仕事中に涙が出るのは適応障害でしょうか?仕事が辛くて不安です
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20代女性(会社員)
半年前に部署が変わってから、仕事中にふいに涙が出るようになりました。
会議で発言を求められたときや、上司に進捗を聞かれたときに、急にこみ上げてきてトイレに駆け込むことが何度かあります。
休みの日はわりと普通に過ごせるのですが、日曜の夜になると胸がざわついて眠れません。
これは適応障害なのでしょうか。
自分が弱いだけなのか、受診していいレベルなのかもわからず、気持ちの置きどころがありません。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
仕事の最中に涙がこみ上げてくると、驚きや戸惑いとともに、自分を責めたくなる気持ちが出てくることがあります。
この記事では、仕事中の涙と適応障害の関係を整理しながら、今の状態をどう見つめればよいか、一つずつ考えていきます。
心の不調があっても、
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仕事中に涙が出るのは適応障害なのか?

仕事中にふいに涙がこみ上げてきたとき、自分でも驚いて動揺した方は少なくないと思います。
ここではまず、涙と適応障害の関係、そしてどんな仕事のストレスがその背景になりやすいかを整理していきます。
適応障害は特定の仕事ストレスと結びつきやすい
適応障害とは、特定のストレスをきっかけに心と体のバランスが崩れ、日常の生活や仕事に支障が出ている状態を指します。
ストレスの原因がはっきりしていることが大きな特徴で、その原因から離れると気持ちが少し落ち着く傾向があります。
仕事中に涙が出るという体験は、この適応障害でよく見られる反応のひとつです。
強いストレスが続くと、感情の調整にかかわる脳の働きやホルモンのバランスが乱れ、自分の意思とは関係なく涙があふれることがあります。
近年、適応障害の患者数は増加傾向にあり、日本システム技術株式会の調査では2018年から2022年の5年間で約1.7倍に増えたと報告されています。

年代別では20代が最も多く、30〜50代にも広く見られます。
仕事中に涙が出るという経験は、決して珍しいことではありません。
人間関係や業務量・環境変化でつらさや不安が強まりやすい
適応障害のきっかけになりやすい仕事上のストレスには、いくつかのパターンがあります。
- 上司や同僚との関係がうまくいかない
- 業務量が急に増えた
- 異動や転勤で慣れない環境に置かれた
- 評価や期待へのプレッシャーが大きい
こうしたストレスは一つだけでなく、複数が重なることで負荷が増していきます。
自分では気づかないうちにエネルギーが削られていて、ある日ふいに涙が出て初めて限界に近づいていたことに気づく、というケースも珍しくありません。
仕事がつらい・不安が強い・涙が出るが重なるときの見方
仕事がつらいという感覚、この先どうなるんだろうという不安、そして涙が出るという体の反応。
この三つが重なっているときは、心身がかなり疲弊しているサインといえます。
ただし、涙が出たからすぐに適応障害と決まるわけではありません。一時的な疲れやストレスで涙が出ることもあります。
仕事中に涙が出るときに表れやすい変化

涙以外にも、自分の心や体にどんな変化が起きているかを振り返ることは、今の状態を把握するうえで役立ちます。
ここでは気持ちの面と、体や行動の面に分けて見ていきます。
気持ちの面で起こりやすい変化
- 仕事のことを考えるだけで気持ちが沈む。
- 以前は気にならなかったことにイライラする。
- 不安がずっと頭から離れない。
- 集中力が続かずミスが増える。
- 何をしても楽しいと感じにくくなる。
こうした変化は、心のエネルギーが消耗しているときに現れやすいものです。
涙が出てしまう自分に対して甘えではないかと感じる方もいますが、これは弱さではなく、心が休息を求めている状態です。
不眠・食欲低下・動悸・集中力低下など体と行動の変化
心の疲れは体にもさまざまな形で表れます。
寝つきが悪くなる、夜中に何度も目が覚める、朝早くに目が覚めて眠れないといった睡眠の変化はよく見られます。
食欲が落ちる、あるいは逆に食べすぎてしまうという食行動の変化もあります。
動悸や息苦しさ、頭痛、胃の不快感といった体の症状を感じる方もいます。
こうした身体症状は、ストレスによって自律神経のバランスが崩れているときに起こりやすいものです。
行動面では、遅刻や欠勤が増える、身だしなみに気を遣えなくなる、人と会うのが億劫になるといった変化が出ることもあります。
複数の変化が重なっているようであれば、心身の疲弊がかなり進んでいる可能性があります。
今のつらさを整理するときの見分け方

涙が出ること自体の意味を知ったうえで、今の自分がどの程度の状態なのかをもう少し掘り下げてみましょう。
仕事から離れると少し楽になるか
適応障害の大きな特徴は、ストレスの原因から距離を取ると症状が和らぎやすいという点です。
休日には比較的穏やかに過ごせる、有給を取った日は気持ちが軽くなる、趣味を楽しめる。
もしそうした傾向があるなら、特定の仕事環境がストレスの中心になっている可能性があります。
逆に、仕事から離れても気分が晴れない、休日もずっと気持ちが重い、何をしても楽しめないという状態が続いている場合は、適応障害とは別の不調も視野に入れた方がよいかもしれません。
特定の場面で強まりやすいか
涙やつらさが特定の場面と結びついているかどうかも手がかりになります。
上司と話すとき、会議の前、通勤電車に乗ったとき、月曜の朝。
特定のタイミングで症状が強まるなら、その場面に関わるストレスが影響している可能性が高いといえます。
こうした場面を把握しておくと、後で職場へ相談するときや医療機関を受診するときに、自分の状況を伝えやすくなります。
余裕のある日に、少しだけ振り返ってみてください。
うつ病など別の不調も考えたい状態

適応障害とうつ病は症状が似ている部分がありますが、いくつかの違いがあります。
適応障害はストレスの原因がはっきりしていて、そこから離れると改善しやすいのに対し、うつ病は原因が特定しにくく、環境を変えても気分の重さが続きやすい傾向があります。
厚生労働省の資料では、適応障害と診断された方のうち5年後に40%以上がうつ病などの診断に変更されているという報告もあります。
つまり適応障害の状態が長引くと、より深い不調に移行するおそれがあるということです。
気持ちの重さが2週間以上ほぼ毎日続いている場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
迷ったとしても、相談すること自体に早すぎるということはありません。
仕事中に涙が出そうな日にまず考えたいこと

つらい状態が続いているとき、まずは今日をどうやり過ごすかが大事です。ここでは、その場でできる対処と、今日休むかどうかの判断について整理します。
その場をやり過ごすためにできること
涙がこみ上げそうになったら、まずはその場から少し離れてみてください。
トイレや給湯室など、人目につかない場所に移動するだけで気持ちの圧力が少し下がることがあります。
移動したら、ゆっくりと深い呼吸を数回繰り返してみましょう。
冷たい水を飲むなど、体に別の刺激を入れることで感情の波が少しおさまることもあります。
無理に涙を止めようとするよりも、安全な場所で少し落ち着く時間を取ることの方が回復には役立ちます。
今日休む・早退するかを考える
涙が出そうな日が続いている場合、今日一日を休む、あるいは早退するという選択も視野に入れてください。
体調が優れないことを理由に伝えるだけで十分です。
信頼できる同僚がいれば、体調がよくないことをひと言伝えておくだけでも安心感が生まれます。
無理に出勤し続けるよりも、一日しっかり休んだ方が翌日以降の状態が落ち着きやすいこともあります。
仕事を続けるか休むかはすぐ決めなくていい
涙が出るほどつらい状態が続くと、もう辞めた方がいいのか、休職すべきなのかと頭の中がぐるぐるしやすくなります。

業務調整や休職を考えたいタイミング
- 涙が出る状態が2週間以上続いている。
- 朝起き上がるのがつらくて遅刻や欠勤が増えている。
- 不眠や食欲の変化が日常に影響している。
こうしたサインがいくつか重なっているときは、業務量の調整や休職を検討する段階かもしれません。
まずは医療機関で状態を見てもらい、必要に応じて診断書を出してもらうことで、会社側との話し合いがスムーズに進みやすくなります。
休職は逃げではなく、回復のための手段です。
つらいときほど大きな決断を急がない
心身のエネルギーが底をついている状態では、判断力や思考の幅がどうしても狭くなります。
辞めるか続けるか、転職するかしないか。
こうした大きな決断は、つらさのピークにあるときほど先送りにしてよいものです。
まずは休むこと、そして少しでもエネルギーが戻ってきてから改めて考える。
それだけで、見える選択肢の数はかなり変わります。
回復を優先したあとに働き方を考える
休養を取って気持ちが少し安定してきたら、何がストレスの中心だったのかを振り返ってみましょう。
業務内容なのか、人間関係なのか、職場の雰囲気や評価のしくみなのか。
原因がはっきりすれば、異動の相談や業務の調整、あるいは転職という選択肢も、落ち着いた状態で検討できます。
まずは心身を立て直すことに集中して、そのあとに働き方を考える。
この順番を大事にしてください。
受診や職場への相談はどう進めるべき?

状態を整理できたら、次は具体的にどこに相談するかという話です。
ここでは職場への伝え方と、医療機関やカウンセリングの使い分けを整理します。
上司や人事に伝えるときに整理したいこと
職場に相談するとき、すべてを詳しく話す必要はありません。
整理しておきたいのは、いつ頃からどんな症状があるか、業務のどの部分が負担になっているか、そしてどんな配慮があると助かるかの3点です。
伝える相手は、直属の上司が難しければ人事部門や産業医でもかまいません。
医師の診断書があると話が具体的に進みやすいため、先に受診を済ませておくのも一つの方法です。
心療内科・精神科・カウンセリング・産業医の使い分け
受診先に迷う方は多いですが、それぞれ役割が異なります。
| 相談先 | 向いている状況 |
|---|---|
| 心療内科 | ストレスが頭痛・胃痛・動悸など体の症状として表れている場合 |
| 精神科 | 気分の落ち込み・不安・不眠など心の症状が中心の場合 |
| カウンセリング | 考え方のパターンやストレスへの向き合い方を整理したいとき |
| 産業医 | 職場の状況を踏まえた調整や、会社との間に入ったサポートが必要なとき |
心療内科と精神科はどちらでも適応障害の診断と治療が受けられるので、通いやすさで選んでも差はありません。
カウンセリングでは、公認心理師や臨床心理士による面談を通じて、気持ちの言語化や対処法の習得が期待できます。
涙が出るほどつらい状態を、一人で抱え続ける必要はありません。
まずはどこか一つ、相談しやすいところに声をかけてみてください。
話すこと自体が、気持ちの整理につながることもあります。
もし誰かと話す準備がまだ整わないと感じるなら、オンラインで受けられるカウンセリングという方法もあります。
ココラボでは、公認心理師によるカウンセリングをオンラインで提供しています。
自分のタイミングで、自分のペースで相談できる場所として、必要なときに思い出していただければと思います。