます。研究分野には興味がありますが、正直、留学生活が想像以上につらいです。
特にホームステイが大きなストレスになっています。ホストファミリーは悪い人たちではないものの、生活リズムや価値観の違いがあり家にいても心が休まりません。

また大学院の課題や研究は忙しく、英語での議論にも必死です。
帰宅してもひとりになれる時間が少なく、最近は朝起きると気が重く、些細なことで落ち込んだりイライラしたりします。

このまま留学生活を続けるべきなのか、環境を変えるなど別の選択を考えてもいいのか、分からなくなっています。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。
まずお伝えしたいのは、今感じているつらさは珍しいものではなく、心が弱いから起きているわけでもないということです。特にホームステイと大学院留学が重なると、心の負荷は想像以上に大きくなりがちです。

ここからは、なぜここまでしんどく感じるのかを整理しながら、今後を考える視点をお伝えします。

ホームステイはつらいのか?ストレスになる理由

ホームステイは魅力的な留学スタイルとして紹介されることが多い一方で、実際には心に負担がかかりやすい側面もあります。「自分が弱いから辛いのでは」と感じてしまう前に、ホームステイ特有のストレス要因を一緒に整理してみましょう。

家に帰っても休まらない感覚が続く

本来、家は気を抜ける場所です。ですがホームステイでは、帰宅後も常に人の目や空気を意識する状態が続きます。

  • 今話しかけた方がいいのか
  • 部屋にこもるのは失礼ではないか
  • 生活音や使い方で迷惑をかけていないか

こうした小さな判断が積み重なることで、脳は休む時間を失っていきます。
身体は家にいても、心はずっと外に出ているような状態になりやすいのです。

ホストファミリーが悪くなくても苦しくなることはある

人間関係のつらさは、相手が良い人かどうかだけで決まるものではありません。むしろ、ホストファミリーが親切で常識的であればあるほど、自分の気持ちを後回しにしてしまうことも多いのです。

本当は少し距離を取りたいと思っていても、せっかく良くしてもらっているのに断れない、本音を言ったら嫌われるのではないかと不安になる。そんな気持ちが重なると、常に我慢をし続ける状態になります。

ありがたいはずの環境が、いつの間にか逃げ場のない場所のように感じられてしまうのです。

ひとりの時間が持てないことが心に影響

ひとりで過ごす時間は、単に何もしない時間ではありません。人はひとりになることで、その日に感じた感情を整理し、緊張をほどき、心を回復させています。

ところが、常に誰かと一緒にいる生活が続くと、この回復の時間が奪われてしまいます。その結果、感情の揺れが大きくなったり、些細なことでイライラしやすくなったり、朝起きた瞬間から強い疲労感を感じるようになることがあります。

これは性格の問題でも、甘えでもありません。ひとりの時間が確保できない状態が続くと、誰でも心のバランスを崩しやすくなります。

留学は精神的にストレスになりやすい?

「留学がつらいと感じるのは、自分だけなのではないか」と精神的に不安になる人も珍しくありません。

日本学生支援機構の調査によると、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に留学者数が大きく減少しましたが、その後は回復傾向に転じ、2023年には8万人を超える日本人学生が再び海外へ留学しています。

一方で、留学する人が増えるほど、現地での生活や心身の不調に悩む学生も一定数いることが分かっています。
実際に、留学生から寄せられる相談内容を見てみると、生活や健康に関する困りごとが少なくありません。2017年度と2016年度のデータを比較すると、留学生からの問い合わせ件数は年間で約2,300〜2,400件にのぼり、その中には医療相談やメンタル面の相談も含まれています。

項目2017年度2016年度
留学生からの入電件数約2,400件約2,300件
医療相談(ケガ・病気)約750件約700件
メンタル相談約40件約20件

この数字は、「相談として表に出てきたもの」だけです。実際には、誰にも相談できずに我慢している人や、「これくらいで弱音を吐いてはいけない」と抱え込んでいる人も多いと考えられます。

つまり、留学が再び広がりを見せている今だからこそ、留学中の精神的ストレスは特別な問題ではなく、誰にでも起こりうるものとして捉える視点が大切です。

特に大学院留学はメンタル的につらくなる?

相談者さんのように大学院留学の場合は、他の留学以上に心の負担が大きくなりやすい傾向があります。
それは単に勉強量が増えるから、という理由だけではありません。大学院ならではの環境が、知らず知らずのうちに心を追い込んでいくことがあります。

研究成果へのプレッシャーと自己評価の低下

大学院では、頑張っている過程よりも、結果やアウトプットが重視されやすくなります。
研究が思うように進まないと、それがそのまま自分の評価や能力の問題に感じられてしまうことがあります。

  • 周りは前に進んでいるように見えるのに、自分だけ止まっている気がする
  • 指導教員やゼミの議論についていけていないと感じる

こうした状態が続くと、「できていない自分」にばかり目が向き、少しずつ自信を失っていきやすくなります。

英語での議論が続くことによる認知的疲労

大学院留学では、専門的な内容を英語で理解し、考え、発言することが日常になります。最初のうちは緊張感もあり、何とか食らいついていけている感覚があるかもしれません。ただ、この状態が毎日続くと、本人が思っている以上に脳は疲労をため込んでいきます。

留学という変化は、英語力や気合の問題ではなく、第二言語で高度な思考を続けてきたことによる自然な反応であります。

慣れてきたから大丈夫、と自分に言い聞かせているうちに、この疲れに気づきにくくなってしまう点も、大学院留学のしんどさの一つです。

頼れる人が少ない環境での孤独感

海外の大学院では、日本人留学生が少なかったり、年齢やバックグラウンドの違いから、気軽に本音を話せる相手を見つけにくいことがあります。研究や生活の悩みがあっても、どこまで話していいのか分からず、結局ひとりで抱え込んでしまう人も多いです。

この孤独感は、研究の難しさや英語環境そのものよりも、じわじわと心を消耗させる要因になることがあります。

留学を続けるか迷ったときに大切にしてほしい視点

留学生活がつらくなると、「続けるべきか」「やめるべきか」という二択で考えてしまいがちです。ですが、実際にはもっと柔軟な考え方があっても構いません。

留学の目的と今の自分の心の状態を切り分けて考える

留学の目的や研究への興味と、今の心の状態は、必ずしも同じものではありません。
研究が好きで続けたい気持ちがあっても、心が限界に近い状態であれば、一度立ち止まって考えることも必要です。

『今は目的を果たすための土台が弱っている時期なのかもしれない』
そう捉えるだけでも、自分を責める気持ちは少し和らぎます。

続ける・変える・立ち止まるはすべて正解になりうる

留学がつらくなったとき、多くの人は「続けるか、やめるか」の二択で考えてしまいます。ですが実際には、留学生たちはさまざまな形で自分を守る選択をしています。

選択の方向性実際に選ばれている行動その選択が助けになった理由
環境を変えるホームステイをやめ、シェアハウスや学生寮に移った家に帰ってから気を張らずに過ごせる時間が増え、心が安定した
ペースを落とす履修数を減らし、研究や生活の負荷を下げた常に全力で走らずに済み、心身の回復を優先できた
一度立ち止まる一時帰国して気持ちを整理してから留学を再開した距離を置いたことで、自分が何に一番苦しんでいたのかが見えた
別の道を選ぶ帰国し、留学以外の形で専門性を深める進路を選んだ「やめた」のではなく、自分に合った学び方へ軌道修正できた

ここで大切なのは、限界を超えるまで我慢し続けることではなく、「今の自分にはどんな選択肢があるのか」を持っておくことです。

ひとりで抱え込まず、心のサポートを受けるという選択

今のように、先が見えず苦しい状態では、ひとりで答えを出そうとすると視野が狭くなりがちです。第三者と一緒に気持ちや状況を整理することで、思いがけない選択肢が見えてくることもあります。

ココラボでは、留学中のストレスや進路の迷いについて、オンラインで相談できる環境を整えています。
続けるかどうかを決める前に、今感じているつらさを言葉にするところからでも大丈夫です。

留学生活が苦しくなったとき、ひとりで耐え続ける必要はありません。
必要なときには、心のサポートを受けるという選択も、ぜひ覚えておいてください。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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