相互依存とは何?共依存との違いが分からない

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

相互依存と共依存、言葉が似ていて混乱しますよね。

どちらも支え合いに見えるぶん、自分の関係がどちらなのか、すぐには見分けづらいものです。

違いが分かってくると、相手との距離のとり方も少し楽になります。

気になることは一人で抱えず、専門家に話してみてくださいね。

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30代女性(会社員・公務員)

付き合って三年になる恋人がいます。

休みの日はいつも一緒で、相手の予定が動くと、自分の予定も全部組み直してしまうんです。

先日それを友人に話したら、それ共依存じゃない、と言われて。

支え合っているつもりだったので、相互依存なのか共依存なのか、急に分からなくなりました。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。

支え合いのつもりが、共依存かもしれない。そう感じた時点で、あなたは自分の関係を丁寧に見ようとしています。

この記事では、相互依存とは何かを依存や共依存と並べて整理し、恋愛や家族の場面での見分け方まで、一緒に確かめていきます。

相互依存という言葉が気になるとき

検索したくなった背景には、たいてい具体的な出来事があります。まずは、その気になる気持ちがどこから来るのかをほどいていきます。

似ている言葉に迷ったときは、関係の中身に目を向けて整理します。
似ている言葉に迷ったときは、関係の中身に目を向けて整理します。

共依存ではと不安になる理由

相互依存を調べていると、すぐ隣に共依存という言葉が並びます。支え合っていたつもりが、急に不健全な関係だったのかと思えてくる。その瞬間に、胸がざわつく人は多いはずです。

言葉が紛らわしいのには理由があります。相互依存も共依存も、外から見ると同じ支え合いに映るからです。だから自分の関係がどちらなのか、当事者ほど分かりにくくなります。

不安が動くのは、あなたの関係にそれだけ相手の存在が深く関わっているからです。どうでもいい相手なら、共依存かどうかを調べようとはしません。気になること自体が、関係を大事にしている証でもあります。

言葉に当てはめて白黒つける前に、まず自分が何にひっかかったのかを見てみる。なんとなく苦しい、なぜか予定が合わせづらい。そんな小さな違和感のほうが、実際の関係をよく映します。言葉を決めるのは、そのあとで間に合います。

気になった違和感をきっかけに、自分の関係を静かに振り返ります。
気になった違和感をきっかけに、自分の関係を静かに振り返ります。

診断名のように、きれいに割り切れる関係はそう多くありません。多くの人は、健やかさと危うさの両方を抱えています。どちらに傾いているかを見る、くらいの気持ちで十分です。

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相互依存とは何か、依存・共依存との違い

似た言葉が三つ並ぶと、それだけで頭がこんがらがります。依存・自立・相互依存を段階として並べ、共依存との差まで順にほどきます。

依存・自立との段階的な違い

自己啓発書『7つの習慣』は、人の成長を三段階でとらえます。依存から自立へ、その先に相互依存という順序です。心の成熟を説明する枠組みとして、広く引用されてきました。

依存は、相手がいないと立てない状態を指します。ただ、依存そのものが悪いわけではありません。人は誰でも、子どもの頃は親に頼って育ちます。問題になるのは、大人になっても相手に決定を丸ごと預けてしまうときです。

自立は、自分の足で立ち、自分で決められる状態です。自立した人は、これは私の責任だ、と引き受けられます。うまくいかない原因を、まわりに丸投げしません。

依存から自立を経て、互いに支え合う関係へ進む流れです。
依存から自立を経て、互いに支え合う関係へ進む流れです。

相互依存は、自立した人同士が支え合う関係を言います。一人では届かない力が、そこから生まれます。足し算ではなく、かけ算に近い形と言われることもあります。

ここで見落としやすいのが順番です。依存から、いきなり相互依存へは進めません。一度しっかり自立した土台の上に、健やかな支え合いが育ちます。だから今が苦しくても、それは通り道かもしれません。

「私」と「私たち」の使い方の違い

三つの状態は、ふだんの口ぐせにも表れます。依存している人は、ついあなたのせいという言い方に傾きます。うまくいかない理由を、相手や状況に預けている状態です。

自立した人は、私はこうすると話します。相互依存の関係にある人は、私たちならという主語を自然に使います。支える側と支えられる側が、対等に並んでいる感覚です。

互いの考えを出し合って決めることが、対等な関係を支えます。
互いの考えを出し合って決めることが、対等な関係を支えます。

同じ支え合いでも、自分を消して相手に合わせるのか。それとも二人で並んで進むのか。主語のちがいに、その差が静かににじみます。

たとえば、相手に予定を合わせたあと。合わせてあげた、と感じるか、一緒に決めた、と感じるか。同じ行動でも、内側の主語は違っています。自分が最近どちらに近いか、思い返してみる価値はあります。

相互依存かもと思ったときのセルフチェック

自分の関係がどちらに近いか、いくつかの目安で見てみましょう。次の項目に心当たりが多いほど、共依存の色合いが濃くなります。

  • 相手の機嫌で、自分の一日の気分まで決まる
  • 断ると嫌われそうで、本音を言えない
  • 相手の問題を、いつも自分が引き受けてしまう
  • 二人以外の世界が、だんだん薄くなっている
気になるサインを責めずに見つめ、関係を振り返る手がかりにします。
気になるサインを責めずに見つめ、関係を振り返る手がかりにします。

当てはまっても、あなたが悪いわけではありません。これは責めるためのリストではなく、距離を測るための道具です。一つ二つなら、多くの関係に見られる揺れです。数が多いときほど、少し立ち止まる合図と受け取ってください。

チェックの目的は、相手を裁くことでもありません。自分が今どこにいるかを知れば、次の一歩が選びやすくなります。気になる項目があれば、その場面をひとつ思い出してみましょう。いつ、どんなやりとりでそう感じたのか。具体的に思い返すほど、対策も立てやすくなります。

恋愛や家族で相互依存が生まれる場面

言葉の整理ができたら、次は現実の場面に当てはめてみます。相互依存と共依存が分かれやすい、恋愛と家族の二つを取り上げます。

恋愛関係に見える相互依存のサイン

恋人同士は距離が近いぶん、支え合いと寄りかかりの境目が曖昧になります。健やかな相互依存なら、一緒にいて安心でき、離れても自分の時間を楽しめます。信頼があるからこそ、それぞれの世界を尊重できます。

一緒にいても自分の時間を保てることは、関係を見直す目安になります。
一緒にいても自分の時間を保てることは、関係を見直す目安になります。

気をつけたいのは、相手中心に予定が回り始めたときです。自分の約束を、毎回あとから組み直す。趣味や友人との時間が、いつのまにか削れている。こうした変化が続くと、支え合いから共依存のほうへ傾きます。

もう一つのサインは、相手の様子に自分の状態が引っぱられる度合いです。返信が途切れただけで、何も手につかなくなる。そんな日が増えているなら、少し距離を意識したいところです。

見分ける手がかりは、一人の時間が心地よいかどうかです。相手といない時間に、落ち着かなさが強いなら気にとめてください。その落ち着かなさが何に向いているのかを、あわせて見てみましょう。

尽くすこと自体は、悪いものではありません。ただ、尽くさないと不安、という状態は少し危ういものです。好きだからする、と、しないと嫌われる、は似て非なる気持ちです。

自分の時間を大切にしながら、一緒に決める姿勢も育てられます。
自分の時間を大切にしながら、一緒に決める姿勢も育てられます。

家族や夫婦関係での相互依存の例

家族は役割が固定されやすく、依存の形も見えにくくなります。たとえば、親が子の世話を焼き続け、子もそれに頼りきる。必要とし合ううちに、離れる選択肢が静かに消えていきます。

夫婦でも、片方が尽くし、片方が受け取るだけの形は起こります。尽くす側は、いつのまにか自分の望みを後回しにしがちです。やがて、相手のためという言葉が、自分を縛る鎖にもなります。支える側にも、その関係を続けたい事情が隠れている場合があります。

相互依存の関係では、支える役割が一方に固定されません。その日の状況しだいで、支える側と頼る側が入れ替わります。このゆらぎがあるかどうかが、一つの分かれ目になります。

弱った日には、素直に頼れる。元気な日には、相手を支えられる。その行き来ができる関係は、片方だけが疲れきる形になりにくいです。

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相互依存の関係を心地よく見直すには

見分けがついても、関係をどう扱うかは別の問題です。どちらか一方を切り離す必要は、必ずしもありません。自分を守る線引きと、頼れる場所という二つの手立てを見ていきます。

自分を犠牲にしない境界線の引き方

境界線とは、ここまでは応じる、ここからは守る、という線引きです。相手を突き放すこととは違います。

境界線は、相手を拒むのではなく自分を守る線引きです。
境界線は、相手を拒むのではなく自分を守る線引きです。

全部に応えようとすると、いつか自分が空っぽになります。だからまず、小さく断る練習から始めてみてください。今日は疲れたから休みたい、と伝えるだけでも一歩です。最初は心がざわついても、それは線を引けたサインです。

罪悪感がわくのは、これまで我慢で支えてきた証です。その感覚に慣れるまでは、少し時間がかかります。

断り方も、最初から完璧でなくて大丈夫です。ごめん、今日は難しい、の一言から練習できます。相手の反応を確かめながら、少しずつ幅を広げていけます。

線を引いても、続く関係はちゃんと続きます。むしろ、無理のない距離のほうが長持ちします。我慢で保つより、正直でいられる関係のほうが軽いはずです。

一人で抱え込まず専門家に相談する目安

眠れない日が続く。食欲が落ちる。相手のことで頭がいっぱいになる。こうしたサインが重なるときは、一人で抱えないでほしいと思います。

つらさが重なるときは、専門家と一緒に気持ちを整理できます。
つらさが重なるときは、専門家と一緒に気持ちを整理できます。

相談は、限界まで我慢してからでなくてかまいません。気持ちを言葉にする段階で、頭のなかは少し整理されます。うまく話せなくても、そこは気にしなくて平気です。専門家は、断片的な言葉から一緒に糸口を探してくれます。

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厚生労働省のまもろうよ こころに、電話やSNSの相談窓口がまとまっています。気持ちの整理を手伝ってくれる場所として、心にとめておくと心強いです。話す相手は、専門家でも信頼できる友人でもかまいません。

相互依存とは、どちらかが我慢して保つ関係ではありません。二人で並んで立てるかどうか。その問いを、あなたのペースで確かめていけば大丈夫です。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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