ひねくれ者だけど本当は優しい人が職場にいる…周りに冷たい人だと誤解されてるのはなぜ?

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

素っ気ない人ほど、実は周りをよく見ていたりします。

冷たいのではなく、優しさの出し方に慣れていないだけのことも多いんですね。

その人を変えようとする前に、行動の端々に出る小さな気遣いに目を向けてみてください。

見え方が少し変わるはずです。

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30代女性(会社員)

同じ部署の先輩は、口ではきついことばかり言うのに、気づくと私の仕事をそっとフォローしてくれています。

本当は優しい人だと思うのに、周りからは冷たい人だと誤解されていて、なんだか放っておけません。

どう受け止めればいいのか、少し戸惑っています。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。

素っ気ない態度の裏に優しさを感じ取っているのに、それが誰にも伝わっていない。

そんな相手を前にすると、どう受け止めればいいのか迷いますよね。

この記事では、ひねくれ者で本当は優しい人がなぜ冷たいと誤解されるのか、その心理と背景を整理します。

そのうえで、周囲としてできる関わり方も一緒に考えていきます。

「ひねくれ者だけど優しい」と感じるのは気のせいじゃない

口ではそっけないのに、困ったときにはさりげなく助けてくれる。

そんな相手を見ていると、この人は本当は優しいのでは、と感じることがあります。

その直感は、それほど的外れではありません。

素っ気ない言動に隠れた優しさのサイン

ひねくれ者で優しい人の思いやりは、わかりやすい言葉よりも行動に表れやすい傾向があります。

たとえば、忙しそうな相手に手伝おうかとは言わず、自分の仕事を早めに片づけて陰で支える、といった形です。

ひねくれ者の優しさは、言葉よりも陰の支えやさりげない気づかいとして表れることがあります。
ひねくれ者の優しさは、言葉よりも陰の支えやさりげない気づかいとして表れることがあります。

落ち込んでいる相手に大丈夫かとは聞けず、そんな顔してると損だよ、と冗談めかして声をかけることもあります。

一見すると茶化しているようでも、その人なりに気にかけているサインだったりします。

言葉だけを追うと冷たく見えても、その人が何をしているかに目を向けると、印象が変わってくることがあります。

感謝を伝えたときに素っ気なく返されても、内心ではきちんと受け取っている場合も少なくありません。

天邪鬼・へそ曲がりとの違い

ひねくれ者は、天邪鬼やへそ曲がりと似た言葉で語られがちです。

ただ、そのニュアンスには少し違いがあります。

天邪鬼はあえて逆のことを言う行動の傾向を指すのに対し、ひねくれ者は過去の経験からくる内面のあり方を指すことが多い言葉です。

へそ曲がりやつむじ曲がりも似た響きですが、そちらは頑固さや意地の強さに重心があります。

背景に繊細さや傷つきやすさがあるという点が、単なる逆張りとは異なります。

そっけない言葉の奥に、行動で示す優しさや傷つきやすさが隠れている場合があります。
そっけない言葉の奥に、行動で示す優しさや傷つきやすさが隠れている場合があります。

同じそっけなさでも、その奥にあるものは人によってずいぶん違うということです。

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ひねくれ者で本当は優しい人の特徴

ここでは、ひねくれ者で優しい人によく見られる特徴を整理します。

自分や身近な人が当てはまるか、確認する手がかりにしてみてください。

本音と逆のことを言ってしまう

いちばん多いのは、本音とは反対の言葉が出てしまうことです。

本当は褒めたいのに茶化してしまう、心配しているのに別に気にしてないと返す、といった場面が挙げられます。

本当はうれしくても、照れや気恥ずかしさから反対の言葉が先に出ることがあります。
本当はうれしくても、照れや気恥ずかしさから反対の言葉が先に出ることがあります。

こうした言動は、悪意から出ているわけではありません。

素直に気持ちを出すことに慣れておらず、照れや気恥ずかしさが先に立ってしまうのです。

「別に」「大したことない」が口癖になる

うれしいときでも、別に、大したことないと素っ気なく答えるのも、よく見られる特徴のひとつです。

喜びをそのまま表すのが苦手で、感情に蓋をするような言い方になりがちです。

ただ、その裏には注目してほしい気持ちが隠れていることもあります。

本心を見抜いてくれる人がいると、内心ほっとしている場合もあるようです。

素直な人との違いは表現のしかた

素直な人とひねくれ者は、優しさの中身が違うわけではありません。

違うのは、それをどう表に出すかという表現のしかたです。

素直な人はありがとうやうれしいをそのまま口にできますが、ひねくれ者はそこにブレーキがかかります。

このブレーキは、素直に出したら笑われるかもしれない、という不安から働くことが多いものです。

優しさの中身ではなく、素直に伝えるか照れで隠すかという表現の違いとして捉えられます。
優しさの中身ではなく、素直に伝えるか照れで隠すかという表現の違いとして捉えられます。

優劣ではなく、伝え方のスタイルが異なるだけと捉えると、必要以上に責めずに済みます。

その人の優しさが本物かどうかを疑う手がかりに、素っ気なさを使わなくてよくなります。

冷たい人だと誤解されやすい心理と原因

なぜ、優しさがそのまま伝わらず冷たいと誤解されてしまうのか。

ここからは、その心理と背景を少し掘り下げていきます。

傷つきから自分を守る防衛反応

ひねくれた態度は、多くの場合、これ以上傷つきたくないという気持ちと結びついています。

期待して裏切られるくらいなら、はじめから期待しないでおこう。

そんな心の動きが、素っ気ない態度として表に出てきます。

助けを求めたい場面でも、断られて傷つくのが怖くて、大丈夫と言って抱え込んでしまうこともあります。

期待して傷つく怖さが、先に距離を置いて自分を守る反応につながることがあります。
期待して傷つく怖さが、先に距離を置いて自分を守る反応につながることがあります。

弱さを見せられないというより、見せて傷つくのが怖い、という感覚に近いのかもしれません。

つまり、ひねくれは直すべき欠点というより、自分を守るための防衛反応として理解できます。

そう考えると、その人の頑なさの見え方も少し違ってきます。

育った環境や過去の経験の影響

素直に振る舞えなくなる背景には、育った環境や過去の経験が関わっていることもあります。

気持ちを理解してもらえなかった、本音を出して笑われた、そんな経験が積み重なると、感情を素直に出すことへの警戒が強まります。

きょうだいと比べられて育った、頑張っても認めてもらえなかった、といった記憶が土台になっていることもあります。

そのころに身につけた身の守り方が、今も自動的に働いてしまうわけです。

過去に身につけた守り方が、今の人間関係でも自動的に働くことがあります。
過去に身につけた守り方が、今の人間関係でも自動的に働くことがあります。

過去にそうやって身を守るしかなかった人にとって、ひねくれた反応は身についた癖のようなものです。

本人も持て余していることが、少なくありません。

認められたい気持ちと自己否定の揺れ

ひねくれ者で優しい人の内側では、認められたい気持ちと自己否定が両極端に揺れていることがあります。

誰かに認めてほしいのに、その伝え方がうまくいかず、やっぱり自分はだめだと落ち込む。

認めてほしい気持ちが強いほど、うまくいかなかったときの反動も大きくなりがちです。

だから褒められても素直に受け取れず、裏があるのではと身構えてしまうこともあります。

認められたい気持ちが強いほど、言葉の裏を読んで自分を責める揺れが生まれる場合があります。
認められたい気持ちが強いほど、言葉の裏を読んで自分を責める揺れが生まれる場合があります。

この揺れが、外からは気分屋や気難しさに見えてしまうこともあります。

本人なりに人との距離を測りかねている、と捉えると分かりやすいかもしれません。

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優しさがすれ違わないための接し方と伝え方

ここからは、誤解を減らすための具体的な関わり方を見ていきます。

周囲ができることと、本人ができることの両面から整理します。

周囲ができる否定しない関わり方

まず大切なのは、表面的な言動を真に受けすぎないことです。

皮肉を言われても同じ土俵に立たず、そういう見方もあるねと淡々と受け止めると、相手は身構えずにすみます。

行動でフォローしてくれたときに、気づいてたよ、ありがとうと一言添えるのも効果的です。

否定せず、詮索しすぎない距離感が、安心して優しさを出せる土台になります。

否定や詮索を避け、行動への感謝を短く伝えることが安心できる関係の土台になります。
否定や詮索を避け、行動への感謝を短く伝えることが安心できる関係の土台になります。

本人ができる誤解を減らす伝え方

自分がひねくれ者だと感じている場合は、伝え方を少しだけ見直すと誤解が減ります。

感謝は省かずに言葉にする、きつい言い方をしたと気づいたらその場で軽くフォローする、といった小さな工夫です。

きつい言い方をしてしまったと感じたら、今のは言いすぎた、と短く言い添えるだけでも印象は和らぎます。

きつく言いすぎたときは、短く言い直すだけでも相手に優しさが伝わりやすくなります。
きつく言いすぎたときは、短く言い直すだけでも相手に優しさが伝わりやすくなります。

完璧に素直になる必要はなく、伝わる場面を少しずつ増やしていく感覚で十分です。

一度に変えようとする必要はありません。

優しさは伝わってはじめて意味を持つという視点を持てるだけでも、関わり方は変わっていきます。

職場や恋愛で無理なく続ける工夫

職場や恋愛など、距離が近い関係ほど身構えが強くなりやすいものです。

だからこそ、一気に距離を詰めず、少しずつ関わりを続けることが無理のないやり方になります。

職場であれば、成果や気遣いに気づいたときに短く言葉にして返すだけでも、相手の警戒はやわらいでいきます。

恋愛の場面では、素直じゃない態度を責めるより、待つ姿勢のほうが心を開いてもらいやすいでしょう。

関係を急がず、短い言葉を返しながら少しずつ信頼を重ねることが無理のない方法です。
関係を急がず、短い言葉を返しながら少しずつ信頼を重ねることが無理のない方法です。

性格を丸ごと直そうとするより、伝わりやすい場面を一つ増やすくらいの気持ちがちょうどよいと感じます。

ひねくれ者で優しい人との関係は、時間をかけるほど深まっていくものです。

つらさが続くときは専門家への相談も選択肢

最後に、状態が長引くときの向き合い方について触れます。

性格の話として抱え込みすぎないための視点です。

相談を考えたほうがよいサイン

気分の落ち込みや不眠、身体の不調が続く場合は、性格だけの問題として片づけないほうがよいこともあります。

食欲が落ちたまま戻らない、人と関わるのがつらくて孤立が深まっている、といったときも見過ごさないほうが安心です。

過去の傷つきが今の生活を強く妨げていると感じるときも同じです。

そうしたときは、一人で抱えず相談先を頼る選択肢があります。

不眠や不調、孤立が続くときは、性格の問題と決めつけず相談先を頼ることも大切です。
不眠や不調、孤立が続くときは、性格の問題と決めつけず相談先を頼ることも大切です。

厚生労働省のまもろうよ こころでは、電話やSNSで使える相談窓口が案内されています。

「性格が悪い」と決めつけなくていい理由

ひねくれた言動を、そのまま性格が悪いと結論づける必要はありません。

性格心理学のビッグファイブ理論でも、性格は状況や関係によって変わりうるものとされています。

安心できる相手の前では、驚くほど素直になれることもあります。

安心できる対話の中では、身構えていた気持ちがゆるみ、素直さを出しやすくなることがあります。
安心できる対話の中では、身構えていた気持ちがゆるみ、素直さを出しやすくなることがあります。

今そっけなく見えるのは、まだ安心できる場面に出会えていないだけ、という見方もできます。

今の見え方がその人のすべてではない、と考える余白を残しておけるといいですね。

急いで答えを出そうとせず、その人のペースに付き合っていけたらと思います。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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