マインドフルネスが意味ないと感じ、胡散臭い気がしてやめたほうがいいか迷う

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

マインドフルネスが効かない、どこか胡散臭い。
そう感じること自体は、決しておかしくないんですよ。
合う合わないは相性の問題で、うまくいかない日があっても、あなたのせいとは限りません。
続けるか離れるか、一人で決めきらず、迷いごと言葉にしてもらえたらと思います。

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30代女性(会社員)

30代の会社員です。半年ほど前から、寝る前にアプリでマインドフルネスを続けています。

集中しようとするほど雑念が浮かんで、かえって疲れる日もあって。

効果を感じられないのは自分のやり方が悪いのか、そもそも意味がないのか。続けるべきか迷ったまま、なかなか決められずにいます。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。

効果が実感できないと、続けている意味そのものが分からなくなりますよね。数字や仕組みが少し見えるだけでも、印象が変わることもあります。

この記事では、マインドフルネスが意味ないと感じる背景を整理しながら、効果や副作用を確かめ、続けるか距離を置くかを自分で決める手がかりを一緒に探します。

マインドフルネスが意味ないと感じるのはあなただけではない

うまく集中できない、続けても手応えがない。そんなとき、意味がないと感じているのは自分だけかもしれない、と思い込んでしまいます。まずは、その感覚が特別なものではないことから確かめていきます。

効果を感じられない人は少なくない

マインドフルネスをやってみたけれど効果がなかった、という声は珍しくありません。ある臨床心理師も、集中できない・成果が見えないと感じてやめてしまう人は多いと述べています。

効果がすぐに、はっきりと表れるものではないという性質もあります。脳の変化は少しずつ進むため、変わったと気づけるまで時間がかかりやすいのです。だからこそ、効果を感じられない=あなたに問題がある、とは限りません

手応えがなくても、変化には時間がかかるため、自分を責める必要はありません。
手応えがなくても、変化には時間がかかるため、自分を責める必要はありません。

「胡散臭い」と思う警戒心は自己防衛

マインドフルネスに胡散臭さを覚える人もいます。万能薬のような宣伝や、高額なセミナーの存在が、その印象を強めているのでしょう。

ある公認心理師は、この言葉を改めて眺めると胡散臭いと正直に認めたうえで解説しています。定義がはっきりせず、何を信じればいいのか分かりにくいことも、警戒心の一因でしょう。怪しいと感じ取れる力は、根拠の薄いものから自分を守る働きでもあります。その感覚を、無理に打ち消さなくて構いません。

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効果を感じられない原因を確かめる

効かないと決めつける前に、その原因を分けて見ていきます。やり方や期間、期待の置き方など、いくつかの理由が重なっていることが多いからです。

期間が短い・8週間が目安

マインドフルネスの効果を調べた研究の多くは、8週間ほどの継続を前提にしています。数回試しただけでは、変化を実感しにくいのが自然です。

すぐに変わらないからと焦る必要はありません。短い期間での手応えのなさは、失敗ではなく途中経過として受け止めておきましょう。

呼吸瞑想が合わないなら型を変える

マインドフルネスには、呼吸に注目する方法だけでなく、体の感覚を順にたどるボディスキャンや、歩きながら行う歩行瞑想もあります。

呼吸が合わないときは、体の感覚や歩く動きなど、別の方法へ切り替えられます。
呼吸が合わないときは、体の感覚や歩く動きなど、別の方法へ切り替えられます。

呼吸に意識を向けると、かえって落ち着かなくなる人もいます。ひとつの型が合わなくても、別の型なら続けられることは珍しくありません。合わない=向いていない、と早く決めなくて大丈夫です。

力むほど逆効果になる仕組み

雑念を消さなければ、毎日長くやらなければ。そう力むほど、心身は張りつめてしまいます。禅の世界でも、結果を急ぐ緊張から生じる不調が古くから知られてきました。

本来は、今ここにそのままいることが目的です。うまくできない自分を責める気持ちが、かえって負担を大きくしていることもあります。

もうひとつ、見落とされやすい仕組みがあります。ある精神科医は、自分に優しさを向ける習慣がない人ほど、瞑想がかえって逆効果になりやすいと指摘しています。ふだん自分に厳しい人が静かに座ると、責める声のほうが大きく響いてしまうことがあるのです。

本来の困りごとが別にあるかも

そもそも何を期待して始めたのか、思い出してみてください。眠れない、不安が強い、気分が落ち込む。こうした困りごとが背景にある場合、瞑想だけで解こうとしても届かないことがあります。

瞑想の効き目だけでなく、睡眠や仕事、人間関係など生活側の負担も振り返ります。
瞑想の効き目だけでなく、睡眠や仕事、人間関係など生活側の負担も振り返ります。

始めた時期が、忙しさや人間関係の変化と重なっていないかも振り返ってみましょう。しんどさの原因が生活の側にあるなら、それはマインドフルネスの効き目とは別の問題です。効かないと感じたのは、別の方法が必要だというサインなのかもしれません。

効果と副作用を正しい数字で知る

期待も警戒も、事実に照らすと少し落ち着きます。ここでは効果の実際の強さと、副作用の割合を数字で確かめます。脅すためではなく、期待値を整えるためです。

効果は中程度、うつ再発予防は比較的強い

研究全体を見ると、ストレスや不安の軽減に一定の効果が示されています。ただし、その効果量は中程度とされ、すべての人に強く現れるわけではありません。

比較的はっきりしているのが、うつの再発予防です。専門家の指導で行うMBCT(マインドフルネス認知療法)を受けた人は、通常の治療だけの人に比べ、再発のリスクがおよそ3割低かったとする研究もあります。ただしこれは、回復後の再発を防ぐ場面での話であり、落ち込みが強い時期の万能薬ではありません。

副作用は約8%、9割は安全に実践できている

2020年の系統的レビューでは、6,703名のうち約8.3%に、不安の増大や抑うつ感、離人感といった副作用が確認されました。しかもこれは、精神疾患のない健康な人にも生じています。割合としては、一般的なカウンセリングや心理療法とほぼ同じ水準です。

効果と副作用の数字を並べて見ると、期待しすぎず怖がりすぎない判断がしやすくなります。
効果と副作用の数字を並べて見ると、期待しすぎず怖がりすぎない判断がしやすくなります。

裏を返せば、9割近くの人は安全に実践できているということでもあります。もし実践中に強い不快感が出たなら、それは異常ではなく、中断してよいサインです。

宗教由来を科学化した成立史と誇大宣伝

マインドフルネスは仏教の瞑想を源流とし、1970年代にジョン・カバットジンが宗教色を取り除いて臨床に応用したものです。この経緯を知ると、どことなく漂う宗教的な雰囲気の理由が見えてきます。

胡散臭さの正体は、多くの場合マインドフルネスそのものより、誇大な宣伝や売り方の側にあります。

根拠あるプログラムの見分け方

数ある情報の中で、何を信じればいいのか迷うのは当然です。ひとつの目安が、MBSRやMBCTのように枠組みが示されているかどうかです。

公的な情報も手がかりになります。厚生労働省eJIMは、指導者の訓練や経験を尋ねてよいと案内しています。副作用の説明があるかどうかも、その情報の誠実さを測る目印になります。

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続ける・距離を置く・やめるを決めるサイン

実践後の落ち着き、自責、義務感を手がかりに、続けるか離れるかを選びます。
実践後の落ち着き、自責、義務感を手がかりに、続けるか離れるかを選びます。

続けるかやめるか。その判断を、気合いや我慢ではなく、自分の状態から決めるための手がかりを整理します。二択ではなく、距離を置くという中間もあります。

実践後に自責が増えるなら離れてよい

続けるかどうかは、意志の強さで決めるものではありません。実践したあと、気分がどう動くかを、判断の手がかりにしてみてください。少し落ち着くようなら、続ける価値があります。

一方、次のような変化が続くなら、離れることも選択肢に入ります。

  • 実践後に、かえって自分を責めてしまう
  • やらない日に強い不安が出る
  • いつの間にか義務のようになっている

やめることは失敗ではなく、自分に合わせた調整です。

向かない状態とタイミング

気分の落ち込みが強い時期、強いストレスの下、ひどく疲れているとき。こうした状態では、静かに内面を見つめる時間が、同じ考えを繰り返す反すうに転じやすくなります。

瞑想中に強い不安やのぼせ、離人感が出たときは、無理に続けないでください。目を開けて、足の裏が床に触れる感覚に注意を戻す。周りにある物を五つ数える。そうして今ここに戻る方法を知っておくと、少し安心できます。

うつ病や不安障害、PTSDなどで通院している場合は、自己判断で始めたり中止したりせず、まず主治医に相談してください。マインドフルネスは治療の代わりにはなりません。

勧められて始めたなら断ってもいい

勧められて始めた場合でも、合わないと穏やかに伝えることは自分を守る境界線です。
勧められて始めた場合でも、合わないと穏やかに伝えることは自分を守る境界線です。

職場の研修や、家族やパートナーの勧めで始めた人もいます。良かれと思っての提案ほど、合わないと言い出しにくいものです。

けれど、合わない方法を続ける義務は、誰にもありません。合わなかったと伝えることは、わがままではなく境界線です。

合わなくても次に頼れる選択肢がある

マインドフルネスが合わなくても、打つ手がなくなるわけではありません。ここでは、その外側にある道と、一人で抱えないほうがよいサインをお伝えします。

カウンセリング・認知行動療法という道

他人に効いたものが自分に効かないのは、優劣ではなく相性の問題です。合う方法を、まだ探している途中と考えてみてください。

眠れない、不安が強いといった困りごとには、カウンセリングや認知行動療法、医療機関という選択肢があります。カウンセリングは、効かない自分を直す場ではなく、自分に合う方法を一緒に探す場だと考えてみてください。マインドフルネス以外にも、頼れる方法はいくつもあります

マインドフルネスが合わなくても、相談や治療など次に頼れる選択肢があります。
マインドフルネスが合わなくても、相談や治療など次に頼れる選択肢があります。

一人で抱えないほうがいいサイン

次のような状態が続くときは、どうか一人で抱え込まないでください。

眠れない、食べられない、気分の落ち込みが2週間以上続く。瞑想中に強い恐怖や動悸、離人感が出る。自分を責める気持ちが強く、消えてしまいたいと感じる。

こうしたときは、専門家や相談窓口に頼ることが、遠回りではなく近道になります。効かなかったあなたを直すためではなく、自分に合う方法を一緒に探せる相手がいる。そう知っておくだけでも、肩の力が少し抜けるかもしれません。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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