サザエさん症候群の乗り越え方はありますか?日曜の夜になると憂鬱で眠れません

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

日曜の夜がつらいと検索して、たどり着いた方も多いかもしれません。

月曜が近づくと気が重くなるのは、本当に多くの人が抱えているものです。

私のところへ来られる方も、眠れなさや動悸の奥に、日曜夜の不安が隠れていることがよくあります。

まずはその重さを、甘えと決めつけないところから始めてみませんか。

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30代女性(会社員)

平日は目の前の仕事をこなすので精一杯です。

日曜の夕方になると、決まって胃のあたりが重くなってきます。

布団に入っても月曜の会議のことが頭から離れず、気づくと時計は二時を過ぎています。

たかが月曜でこんなに落ち込む自分は、少し弱すぎるのでしょうか。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。

日曜の夜がやってくるたびに気持ちが沈み、眠りも浅くなる。

毎週それが続くと、自分の心のことが心配になりますよね。

この記事では、サザエさん症候群と呼ばれる日曜夜の憂鬱について、なぜ起きるのかという仕組みと、様子見でよい状態と相談したい状態の見分け方を整理します。

そのうえで、日曜の夜と月曜の朝を少し軽くする過ごし方も一緒に見ていきます。

日曜の夜になると憂鬱で眠れないのはあなただけではありません

日曜の夕方、時計の針が進むたびに気持ちが重くなる。

その感覚は、決して珍しいものではありません。

まずは今の状態に名前と輪郭を与えて、少し離れて眺めてみましょう。

日曜の夜が重く、眠れずに自分を責めるときも、その反応を甘えと決めつけなくて大丈夫です。
日曜の夜が重く、眠れずに自分を責めるときも、その反応を甘えと決めつけなくて大丈夫です。

サザエさん症候群やブルーマンデーと呼ばれる状態

日曜の夕方から夜にかけて、翌日の仕事を思って気分が沈む。

この状態は、俗にサザエさん症候群と呼ばれます。

ブルーマンデー症候群や月曜病、英語圏のサンデーブルーもほぼ同じ意味です。

名前がついていると特別な病気のように感じるかもしれません。

ですが、サザエさん症候群は正式な診断名ではありません

海外の調査では、働く人のおよそ8割が似た憂鬱を経験するとも報告されています。

つまり、日曜の夜が重くなること自体は、あなただけに起きている異常ではありません。

ただ、正式な病名でないからといって、つらさを軽く見なくてよいわけでもないのです。

憂鬱や不眠など日曜夜に出やすいサイン

この状態では、気持ちの落ち込みや不安、イライラといった心のサインが出やすくなります。

あわせて、寝つけない、夜中に目が覚める、頭痛や胃の重さ、吐き気、動悸など、体に表れることも珍しくありません。

日曜の夜に布団へ入っても、明日の会議や苦手な相手の顔が浮かんで目が冴えてしまう。

そんな夜が続くと、月曜の朝はいっそう起きづらくなります。

心のサインと体のサインは、地続きでつながっています

眠れない夜は、心の不安と体の緊張がつながっていることがあります。
眠れない夜は、心の不安と体の緊張がつながっていることがあります。

毎週つらくなるのは甘えではありません

毎週のように憂鬱がやってくると、自分は気持ちが弱いのではと責めたくなるかもしれません。

けれど、この憂鬱には脳の仕組みが関わっています。

人の脳には、これから起きる嫌なことを先回りして想像し、まだ何も起きていないうちから身構える働きがあります。

心理学ではこれを予期不安と呼びます。

日曜の夜に気が重くなるのは、意志が弱いからではなく、脳がそういう作りをしているからなのです。

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なぜ日曜の夜だけ気持ちが沈むのか

同じ働く環境でも、憂鬱の深さは人によって違います。

ここでは、日曜の夜に気分が沈む仕組みを、いくつかの角度から整理していきます。

仕事や人間関係のストレスと休日との落差

もっとも多い要因は、仕事そのものや職場の人間関係へのストレスです。

月曜からの業務量、締切、苦手な上司とのやり取りを思い浮かべるだけで、体が緊張してしまうことがあります。

もう一つ見落とせないのが、休日と平日の落差です。

休みが楽しく解放的であるほど、現実に戻る感覚は強くなります。

休日が充実している人ほど、その反動で日曜の夜がつらくなるという面もあり、ここは自分を責める場面ではありません。

仕事のストレスと休日との落差が重なると、日曜の夜に気持ちが沈みやすくなります。
仕事のストレスと休日との落差が重なると、日曜の夜に気持ちが沈みやすくなります。

寝だめと社会的時差ボケが生活リズムを乱す

心だけでなく、体内時計も関わっています。

週末に平日より2〜3時間遅くまで寝ていると、体内時計が後ろにずれ、日曜の夜に寝つけなくなります。

これは社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)と呼ばれる現象です。

厚生労働省 e-ヘルスネットでも、体内時計の乱れが睡眠や気分に影響することが解説されています。

月曜の朝の重さの一部は、心ではなく体のリズムから来ていることもあるのです。

真面目で頑張り屋な人ほど抱えやすい

責任感が強く、月曜からきちんとやらなければと考える人ほど、この憂鬱を抱えやすい傾向があります。

休むことに罪悪感を覚え、休日でも頭のどこかで仕事を続けてしまうのです。

ある調査では、月曜日を憂鬱に感じる働く女性は約86%、働く男性は約77%にのぼり、特に20代で高い傾向が見られました。

責任感が強い人ほど休日も仕事を考え続け、休むことに罪悪感を抱きやすいものです。
責任感が強い人ほど休日も仕事を考え続け、休むことに罪悪感を抱きやすいものです。

数字の上でも、日曜夜の憂鬱はごくありふれた反応だと分かります。

真面目に仕事へ向き合っているからこそ、日曜の夜が重くなるという側面は確かにあります。

様子見でよい憂鬱と相談すべき状態の見分け方

日曜の夜の憂鬱は、多くが一時的なものです。

ただ、その奥に手当てが必要な状態が隠れていることもあります。

ここでは、自分の状態を見立てる目安を整理します。

うつ病や適応障害との違いは続く期間

見分ける手がかりの一つは、つらさが続く期間です。

サザエさん症候群は日曜の夕方から月曜の朝に限られ、仕事が始まると徐々に落ち着くのが一般的です。

一方、気分の落ち込みが2週間以上続き、休日も楽しめない場合は、うつ病や適応障害が関わっている可能性があります。

特定の職場に近づくほどつらくなるなら適応障害に近く、土日も気分が晴れないならうつ状態に近いと考えられます。

月曜に落ち着くか、2週間以上続くか、生活への支障があるかを分けて見ると相談の目安を整理できます。
月曜に落ち着くか、2週間以上続くか、生活への支障があるかを分けて見ると相談の目安を整理できます。

何科に行くべきか毎週の憂鬱は病気なのか

毎週の憂鬱は病気なのか、何科に行けばいいのか、と迷う方は多いはずです。

目安として、日曜の夜に眠れない、吐き気や動悸を伴う、月曜に遅刻や欠勤が増えてきた、そのいずれかが2週間以上続くなら、心療内科や精神科への相談を考えてよい段階です。

次のような状態は、様子見より一歩進んで確認したいサインです。

  • 日曜の夜、憂鬱を通り越して動悸や吐き気など体の症状が出る
  • 日曜の夜はほとんど眠れず、眠っても何度も目が覚める
  • 月曜の朝に体が動かず、遅刻や欠勤が出はじめた
  • 以前は月曜に切り替えられたのに、火曜も水曜もつらい
不眠や体の症状、欠勤が続くときは、今の状態を整理するために相談してよい段階です。
不眠や体の症状、欠勤が続くときは、今の状態を整理するために相談してよい段階です。

消えたい気持ちがあるときの相談先

もし、消えたい、いなくなりたいという気持ちがよぎるなら、それは期間に関係なく、今すぐ誰かとつながってほしいサインです。

一人で抱える段階ではありません。

気持ちが追い詰められているときは、まわりに助けを求めていいのです。

よりそいホットラインやいのちの電話などの相談窓口、身近な家族や医療機関に、今の状態をそのまま伝えてみてください。

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日曜の夜と月曜の朝を軽くする過ごし方

ここからは、日曜の夜と月曜の朝を少しでも軽くする工夫です。

全部やろうとせず、できそうなものを一つ選ぶくらいの気持ちで読んでみてください。

日曜夜は不安を書き出し仕事の通知から離れる

頭の中だけで月曜を考えていると、不安はぐるぐると回り、実際より大きく膨らみます。

そこで、何が気がかりなのかを紙に書き出してみましょう。

書き出したら、今できること、明日考えればいいこと、考えても変わらないことに分けます。

そのうえで、寝る前は仕事のメールやチャットを開かないことも大切です。

先に見ておくと安心なようで、多くの場合は月曜が前倒しで始まるだけになってしまいます。

不安を書き出して通知を閉じ、明日考えることに分けると、月曜を前倒しせずに休みやすくなります。
不安を書き出して通知を閉じ、明日考えることに分けると、月曜を前倒しせずに休みやすくなります。

月曜は軽いタスクと小さな楽しみから始める

月曜の朝からいきなり重い仕事に向かうと、休日との落差でつらさが増します。

月曜はメール確認や書類整理など、軽いタスクから助走をつけるように始めてみましょう。

あわせて、月曜の朝にだけ飲むお気に入りの一杯や、通勤中に聴く音楽など、小さな楽しみを仕込んでおくのも役立ちます。

休日の起床時刻を平日プラス2時間以内にとどめると、日曜夜の寝つきと月曜朝の重さはかなり変わってきます。

受診するほどではないと感じるときの選択肢

病院に行くほどではない気がするけれど、毎週つらい。

そんな中間の状態にいる方も少なくありません。

最後に、その場合の選択肢に触れておきます。

一人で抱えずカウンセリングを頼っていい

受診の目安には届かない気がしても、毎週の憂鬱を一人で抱え続ける必要はありません。

カウンセリングは、不調を治す場所であると同時に、状態を整理する場所でもあります。

日曜の何が重いのか、それが環境の問題なのか、心身の限界のサインなのか。

誰かと言葉にしていくだけで、見え方が変わることもあります。

状態を誰かと言葉にすると、一人で抱えず、今の自分に必要な手当てを選びやすくなります。
状態を誰かと言葉にすると、一人で抱えず、今の自分に必要な手当てを選びやすくなります。

乗り越えるとは、無理に月曜を頑張れる自分になることではなく、自分の状態を正しく見立てて、必要な手当てを選んでいくことなのだと思います。

今日の日曜がまた重くても、それはあなたが弱いからではありません。

できそうな工夫を一つ試しながら、つらさが続くときには、頼れる相手を思い出してみてください。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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