不登校の三者面談、行きたくないときは親だけでもいいですか?
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
私は、普段高校で講師をしていることもあり、親御さんから、直接的/間接的にご相談を受ける機会が多いです。
その中でも、不登校生徒の親御さんから受ける相談として、学校との関わりをどう保つかと、お子さんの気持ちをどう守るかという問題での悩みは非常に多いです。
不登校の場面では、「行く・行かない」という二択だけで考えてしまうと、どちらを選んでも不安が残りやすくなります。
実際には、その時々の状態に合わせて関わり方を調整しながら、学校とのつながりを無理のない形で続けていくことが大切になります。
30代女性(主婦)
中学2年の息子が不登校になって半年ほどです。
来週、三者面談の案内が届いたのですが、本人は学校に行くこと自体をとても嫌がっていて、面談の話をしただけで部屋にこもってしまいました。
親だけで行ってもいいのか、それとも本人を連れて行かないと進路に響くのか、判断がつきません。
無理に連れて行って関係が悪くなるのもこわいし、でも何もしないままでいいのかという焦りもあって、どうしたらいいのか分からなくなっています。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
三者面談の案内が届くたびに、行かせるべきか、休ませるべきか、気持ちが揺れるのは当然のことだと思います。
この記事では、本人が行けないときにどんな選択肢があるのか、親だけで面談に臨む場合に何を確認しておくとよいかを、少しずつ整理していきます。
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不登校で三者面談が辛くて本人が行けそうにないときはどうするべき?

三者面談の時期が近づくと、お子さんの状態と学校の求めるもののあいだで板挟みになる感覚があるかもしれません。
ここでは、行けないときに確認しておきたいことと、学校とのつながりを保つ方法を整理します。
三者面談に行けないとき、まず知っておきたいこと
不登校の状態で三者面談の案内が届くと、行かなかったら卒業や内申に響くのではないかという不安がまず浮かぶと思います。
中学校は義務教育であり、出席日数は卒業の絶対条件ではありません。
三者面談に出席しなかったことだけを理由に、卒業が認められなくなるということは基本的にないと考えてよいでしょう。
ただし、高校受験では内申書の記載内容が合否に関わってきます。
学校との接点をまったく持たないまま過ごしていると、受験の選択肢が狭まる可能性はあります。
三者面談に本人が行けなくても、親と先生のあいだで状況を共有しておくことには意味があるのです。
面談に出られないこと自体より、学校とのやりとりが途切れてしまうことのほうが、長い目で見たときに影響が大きくなりやすいです。
学校とのやりとりを止めずにすむ形はある
本人が三者面談に出られなくても、親だけで先生と話をすることは多くの学校で受け入れてもらえます。
事前に担任へ連絡を入れて、本人の同席が難しいことを伝えておけば、二者面談という形に切り替えてもらえることがほとんどです。
二者面談には、お子さんがいないぶん踏み込んだ話がしやすいという面もあります。
家庭での状態や親自身が感じている不安を率直に共有しやすくなりますし、先生の側も学校でできる配慮を具体的に提案しやすくなります。
三者面談をそのままの形で行うことだけが正解ではなく、今の状況に合わせてやり方を調整すること自体が、学校との関係をつないでいく一歩になります。
三者面談がしんどいのは、何がこわいのか

お子さんが三者面談を嫌がるとき、その背景にはいくつかのこわさが混ざっていることが多いです。
それをひとまとめに扱うと、親の側も対応に困りやすくなります。
ここでは、よく見られるこわさのパターンを分けて整理してみます。
先生に会うのがこわい
不登校の状態が続いていると、先生に対して申し訳なさや後ろめたさが積もっていきます。
何か言われるかもしれないという恐怖だけでなく、心配されること自体がしんどいという感覚もあります。
先生は責めるつもりがなくても、お子さんにとっては学校を休んでいる自分を見られること自体がつらいのです。
親の前で話したくない
三者面談は先生と親が同時にいる場です。
不登校の状態にある子どもにとって、自分の気持ちや将来のことを二人の大人の前で言葉にするのは、かなり大きな負荷がかかります。
本当はこわいだけなのに、怠けていると思われるかもしれないという気持ちが、口を閉ざす方向に働きやすくなります。
同級生に会うかもしれない

面談の日は他の生徒も学校に来ています。
廊下やトイレで同級生とすれ違う可能性があるだけで、学校に足を運ぶハードルは一気に上がります。
久しぶりに顔を合わせたときにどんな反応をされるのか、それを想像するだけで体が固まってしまう子もいます。
進路を決めさせられそうで苦しい
三者面談の場では進路について聞かれることも珍しくありません。
まだ何も考えられていない自分に答えを出させられるのではないかという不安は、面談そのものを回避したい気持ちにつながります。
今の段階で将来が見えないことは責められるようなことではないのですが、お子さん本人がそう感じにくいことが、この場面のしんどさの根にあります。
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三者面談は、本人に合わせた形で相談してみる
面談の参加の仕方は、すべてか何もないかの二択ではありません。
お子さんの状態やその日の気持ちに合わせて、段階的に考えることができます。
本人も一緒に行く
もし本人が行けそうな気配があるなら、無理のない条件を先に整えておくと安心です。
時間帯を他の生徒と重ならないように調整してもらう、面談の場所を教室ではなく相談室に変えてもらうといった方法があります。
当日になって気持ちが変わる可能性も想定して、行かなくなっても大丈夫だよという前提を先に伝えておくことが、本人の安全感を守ります。
親だけで話す

本人の同席が難しい場合は、親だけで面談に行くという選択がもっとも現実的です。
二者面談であっても、学校との情報共有は十分に成り立ちます。
あとから子どもに面談の内容を伝えるときは、先生がどんなふうに話していたかを簡潔に伝えるだけで十分です。
電話やオンラインに変えてもらう
対面が難しい場合、電話やオンラインでの面談に切り替えてもらえる学校も増えています。
特に本人がどうしても一言でも話しておきたいという気持ちがある場合には、画面越しのほうが気持ちの負担を下げやすくなります。
学校側に対応可能かどうか、事前に確認してみてください。
今回は見送って別日に相談する
面談の日程にどうしても合わせられないときは、今回は見送って、別の日に改めて相談の時間をもらうという方法もあります。
三者面談の機会を逃したらすべてが止まるわけではありません。
ここで意識しておきたいのは、その一回を完璧にこなすことではなく、学校と細くてもつながり続けることです。
親だけで面談するときに、先生と確認しておきたいこと
親が一人で面談に臨むとき、限られた時間のなかで何を話すか迷うことがあると思います。
何を伝えるかと同じくらい、何を話さなくてもいいかを先に整理しておくと、気持ちに余裕が生まれます。

家での様子と今しんどいこと
日中どんなふうに過ごしているか、生活リズムはどうか、表情や会話の変化など、家庭で見えている状態を率直に伝えてみてください。
良い面も苦しい面もあるままに共有することで、先生の側もお子さんの今の全体像を把握しやすくなります。
学校への気持ちと、今できそうなこと
本人が学校に対してどんな気持ちを持っているか、わかる範囲で伝えるだけでも先生にとっては大きな手がかりになります。
登校は難しくても、プリントの受け取りならできそう、オンラインの授業参加なら検討できるなど、小さな接点の可能性を一緒に探る場として使えます。
卒業や内申にどう関わるか
不登校が続くなかで、卒業の見通しや内申書への影響は気になるところです。
面談の場で直接確認しておくと、漠然とした不安を具体的な情報に置き換えることができます。
自治体や学校ごとに対応が異なる部分もあるため、うちの子の場合はどうなりますかと個別に聞いてみることが一番確実です。
高校進学や通信制の話はいつまでに考えるか
中学生の段階で進路をすぐに決められなくても、それ自体は珍しいことではありません。
全日制だけでなく、通信制高校や定時制高校、フリースクールなど、選択肢は以前よりもずっと広がっています。
通信制高校は入学試験が面接や作文中心の学校も多く、出席日数を重視しない選考が一般的です。
いつまでに何を決める必要があるのか、スケジュール感だけでもこの場で確認しておくと、焦りが少し和らぎます。
今すぐ決めなくていいことと、今つないでおきたいこと

進路のことも、学校との関係のことも、焦りが先に立つと、考えなければならないことが全部同じ重さに見えてしまいます。
ここでは、今の段階で分けて考えられることを整理しておきます。
進路がまだ決められなくても大丈夫なこと
高校進学のことを考えなければと感じていても、今すぐ志望校を決める必要はありません。
中学2年の段階であれば、出願準備までにはまだ時間があります。
通信制高校の多くは秋以降に出願が始まりますし、学校見学も本人が行けなければ親だけで参加できるところが増えています。
進路の情報収集と意思決定は別のステップなので、まずは情報だけ少しずつ集めておくという構えで十分です。
文部科学省の調査では、中学時代に不登校だった生徒のうち約85%が高校に進学しています。
進路が見えない今の段階から、将来が閉ざされているわけではないということを、一つの目安として知っておいてもらえたらと思います。
学校や相談先と細く長くつながっておくこと
三者面談は年に数回しかありませんが、学校との接点はそれだけに限りません。
担任への電話やメール、スクールカウンセラーへの相談など、面談以外でもつながりを持ち続けることはできます。
自治体の教育相談センターやフリースクールなど、学校以外の相談先を持っておくことも、親自身の支えになります。
今回の三者面談がうまくいかなくても、次の接点をつくることはいつでもできます。
一度にすべてを解決しようとしなくていいということ、それ自体が今の段階でいちばん必要な考え方かもしれません。
もし、お子さんとの関わり方や今の状態について、誰かと一度話してみたいと感じたときは、心理カウンセリングという選択肢もあります。
答えをもらいに行くというよりも、頭のなかにあるものを整理する時間として使っていただけたら、それだけで見え方が少し変わるかもしれません。
