ネガティブ思考の自分はうざいかも?最近まわりに嫌われている気がします

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

ネガティブに考えてしまう自分を、うざいのではと感じるのは、それだけ周りを大切に思っている裏返しでもあります。

嫌われたかもしれないという不安は、事実と想像が混ざり合いやすいものです。

この記事では、その気持ちの仕組みをほどきながら、必要なときに頼れる相談先までお伝えします。

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20代女性(会社員)

もともと考えすぎる性格で、仕事帰りに友人へ、つい愚痴や不安ばかりを話してしまいます。

先日それとなく話題を変えられた気がして、重いと思われたのかもしれないと落ち込みました。

自分のネガティブなところが、周りをうんざりさせているのではないかと、気になって仕方がありません。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。

うざいと思われたかもしれない。そんな不安は、はっきりした理由がないまま、静かに気持ちをすり減らしていきますよね。

この記事では、その感覚がどこから来るのかを一緒に整理しながら、自分を責めずにできる考え方や関わり方の見直し方を、順番に見ていきます。

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「うざいと思われているかも」と感じてしまうあなたへ

まずは、いま感じている居心地の悪さを、無理に打ち消さずにそのまま置いてみます。うざいと思われたかもという感覚は、あなたの性格そのものより、不安の受け取り方と深く結びついています。この章では、その不安を少し切り分けるところから始めます。

「嫌われた」は事実か想像かを切り分ける

実際に起きた出来事と自分が足した解釈を分けると、不安を確定した事実として扱わずにすみます。
実際に起きた出来事と自分が足した解釈を分けると、不安を確定した事実として扱わずにすみます。

誰かに重いと思われたかもしれない。そう感じたとき、頭の中では相手の反応が何度も再生されます。

けれど、その多くは相手が実際に口にした事実ではなく、こちらが後から補った想像であることも少なくありません。

話題を変えられた、返信が少し遅い。こうした出来事は、あなたへの評価とは限らず、相手の疲れやその日の都合で起きていることもあります。

不安が強いときほど、こちらは相手の沈黙や表情に、悪い意味を読み取ってしまいがちです。けれど、その意味づけはまだ確かめられていない仮の答えにすぎません。

相手が実際に言った事実と、自分で付け足した解釈を、いったん分けて眺めてみる。 それだけで、嫌われたという感覚の輪郭が変わって見えることがあります。

ネガティブ思考は防衛反応で人格の否定ではない

ネガティブに考える力は、危険や失敗をあらかじめ避けるための、いわば心の防衛反応です。

試験に落ちるかもと不安になるから準備をし、失敗するかもと思うから確認を重ねられます。後ろ向きに見える思考は、慎重さや人への配慮の裏返しでもあります。

物事の悪い面に気づけるからこそ、ミスを事前に直せたり、相手の小さな変化に気づけたりすることもあります。周りに気を配れるのは、この感度の高さがあるからです。

問題は、ネガティブに考えること自体ではなく、そんな自分をさらにネガティブに責めてしまう二重の苦しさにあります。

ネガティブ思考は直すべき欠点ではなく、これまであなたを守ろうとしてきた働きだと捉え直すと、自分を責める力が少しゆるみます。

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ネガティブ思考を「嫌われる」と感じてしまう理由

余裕が減っている日は、同じ出来事でも拒絶のサインに見えやすくなります。
余裕が減っている日は、同じ出来事でも拒絶のサインに見えやすくなります。

では、なぜここまで嫌われる不安が強くなるのでしょうか。ここでは、その感覚を生む心の仕組みを、いくつかの角度から整理します。原因が見えてくると、自分だけを一方的に責めずにすみます。

見捨てられ不安と自己肯定感の低下

うざいと思われたくないという気持ちの奥には、大切な人に見捨てられたくないという願いが隠れていることがあります。

自分に自信が持てないと、相手の小さな反応まで拒絶のサインのように見えてしまいます。

疲れているときや、自己肯定感が下がっているときほど、この結びつきは強くなります。

反対に、体調が整っていて余裕があるときは、同じ出来事でもそこまで気にならないものです。つまり、いま不安が強いのは、あなたの内側の状態がそうさせている面もあります。

不安が大きいのは、あなたが弱いからではなく、心のエネルギーが今少し減っているサインかもしれません。

反芻・白黒・べき思考というクセ

つらさを強める考え方のクセは、認知行動療法では認知のゆがみと呼ばれ、いくつかの型に整理されています。

代表的なものを並べると、次のようになります。

思考のクセどんな考え方か
反芻思考過去の失敗や後悔を繰り返し思い返す
白黒思考良いか悪いか、好きか嫌いかで割り切る
べき思考こうあるべきと自分や相手を強く縛る

これらが重なると、ささいな出来事も嫌われた証拠のように感じられます。

挨拶が返ってこなかったとき、嫌われたと決めつける前に、聞こえなかったのかもと別の可能性を一つ足してみる。考えの選択肢を増やすことが、クセをゆるめる第一歩です。

気質と家庭環境と失敗体験の重なり

今の身構えは、気質や環境、経験が重なって身を守るために形づくられた可能性があります。
今の身構えは、気質や環境、経験が重なって身を守るために形づくられた可能性があります。

ネガティブになりやすさは、生まれ持った繊細さだけで決まるわけではありません。

否定的な言葉が多い環境で育った、比較や叱責を受ける機会が多かったなど、育ちの中で少しずつ形づくられていくこともあります。

そこに過去の失敗体験が重なると、また同じことが起きるという予測が働きやすくなります。

だからこそ、うざいと思われたくないという身構えは、あなたが弱いのではなく、これまでの経験に対する自然な反応でもあります。

今の考え方のクセは、あなたがこれまで身を守るために覚えてきたものであって、生まれつきの欠陥ではありません。

今日からできるネガティブ思考とのつき合い方

仕組みが見えてきたら、次は日々の中でできる小さな調整です。無理にポジティブになる必要はありません。ここでは、自分と相手の両方を守る関わり方を整理します。

頭の中を書き出して距離を取る

頭の中の反芻を紙に移すと、事実と解釈を落ち着いて見分けやすくなります。
頭の中の反芻を紙に移すと、事実と解釈を落ち着いて見分けやすくなります。

不安がぐるぐるするときは、頭の中だけで考え続けると、考えがどんどん膨らみやすくなります。

いつ、どんな場面で、誰といるときにその気持ちが出たのかを、短くメモしてみます。

書き出すと、感情と自分の間に少し隙間ができ、事実と解釈を見分けやすくなります。

きれいにまとめる必要はなく、思いついた順に走り書きで構いません。あとから読み返すと、同じ場面で似た不安が出ていることに気づくこともあります。

紙の上に出すだけで、頭の中の重さをいったん外に預けられるような感覚を得られることがあります。

できたことを数え無理にポジティブにしない

ネガティブ思考が強いと、できなかった点ばかりを数えてしまいがちです。

そこで、うまくいったことや、何事もなく済んだことの方に、あえて目を向けてみます。大きな成果でなくてよく、朝起きられた、必要な連絡ができた程度で十分です。

無理に前向きな言葉へ言い換えるより、小さくできたことを一つ拾う方が、気持ちは穏やかに動きます。

できたことを寝る前に一つだけ思い出す、という小さな習慣にしてもよいでしょう。続けるうちに、自分は何もできていないという思い込みが、少しずつ現実と照らし合わされていきます。

前向きさを演じ続けると疲れてしまうので、そこは急がなくて大丈夫です。

相手を疲れさせない伝え方と境界線

話す前に聞いてほしいのか意見がほしいのかを伝えると、双方の負担を調整しやすくなります。
話す前に聞いてほしいのか意見がほしいのかを伝えると、双方の負担を調整しやすくなります。

不安を誰かと分かち合うこと自体は、悪いことではありません。

ただ、同じ愚痴が続くと、聞く側も少しずつ疲れてしまうことがあります。話す前に、今日は聞いてほしいのか、意見がほしいのかを一言添えると、相手も受け止めやすくなります。

相手ひとりに集中して頼るより、話せる相手を複数持っておくと、どちらの負担もやわらぎます。日記や専門家など、人以外の預け先を持っておくのも一つの方法です。

抱えていることを全部ひとりに預けず、相手と自分の間に緩やかな線を引く。 それは相手を遠ざけることではなく、関係を長く続けるための配慮でもあります。

「まわりにうつるかも」を抱え込まない

自分のネガティブが周りにうつって迷惑をかけているのでは、と気になる方もいます。

気分がある程度伝わり合うのは、情動感染と呼ばれる自然な現象で、あなただけの責任ではありません。

罪悪感まで抱えてしまうと、話すこと自体が怖くなり、かえって孤立しやすくなります。

一方で、いつも不安をぶつけられ続ける相手が疲れてしまうのも事実です。だからこそ、うつるかどうかを恐れて黙り込むより、伝え方や頼る相手を分けて調整していく方が現実的です。

周りへの影響を気にかけられること自体が、あなたの優しさです。ひとりで背負い込みすぎなくていいのだと、いったん受け取ってみてください。

気分が伝わることを一人の責任にせず、伝え方や頼り先を分けて調整していけます。
気分が伝わることを一人の責任にせず、伝え方や頼り先を分けて調整していけます。
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ネガティブ思考がうつ・適応障害のサインのとき

ここまでは、日常の範囲での向き合い方をお話ししてきました。一方で、つらさが長く続く場合は、心のケアが必要なこともあります。最後に、その見分け方と相談先を整理します。

眠れない・食欲不振が2週間以上続く目安

気分の落ち込みは誰にでも起こりますが、その程度と長さには目を向けておきたいところです。

眠れない、食欲がわかない、これまで楽しめたことが楽しめない。こうした状態がおおむね2週間以上続くときは、うつ病や適応障害が背景にあることもあります。

これは性格の問題ではなく、心が休息を必要としているサインです。頑張りが足りないのではなく、これ以上ひとりで踏ん張らなくてよい合図だと考えてみてください。

日常生活に支障が出ている、消えてしまいたい気持ちがよぎるときは、我慢を続けないでください。 そのときは、早めに専門家へつなぐことが自分を守る行動になります。

眠れない、食欲がないなどの状態が長く続くときは、早めに専門家へ相談してください。
眠れない、食欲がないなどの状態が長く続くときは、早めに専門家へ相談してください。

公認心理師や医療機関に相談するという選択肢

相談は、限界まで追い詰められてからのものではありません。

つらさの理由をひとりで抱え続けると、視野が狭まり、選べる道まで少なく感じてしまいます。公認心理師によるカウンセリングや、心療内科・精神科は、その視野を一緒に広げる場です。

うざいと思われているかもという不安も、専門家の前でなら、責められる心配なく言葉にできます。誰かに話すこと自体が、こんがらがった気持ちをほどく助けになることもあります。

迷ったときの窓口として、次のような選択肢があります。

うまく話せなくても大丈夫で、話しながら少しずつ整理していけるのがカウンセリングの場です。今日すぐ動けなくても、こうした選択肢があると知っておくだけで、次に迷ったときの手がかりになります。

うざいと思われているかもしれないという不安を抱えながらも、ここまで読み進めてきたあなたは、ちゃんと自分と向き合おうとしています。その歩幅のまま、無理のないところから始めてみてください。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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