短気を治すにはどうする?つい家族に強く当たってしまい後悔…
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
短気って、直そうとするほど力が入って、余計に空回りすることってありますよね。
まずは怒りっぽさをゼロにしようとせず、今日は何にイラッとしたかを見つめるところから始めてみませんか。
その積み重ねが、遠回りに見えて一番近道だったりします。
30代女性(主婦)
子どもが宿題を後回しにしているのを見ると、つい強い口調で怒鳴ってしまいます。
言った直後に胸がざわついて、また同じことをした自分に落ち込みます。
短気な性格は分かっているのに、直し方が全然つかめません。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
つい強く当たってしまった後の重さは、本当につらいですよね。
短気を治すというのは、怒りを消し去ることではありません。抑えきれなかった時にどう立て直すかを考えるほうが、少しずつ扱いやすくなります。この記事では、怒りの奥にある気持ちの見つけ方を整理します。キレてしまった後の立て直し方も、一緒に見ていきます。
短気を治す前に、また家族に強く当たった自分を責めないで
強く当たってしまった後、自分を責める気持ちが先に立つ方は多いと思います。
まずは、その責め方を少しゆるめるところから始めてみませんか。短気であること自体を否定せず、扱い方を一緒に見直していきます。

怒りをゼロにしなくても「治す」は始められる
「短気を治す」というと、怒りっぽさを完全になくすことを想像しがちです。
けれど実際に目指せるのは、怒りが出た後の被害を小さくすることです。立て直しを早くする、と言い換えてもいいと思います。ゼロを目指すと、少しイラッとしただけで「また失敗した」と感じてしまいます。
変化は、怒りの有無ではなく回復の速さで測ってみてください。「今日はさっきより早く落ち着けた」と気づけるほうが、続けやすくなります。
短気は行動力や責任感の裏返しでもある
短気な人は、決断が早く、不正や理不尽に敏感な傾向があるといわれます。
家事や子育てで手を抜けない責任感の強さが、苛立ちにつながることもあります。うまくいかない場面ほど、その傾向は出やすくなります。長所を否定する必要はありません。出方だけを整えるという発想を持つと、少し気持ちが軽くなります。

なぜ家族など身近な相手ほど強く出てしまうのか
職場や友人の前ではこらえられるのに、家族にだけ強く出てしまうという方は多いです。
これは、安心できる相手だからこそ制御が緩みやすいという、自然な心理の働きです。だからといって許される訳ではありません。ただ、自分がおかしいわけではありません。そう知っておくことが、次の一歩を考える土台になります。
外では愛想よくふるまう分、家に帰ると気が緩みます。張っていた疲れが一気に出て、余裕がなくなっていることも多いようです。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
怒りの奥にある本当の気持ちと引き金を知る
対処法の前に、なぜイラッとするのかを少し見ておきたいと思います。自分の傾向や引き金が分かると、同じ場面での対処もしやすくなります。
せっかち・完璧主義・期待しすぎという傾向
短気になりやすい人には、共通した傾向があるといわれています。せっかち、完璧主義、我慢が苦手。他人にも自分と同じ基準を求めやすい、といった特徴です。
「これくらいできて当然」という基準が、高く設定されていないか。自分にも相手にも、一度振り返ってみてください。
こうした傾向自体は悪いものではありません。物事を丁寧に進めようとする力の表れでもあります。基準を下げるのではなく、基準どおりにいかない時の受け止め方を変えていく。そんなイメージで捉えると、取り組みやすくなります。

怒りの下の疲れ・焦り・寂しさに気づく
怒りは、単独で生まれる感情ではありません。その下には、一次感情と呼ばれる別の気持ちが隠れていることが多いのです。
疲れている、時間に追われて焦っている、わかってもらえずに寂しい。そうした感情が「怒り」という形で表に出てくることがあります。イラッとした瞬間、「本当は何を感じているんだろう」と自分に聞いてみる。それだけでも、見え方が変わってきます。
どんな時にイラッとするかパターンを書き出す
誰が相手か、何時ごろか、体調はどうだったか。イラッとした場面を振り返り、共通する条件を書き出してみてください。
寝不足の夜や、予定が詰まった日に集中している。そんな自分なりのパターンが見えてくることがあります。パターンが分かれば、その前にひと呼吸置く準備がしやすくなります。

メモ帳やスマホの記録アプリに一言だけ残しておくだけでも十分です。数週間続けると、自分でも気づいていなかった傾向が見えてくることがあります。
怒りが爆発しそうな時に試したい対処法
すでに深呼吸や間を置く方法を試して、うまくいかなかった方も多いと思います。ここでは、その先にできる工夫を一緒に見ていきます。
6秒・深呼吸が効かなかった後の一手
怒りのピークは、長くても6秒程度で過ぎるといわれます。深呼吸で間を置く方法は、よく知られています。
けれど、6秒待っても収まらないこともあります。そんな時は、その場を一旦離れる、水を一口飲む、視線を相手からそらす。体の位置や行動を変えることを、次の一手にしてみてください。感情そのものを止めようとするより、行動を変える方が現実的なことがあります。
認知行動療法(CBT)では、感情を直接コントロールしようとしません。行動や環境を先に変えることで、気持ちが後からついてくると考えます。うまく間が取れなかった自分を責めるより、次の一手を増やしていく。そんな方向で考えてみてください。

睡眠・ホルモンなど身体の余力を整える
睡眠不足や自律神経の乱れは、怒りの沸点を下げる要因になります。
女性の場合、月経前や更年期のホルモン変化が苛立ちやすさに関わることも知られています。厚生労働省が運営する健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも、ストレスと自律神経の関わりが紹介されています。体調そのものを整えることも、立派な対処法のひとつです。
忙しい時期ほど後回しにしがちです。就寝時間を10分早める、朝に軽く日光を浴びる。そんな小さな調整から、余力を取り戻していってください。
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キレた後の自己嫌悪から立て直し伝え直す
強く当たってしまった後の時間をどう過ごすかも、同じくらい大切だと思います。落ち込んだままにせず、少しずつ立て直していく流れを整理します。
責めすぎた自分を回復させる手順
キレてしまった直後は、自分を強く責めたくなるものです。
けれど責め続けるほど余裕がなくなり、次のイライラにもつながりやすくなります。まずは「今日はここまで気づけた」と、できたことに一つだけ目を向けてみてください。自分を裁く時間を、短く区切る意識を持つだけでも違います。
深呼吸をしながら白湯を飲む、少し体を動かす。心より先に体を落ち着ける行動を挟むと、責めるループから抜けやすくなります。

落ち着いてから相手に伝え直す言葉
気持ちが落ち着いたら、相手に伝え直す時間を持ってみてください。
「さっきは強い言い方をしてごめんね、本当は疲れていて余裕がなかった」。怒った理由の奥にある事情を短く添えると、伝わりやすくなります。言い訳に聞こえないか不安な時は、まず謝る一言だけでも十分です。
子ども相手であれば、難しい言葉を並べる必要はありません。「怒って驚かせてごめんね」。そのひと言だけでも、関係を立て直すきっかけになります。
一人で抱えず相談してよいサインを知る
最後に、自分だけで抱え込まなくてよい場合について触れておきます。ここまでの工夫を試しても苦しさが続く時の目安にしてください。
性格・生活・受診のどこで線を引くか
短気さとどう付き合うかは、三段階で考えると整理しやすくなります。性格として付き合う範囲、生活を整えれば変わる範囲。そして、専門家に相談した方がよい範囲です。
急にイライラしやすくなった、物に当たってしまう、強い自己嫌悪が続く。そうした変化があれば、生活の工夫だけで抱えない方が安全です。相談先も選択肢に入れてみてください。
どの範囲に当てはまるか、自分だけで判断しにくい時もあります。まず誰かに話してみることが、線引きの手がかりになることもあります。

心身の不調が背景にある場合の考え方
自律神経の乱れや、ホルモンバランスの変化。そうした心身の不調が、短気さの背景にあることもあります。
必ずしも性格の問題とは限りません。その視点を持っておくだけで、自分を責める材料を一つ減らせます。気になる場合は、医療機関やカウンセリングで相談してみることも選択肢です。
特に、以前と比べてイライラの頻度や強さが明らかに変わったと感じる場合。性格の変化というより、体調のサインである可能性も考えてみてください。
相手の言動が理不尽な時は自分の安全を優先
すべての苛立ちが自分の性格の問題とは限りません。
相手の言い方が威圧的だったり、理不尽な要求だったりすることもあります。その場合は、自分の短気さのせいだと引き受けすぎなくて大丈夫です。我慢することより、自分の安全や気持ちを優先してよいと知っておいてください。

「自分がもっと我慢すれば丸く収まる」。その考え方だけに頼らず、状況そのものを見直す視点も持っておいてください。そのほうが、無理を重ねずに済みます。
自分を責める理由が一つでも減れば、受け止め方は少しずつ変わります。次にイラッとした時に、その違いに気づけるはずです。焦らず、今日気づけたことを一つずつ積み重ねていってください。