PMSで学校に行きたくない日がある、勉強できないしバイトも休んでしまう…
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
生理前の不調は、本人にも周期との関係が見えにくく、つい甘えと結びつけてしまいがちです。
大切なのは、行くか休むかを一度で決めきることではなく、その日の状態を手がかりに選べる幅を持っておくことです。
記録で波が見えてくると、自分を責める時間は少しずつ減っていきます。つらさが続くときは、婦人科や心の相談先を選択肢に。
10代女性(学生)
生理の前になると、朝どうしても起き上がれなくて、学校に行きたくない日があります。教室に着いても頭がぼんやりして、ノートを開いても文字が入ってこないことが続いています。
受験の年なのに、こんな自分が情けないし、ただ甘えているだけなんじゃないかと思ってしまいます。
週末のバイトも今月二回休んでしまって、店長になんて言えばいいのか分からないままです。
ココラボ相談室からの回答
生理の前になると朝の体が重くなって、学校から足が遠のく。その状態を自分の弱さのように感じてしまうのは、決してめずらしいことではありません。
この記事では、その不調が月経の周期とどう重なっているのかを見分ける手がかりと、行くか休むかを迷う日に自分の状態をどう見立てればいいのかを、順を追って整理していきます。
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PMSで学校に行けない朝

朝、布団から体が起きてくれない日のことを、まず受け止めるところから始めます。この章では、その重さが月経の周期と重なっているかどうかを見ていきます。原因を一つに決める前に、起きている状態をそのまま眺めてみてください。
甘えかもと責める気持ち
PMSで学校に行きたくないと感じる朝、多くの人が最初に向き合うのは体のつらさよりも、こんな自分は甘えているのではという声です。行きたくないのに行けない、その矛盾が、いつのまにか自分への評価に変わっていきます。
ただ、甘えかどうかという問いは、道徳の物差しで測れるものではありません。生理前だけ決まって体が動かなくなるなら、気持ちの強さの問題ではなく、体の状態の変化として見たほうが実態に近いことがあります。
責める気持ちが湧くこと自体は、まじめに学校や勉強に向き合ってきた証でもあります。その気持ちを消そうとするより、いったん横に置いて、体に何が起きているのかを先に見てみる順番をおすすめします。
月経前に崩れやすい心身
生理が始まる3〜10日ほど前から現れて、月経が来ると軽くなる心身の不調を、月経前症候群(PMS)と呼びます。イライラ、気分の落ち込み、強い眠気、頭やお腹の痛み、むくみなど、出方は人によって大きく違います。
このうち心の症状が特に重く、生活に支障が出る状態は、月経前不快気分障害(PMDD)と区別されることがあります。どちらもホルモンの変動に体が反応して起きるとされ、原因をひとつに絞り込めているわけではありません。
日本思春期学会の解説では、高校生のうち14.4%に、社会生活へ支障が出るほどのPMS症状がみられるとされています。月に1日以上欠席する人も一定数いると報告されており、生理前に学校がつらくなるのは、あなた一人に起きている特別なことではないのです。

勉強が手につかない日
学校に行けても、机に向かう力がわいてこない日があります。ここでは、その無気力や眠気を周期の波として捉え直してみます。やる気の問題に見えて、そうとは限らない場面を整理します。
眠気や無気力の波
生理前は強い眠気やだるさが出やすく、PMSで勉強できないと感じる時期と周期が重なることがあります。たくさん寝たのに眠い、文字が頭を素通りする、そんな集中力の低下はホルモンの変動と関わっているとされます。
こうした眠気や無気力は、鎮痛薬で痛みを抑えても残りやすい種類の不調です。気合いで押し切ろうとするほど空回りしやすいので、波が高い数日は負荷の軽い作業に切り替える発想が役に立ちます。
たとえば、新しい単元を詰め込むより、すでに解いた問題の見直しや暗記の復習にあてる。できた手応えが小さくても残る勉強に寄せておくと、休んだ後に戻りやすくなります。

受験や成績への焦り
受験の年だと、休んだ一日が遅れに直結するように感じて、焦りが大きくなります。その焦りは自然なものですが、不調のピークに無理を重ねても効率は上がりにくいものです。
周期のなかには、頭が比較的働きやすい時期もあります。生理が終わったあとの数日に重い課題を寄せ、不調の数日は軽めにする。そんなふうに山と谷を意識して配分すると、トータルで見たときの取りこぼしを減らせます。
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休むか迷う日の見方
行くか休むか、その判断を毎朝迫られるのが、いちばんつらいところかもしれません。この章では、白黒で決めずに、今日の自分の状態を見立てる目安を渡します。休むこと自体の良し悪しを論じるのではなく、見分け方に絞ります。
登校を控えたい状態
学校に行きたくない気持ちと、休んではいけない気持ちの間で揺れる日は、まず体の信号を手がかりにします。立ちくらみがある、痛みで授業に集中できない、涙が止まらない。そうした支障がはっきり出ているなら、登校を控える選択は理にかなっています。
実際、生理に伴う欠席が高校入試で不利にならないよう、文部科学省から各教育委員会へ配慮を求める通知も出ています。休む判断が将来に響くのではという不安は、制度の面からも少しずつ和らぐ方向にあります。
一方で、生理前のPMSは月経が始まると軽くなる性質があります。今日がそのピークなのか、もう抜けかけているのか。それが分かるだけでも、行くか休むかの見当はつけやすくなります。
| 今日の状態 | 選びやすい行動 |
|---|---|
| 痛みや強い不調で集中できない | 無理せず休む |
| 起きられるが波がある | 保健室に寄る/午前だけ出て早退 |
| だるさは残るが動ける | 軽い負荷で登校してみる |
保健室や早退の選択
休むか行くかの二択に見えて、実際にはその間にいくつもの段階があります。丸一日休む以外にも、保健室で過ごす、午前だけ出て早退する、といった選び方ができます。
保健室登校は出席として扱われる学校が多く、出席日数を気にして教室にこだわらずにすみます。まず保健室に寄って、回復しそうなら教室へ、難しければ早退、という流れにしておくと、朝の決断が軽くなります。
休んだ日に勉強が完全に止まると、戻るのがこわくなります。横になりながら音声教材を聞く程度でも、糸が切れずにつながっている感覚が残り、翌日の再開がしやすくなります。
周りに伝えにくいとき
つらさそのものより、それをどう伝えるかで消耗してしまうことがあります。ここでは、親や先生、バイト先への伝え方を、無理のない範囲で整理します。全部を正直に話さなければいけないわけではありません。
親や先生への伝え方
家族に分かってもらえないと感じるのは、つらさの感じ方に個人差があるからです。親に伝えるときは、生理前の何日かだけ決まって体が動かない、という周期の事実を添えると、状態が伝わりやすくなります。
先生には、症状を細かく話すのが苦しければ、体調不良として伝えるだけでも十分です。担任に直接言いづらいときは、保健室の先生から伝えてもらう方法もあります。不調が続く場合は、医師の診断書が学校への相談材料になることもあります。
バイト先への伝え方
PMSでバイトを休むとき、店長が男性だと言い出しにくい、毎月のことで気が引ける、という声は多くあります。無理に病名を伝える必要はなく、体調不良のため、と連絡すれば足ります。
連絡は始業前に早めが基本で、入れるなら復帰の見込みも一言添えるとシフトの調整がしやすくなります。なお、生理日に就業が著しく困難なときの生理休暇は、労働基準法で定められています。アルバイトやパートも含めて請求できるので、落ち着いたときに周期的に休む可能性を伝えておけると、毎回の連絡の負担が軽くなります。

つらさが続くときの受診目安
セルフケアで見守る段階と、相談したほうがいい段階の境目を知っておくと安心です。この章では、受診を考える目安と、どこに相談すればよいかを示します。脅すためではなく、選択肢として持っておくための整理です。
症状日記で見える波
不調が本当に生理前に偏っているのかは、記録してみないと意外と分かりません。カレンダーやアプリに、その日の心身の状態と月経の有無を数周期ぶんメモするだけで、波が見えてきます。
この症状日記は、自分で対処の見当をつける手立てになると同時に、受診時に医師へ状態を伝える材料にもなります。記録をつけるなかで不調の山が予測できるようになり、それだけで対応が楽になる人もいます。

婦人科で相談する目安
セルフケアを試しても日常生活への支障が続くなら、婦人科への相談が選択肢になります。受診したからといって、必ず薬を使うわけではありません。
- 生活指導や、痛みに対する鎮痛薬
- 周期に伴う不調を抑える低用量ピル
- 体質に合わせて使われる漢方薬
こうした方法から、医師が状態に合わせて一緒に検討してくれます。治療のゴールを、休まず通うことに置くのか、つらい日は無理しない範囲にとどめるのか。その目標を自分で選んでよいという点は、覚えておいてよいと思います。
心の不調が強いとき
気分の落ち込みが強く、生理前になると消えてしまいたいような気持ちがよぎる。そんなときは、婦人科だけでなく、心療内科や精神科、年齢によっては児童精神科も相談先になります。
強い落ち込みや自分を傷つけたい気持ちが続くなら、それは一人で抱えて耐える種類のものではありません。身近な大人や相談窓口に、つらさの一部だけでも言葉にして渡してみてください。今日すぐにすべてを解決しようとしなくて大丈夫で、まずは話せる相手に届けるところからで構いません。
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