HSPで学校生活がしんどくて疲れる…これはあるあるですか?
※記事内に広告が含まれる場合があります。
10代女性(学生)
授業中は周りの音や空気が気になって集中できなくて、放課後になると体がどっと疲れています。友だちといるときも、相手の表情や言い方が気になって、無意識に気を使っている感じがあります。
体育祭や合唱祭、修学旅行などの学校行事が近づくと、さらに気持ちが重くなります。みんなが盛り上がっている中で、自分だけ疲れているギャップに困っています。
ネットで調べていたらHSPという言葉を見つけて、少し当てはまる気もしました。この「学校がしんどい」という感覚を、どうやって受け止めたらいいのでしょうか。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
学校がしんどいと感じていても、その理由をうまく言葉にできず、自分だけが弱いのではないかと悩んでしまうことがありますよね。
ここからは、HSPという考え方を手がかりにしながら、学校生活で起きやすい疲れやすさや、行事がしんどく感じやすい背景を一緒に整理してみましょう。
HSP(繊細さん)とは?
HSP(Highly Sensitive Person)という言葉は、まわりよりも刺激を受け取りやすい人を説明するときに使われることがあります。ただ、正式な病気や障害を表す言葉ではありません。
また子どもの場合は「Highly Sensitive Child」の略で、HSCと呼ばれることもあります。
「DOSE」という特徴

HSPの特徴は、以下の頭文字を取って「DOSE」と表現されることがあります。これは性格のラベルというより、感じ方の傾向を整理するための視点です。
D(Depth of processing:深く考えやすい)
出来事の表面だけでなく、「どうしてこうなったんだろう」と自然に深く考えてしまうところがあります。慎重である反面、考え続けて疲れやすくなることもあります。
O(Overstimulated:刺激を受けやすい)
音や光、人の多さなどの刺激を強く受け取りやすい傾向があります。教室のざわつきや行事のにぎやかさで、消耗しやすくなります。
S(Sensitive to subtle stimuli:小さな変化に気づきやすい)
相手の表情がほんの少し曇っただけで、「何かあったのかな」と気になってしまうことがあります。その場の空気が少し変わると、自分のことではなくても落ち着かなくなる、そんな感覚が出やすいところがあります。
E(Emotional responsiveness:感情が大きく動きやすい)
うれしいことも悲しいことも、まわりの人より少し強く心に響いてしまうことがあります。感情が豊かな分、心の揺れ幅も大きくなりやすい特徴があります。
学生の中でも一定数いる

HSPのような繊細な感じ方は、特別なものではなく、一定の割合で存在すると考えられています。提唱者であるAron氏の研究では、人口全体のおよそ15〜20%ほどが、刺激に敏感で深く受け取りやすい傾向を持つとされています。
日本でも、中学生を対象にした研究で、同じように高い感受性を示す生徒が約15%ほどいるという報告があります。
こうした研究からも、学校で疲れやすい人は一定数おり、自分だけが特別におかしい、というわけではなさそうだと考えることもできます。
【なぜ?】HSPは学生生活が苦手なのか?

繊細な感じ方をする人にとって、刺激の多い学校という環境は、少し負担が大きくなりやすい場所かもしれません。学校がしんどくなる理由を少し距離を取って整理してみましょう。
学校は刺激が多く、常に気を張りやすい環境
学校には、同時にたくさんの刺激があります。
- 授業中の話し声や物音
- チャイム
- 廊下のざわつき
- 席の近い人の動き
たくさんの刺激を受け取っていると、頭の中も休むひまがなくなりやすいのかもしれません。
その結果、授業が終わるころには、気づかないうちに疲れがたまっていることがあります。
周囲に合わせ続けることで疲れが蓄積しやすい
学校生活では、周囲に合わせる場面が多くあります。
- クラスの雰囲気を読む
- 友だちの気分に気づく
- 場を乱さないように振る舞う
こうしたことを自然にしているのは、人との関係を大事にしようとしているからかもしれません。ただ、無意識のうちにそれを続けていると、休める時間がほとんどなくなってしまいます。
そうした積み重ねが、放課後のどっとした疲れにつながっているのかもしれません。
学校がしんどいと感じるHSPあるある

ここでは、HSPの人に起こりやすい学校あるあるを挙げてみます。ひとつでも「わかる」と思えたら、それはあなただけの問題ではないのかもしれません。
- 朝の教室に入った瞬間、空気の重さでなんとなく疲れる
- 先生の声のトーンや機嫌の変化が気になって、授業に集中しきれない
- グループワークや班決めが近づくと、それだけで気持ちがざわつく
- 休み時間も周りの会話が気になって、ひとりになっても頭が休まらない
- 誰かが怒られていると、自分のことのように胸がざわっとする
- 行事の「練習期間」が一番つらく、本番前にすでに疲れている
- 修学旅行や校外学習は楽しみよりも不安が先に立つ
- 家に帰ると一気に無言になり、家族に心配されることがある
- 「学校に行きたくない」と思う日があっても、理由をうまく説明できない
- 人と一日過ごしただけで、体より先に心がぐったりしてしまう
特に学校行事が苦手と感じやすい理由

学校生活の中でも、行事が近づくといつも以上にしんどく感じる、という声は少なくありません。なぜ学校行事がこんなにも重く感じられるのか、その理由を少し見ていきましょう。
集団行動や予定変更が一気に増える
学校行事では、普段よりも集団で動く時間が長くなります。細かい指示に合わせて行動したり、周囲のペースに遅れないよう気を配ったりする場面が増えます。
普段はなんとか保てていた余裕が、行事の時期になると急になくなったように感じることもあります。
(関連記事:集団行動が苦手なわが子は、発達障害なのでしょうか?)
注目される場面が続き、緊張が切れない
発表や出番、役割分担など、行事では人の視線を意識する場面が増えます。
失敗しないように、迷惑をかけないように、と気を張る時間が長くなるほど、緊張が抜けにくくなります。
周りからは「ちゃんと頑張っているね」と見えていても、内側ではずっとアクセルを踏みっぱなしのような感覚になることがあります。
楽しめない自分を責めてしまいやすい
行事は楽しいもの、盛り上がるもの、という前提がある分、楽しめない自分に対して違和感や罪悪感を抱きやすくなります。
楽しさを感じるには心に余裕が必要です。ただ緊張や刺激でいっぱいの状態では、楽しめなくなるのは自然な反応でもあります。
HSP学生が学校と向き合うための対処法3選

しんどさを全部なくすのは難しくても、少しだけ楽にすることならできるかもしれません。ここでは、そのための考え方をいくつか紹介します。
1.しんどさの理由を自分の中で言葉にする
学校がつらいと感じるとき、その理由がはっきりしないままだと、どうして自分だけこんなに疲れるのかと考え続けてしまいがちです。すると、性格のせい、努力不足のせい、と自分を責める方向に気持ちが向きやすくなります。
そうではなく、今日は音が多かった、行事が近くて緊張が続いている、休み時間も気が抜けなかった、といった形で、しんどさを具体的な言葉にしてみると、気持ちが少し整理されることがあります。理由が見えるだけで、必要以上に自分を責めずに済む場合もあります。
2.刺激や疲れを前提に、予定や関わり方を調整する

疲れてから限界を感じるよりも、「自分は疲れやすいかもしれない」と先に考えておくほうが楽なこともあります。
たとえば、放課後の予定を詰めすぎない、行事の前後は家で静かに過ごす時間を意識的に取る、関わる人の数を必要以上に増やさないなど、小さな調整でも負担が変わることがあります。無理のない関わり方を選ぶことも、自分を守る行動の一つです。
3.体や心に出るサインに気づくことも大切
頭がぼんやりする、朝起きるのがつらい、学校のことを考えると体が重くなる。こうしたサインが続くとき、まだ頑張れるかどうかよりも、少し立ち止まる必要があるかもしれません。
限界の手前で気づくのは簡単ではありませんが、しんどさを感じていること自体が、大切なサインでもあります。無理を続けるかどうかを一つの選択肢にせず、休む、誰かに話す、環境を見直すといった別の道もあることを、心の中に残しておくことが大切です。
HSPで学校がしんどいときの相談先という選択肢

学校がしんどいと感じるとき、学校の外に気持ちを置ける場所があるだけで、心の負担が少し軽くなることもあります。
中高生が相談できる窓口
学校生活の中でモヤモヤした気持ちがある学生さんは、相談窓口を使うこともできます。
| サービス名 | 運営 | URL |
|---|---|---|
| あなたはひとりじゃない | 内閣府 孤独・孤立対策推進室 | https://www.notalone-cao.go.jp/under18/ |
| まもろうよこころ | 厚生労働省 | https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/ |
| ギュッとチャット | 東京都 子供政策連携室 | https://gyutto-chat.metro.tokyo.lg.jp/ |
| 子ども110番 | ダイヤル・サービス株式会社 | https://www.dsn.co.jp/kodomo110/index.html |
ほかにも、お住まいの地域によっては子ども向けの相談窓口や教育相談が用意されていることがあります。
ココラボのオンラインカウンセリングという選択肢

HSPかどうかを決めることよりも、今の学校生活の中で何が負担になっていて、どうすれば少し呼吸がしやすくなるかを一緒に整理することが大切な場合があります。
オンラインカウンセリングは、学校や家とは別の場所で、評価される心配を減らしながら話せる手段の一つです。
すぐに答えを出す場所というより、「今どんな状態なのか」を一緒に整理する時間だと思ってもらえたらと思います。