過去の恥ずかしいことを思い出すと声が出るのはなぜ?

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30代男性(会社員)

昔の恥ずかしい出来事を、急にフラッシュバックみたいに思い出してしまいます。たとえば会議で「何かありますか?」と振られて、焦って的外れなことを言ってしまい、空気が一瞬止まった瞬間とか…。
思い出した瞬間に「うっ…」と声が漏れたり、ひどいと「やめて」と小声で言ってしまい、自分でも驚きます。

電車の中や仕事の合間に起きると最悪で、周りに変に思われていないか不安になります。こういう反応って普通なのでしょうか。また、対処法があれば知りたいです。

ココラボからの回答

ご相談ありがとうございます。
電車の中や仕事の合間に、急に昔の恥ずかしい場面がよみがえるのはつらいですよね。結論から言うと、突然浮かぶ記憶は「不随意記憶(ふずいいきおく)」として起こりえます。

対処のポイントは以下の通りです。

  • 仕組みを理解して怖がりすぎないこと
  • 注意を現実に引き戻すこと
  • 反すう(同じ考えが回り続ける状態)を減らすこと

過去の恥ずかしいことを思い出す4つの理由

過去の恥ずかしいことを思い出すのは、脳が失敗の情報を優先して扱う性質と関係します。
これは誰にでも起こり得る自然なことで、必ずしも異常とは言えません。

ここでは、過去の恥ずかしい出来事を思い出してしまう理由を4つ解説します。

1. ネガティブな記憶が残りやすい脳の性質
2. 小さな刺激が引き金になる
3. 反すうがつらさを増やす
4. 思考抑制の反動で浮かびやすくなる

1. ネガティブな記憶が残りやすい脳の性質

原始時代などは一つの失敗で命取りになる場面が多かったため、失敗を避けることは生存に有利に働きました。
同じ失敗をしないためにネガティブな出来事は記憶に残りやすく進化し、その性質は現代の私たちにも受け継がれているのです。

相談者さんの「会議で的外れな発言をして場の空気を悪くしてしまった経験」は、実際に危険につながる出来事ではありません。
それでも当時の不快感が強かったために、脳が「重要な出来事」として刻み込み、何度も思い出してしまう状態になっていると考えられます。

2. 小さな刺激が引き金になる

恥ずかしい記憶がよみがえるきっかけは、大きな出来事だけとは限りません。
電車のアナウンス、会議室のにおい、似た声色など、当時と近い刺激があると記憶がつながりやすくなります。

本人の意思と無関係に出てくるため、おかしいと感じるかもしれませんが、現象としては「連想が起きている」と説明できます。

3. 反すうがつらさを増やす

つらさを強めやすいのは「反芻(はんすう)」という現象です。
反すうは、出来事を頭の中で何度も再生して評価し直す考え方のクセを指します。

たとえば、送信したメールの言い回しをあとから何度も見返して、「失礼だったかも」「評価が下がったかも」と頭の中で繰り返し検証してしまい、不安が膨らむケースがあります。

反すうが続くほどネガティブな感情は長引き、日常に悪影響を及ぼす場合もあります。

関連記事:【私だけ?】ネガティブ思考が止まらない…原因や抜け出す方法は?

4. 思考抑制の反動で浮かびやすくなる

「思考抑制(しこうよくせい)」は、特定の考えを無理に追い出そうとする状態のことです。
短期的には押さえ込めても、後で反動的に浮かびやすくなることが知られています。

「思い出したら終わり」「絶対に考えない」と考えれば考えるほど、脳が警戒モードになります。
その結果、わずかなきっかけでも記憶が浮かびやすくなるのです。

恥ずかしいことを思い出して声が出る…今すぐできる対処法は?

恥ずかしい過去を思い出して声が出るのは、恥ずかしさや不安が強まったときの反応として起こります。
記憶を消すのではなく、注意を現在に引き戻して、長期的には反すうを減らすのがポイントです。

感情を否定せず、そのまま受け入れる

失敗は誰にでも起こることです。
思い出した瞬間は、まず「恥ずかしい」「嫌だ」と感じている自分を否定せず、そのまま認めてあげてください。

そのうえで、「自分だけではなく、みんなそういうもの」と捉え直せると、気持ちは少し軽くなります。

さらに、他人は自分が思うほど細かい失敗を覚えていないことも多いです。
そう気づけると、恥ずかしい記憶は和らぎやすくなると思います。

止めるより現実に戻る意識を持つ

過去の恥ずかしい記憶を思い出したときは、その記憶を追い出すより、注意を現実へ引き戻す方が取り組みやすいです。

人前でも目立ちにくい方法から選ぶと継続しやすいでしょう。
具体的な方法は以下の通りです。

対処法内容
ラベリング心の中で「また勝手に思い出した」と短く言い、過去の出来事に引っ張られるのではなく、脳の「反応」として扱います。
呼気を長くする吸うより吐く時間を長くします。喉の緊張がゆるみ、声が出にくくなります。
触覚に寄せる足裏の接地、手の温度、つり革の感触など、触覚を1つ選んで10秒間だけ意識的に感じます。
視覚的な課題を与える同じ色のものを3つ探す、広告の文字数を数えるなど、目の前の情報に注意を移します。

「声を出さないように押さえつける」ことは、かえって逆効果になる場合があります。
外から見えにくい範囲で、息を整えたり、現実に感覚を引き戻す方法を試してみてくださいね。

反すうを減らす習慣を作る

反すうを減らすコツは、思い出した直後に「脳内反省会」を始めないことです。
そこで、過去の出来事は次の3つに分けて整理するようにします。

  • 出来事の事実
  • 自分の解釈
  • 次に取れる行動

事実だけを見ると、意外と「大したことない」と捉えられて、必要以上に自分を責める必要がなくなり、気持ちが落ち着きやすいです。
たとえば、「噛んだ」という事実と、「噛んだ自分は価値がない」という解釈は別物です。

また、失敗を「次に活かす経験」と考えられれば、過去の失敗に対する見方も変わってくると思います。

恥ずかしい記憶が生活に影響するなら専門家へ

不随意記憶や声が漏れる反応は、睡眠不足やストレスが重なるほど起こりやすくなります。
生活への影響が大きい場合は、1人で抱えず専門家と整理すると、回復が早まることもあります。

ココラボでは、公認心理師がオンラインで相談を受けています。
スマホやパソコンから自宅で話せて、単発でも継続でも状況に合わせて進められます。

困りごとが続くほど自己評価も下がりやすいので、早めに相談することで生活を立て直しやすくなるかもしれません。

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この記事の監修者

石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。
1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。
また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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