ゴトン病とはどういう状況?クレーンゲームが辞められないので診断基準や治し方を教えて

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

その繰り返しを、意思の弱さだと責めている方は少なくありません。

その仕組みを知り、自分を追い詰めずに距離を測るところから始めてみてください。

アバター画像

30代男性(会社員)

ここ半年ほど、仕事帰りにゲームセンターへ寄るのが習慣になっています。欲しい景品があるわけでもないのに、取れるまでお金を入れてしまいます。

先週も、気づいたら数千円使っていました。家に着いてから、なんでまたやったんだろうと落ち込みます。

やめたい気持ちはあるのに、あの取れた瞬間が忘れられません。

ココラボ相談室からの回答

取れた瞬間の感覚が頭に残っていて、やめたいと思っているのに、また手が伸びてしまう。その繰り返しのなかで、景品よりも自分を責める気持ちのほうが積み重なっているのかもしれません。

この記事では、ゴトン病と呼ばれるこの状態を、良し悪しで裁く前に、どんな仕組みで続いてしまうのかを一緒に整理していきます。

cotreeは日本最大級の
オンラインカウンセリングサービス

登録しておけば、
頼りたいときにすぐ相談の1歩を踏み出せます!

クレーンゲームが辞められない今の状態

この章では、やめたいのに手が伸びてしまう今の感覚を、良し悪しで裁く前に一度言葉にしてみます。責めるためではなく、何が起きているのかを落ち着いて眺めるところから始めます。

景品より取る瞬間を求める感覚

欲しい景品があるわけではないのに、気づけば台の前に立っている。そんな状態に心当たりがある人は少なくありません。クレーンゲームやオンクレを続けるうちに、目的が景品そのものから、取れた瞬間の感覚へと少しずつ移っていくことがあります。

部屋には袋のままの景品が積み上がっているのに、また新しい台に向かってしまう。そのちぐはぐさに、自分でも戸惑っているかもしれません。

こうした移り変わりは、ある日を境に起きるわけではありません。少しずつ進むので、気づいたときには手応えのほうが目的になっていた、ということが起こりやすいのです。

景品そのものより、取れた瞬間の記憶が次の一回を誘うことがあります。
景品そのものより、取れた瞬間の記憶が次の一回を誘うことがあります。

ゴトン音や達成感が残る理由

景品が落ちるときのゴトンという音や、取れた瞬間の達成感は、思っている以上に記憶に残ります。UFOキャッチャーやオンラインクレーンゲームでも、この手応えを求めて手が動いてしまう人がいます。

うまくいった記憶だけが強く残り、使った金額の記憶は薄れていく。この偏りが、次のプレイへと背中を押してしまいます。

ゴトン病と呼ばれる状況

ここでは、ゴトン病という言葉が何を指すのかを整理します。名前の重さに引っぱられて、必要以上に自分を追い込まないための土台にしてください。

▼あわせて読みたい

クレーンゲームをやめられない子供が心配…これはゲーム依存症?

ご相談ありがとうございます。お子さんがクレーンゲームに夢中になる姿を見て、このままで大丈夫なのかな、と不安になるのは親としてとても自然なことだと思います。 クレ…

URL:https://kokolaboratory.com/qa-1606/

正式な病名ではない俗語

ゴトン病とは、クレーンゲームがやめられない状態を指す言い方で、景品が落ちるゴトンという音が由来です。ただ、これは医学的な病名ではなく、あくまで俗語として広まった言葉です。

そのため、当てはまったからといって、すぐに病気だと決めつける必要はありません。まずは呼び名にすぎない、と一歩引いて見ておくくらいがちょうどよいと思います。

趣味の範囲と依存傾向の違い

節度を保って楽しめているうちは、クレーンゲームは十分に良い趣味です。線引きが難しいのは、生活を楽しくする範囲から、生活を圧迫する側へ傾き始めたときです。

ココラボでは、この状態を病気と断じるより、行動嗜癖に近い傾向としてゆるやかに捉えています。白黒をつけるより、今どのあたりにいるのかを確かめる姿勢が役に立ちます。

趣味として楽しむ範囲と、負担になり始める境目を静かに見直すことが大切です。
趣味として楽しむ範囲と、負担になり始める境目を静かに見直すことが大切です。

診断ではなく確認したい目安

この章は、ゴトン病 診断という言葉で調べた方に向けたものです。ただし、はっきりした診断基準があるわけではないので、自分の状態を見つめ直す目安として読んでください。

お金と時間が増えている

まず確かめたいのは、使うお金や時間が、以前より増えていないかという点です。最初は数百円のつもりが、月単位で振り返ると大きな金額になっていることがあります。

金額そのものより、増えていく傾向に気づけているかどうかが手がかりになります。一度、一週間だけプレイした日と金額をメモしてみると、頭の中の感覚と実際のずれが見えてくることがあります。

やめたいのに続けてしまう

今日はやらないと決めていたのに、ゲームセンターの前を通ると足が向いてしまう。この繰り返しも、確認しておきたいサインのひとつです。

やめたい気持ちと、続けてしまう行動のあいだにずれがあるほど、意思だけで抑えるのは難しくなっていきます。

生活や家族に影響が出ている

次のような状態が続いているなら、少し立ち止まる合図かもしれません。目安として、ゆるやかに眺めてみてください。

  • 生活費や貯金に手をつけ始めている
  • 家族やパートナーとの関係がぎくしゃくしている
  • プレイのことが一日中頭から離れない

いくつ当てはまるかで決まるものではありません。当てはまる項目があっても、それは今の自分を知る材料にすぎません。

診断ではなく、今の状態を知るための目安として確認してみてください。
診断ではなく、今の状態を知るための目安として確認してみてください。

やめられない心理の仕組み

ここでは、なぜ辞められないのかを、責める視点を外して仕組みから整理します。意思が弱いからではなく、そう感じやすい構造があると知るだけでも、少しブレーキがかけやすくなります。

もう少しで取れそうな刺激

クレーンゲームは、景品が少し動いたり、一瞬持ち上がったりと、あと少しで取れそうな場面が頻繁に起こります。この惜しいという感覚が、もう一回を引き出します。

毎回ではなく、たまに取れるという不規則な当たり方は、間欠強化と呼ばれ、脳の報酬系を強く刺激します。ドーパミンが関わるこの仕組みは、ガチャやギャンブルにのめり込む理由とも共通しています。

確率機と呼ばれる台では、一定額に届くまで取れにくい設定になっていることもあります。惜しいと感じた場面の多くは、演出として作られた惜しさだった、という見方も知っておくと少し冷静になれます。

あと少しで取れそうという刺激は、もう一回を選びやすくするきっかけになります。
あと少しで取れそうという刺激は、もう一回を選びやすくするきっかけになります。

使ったお金を惜しむ心理

すでに二千円使ったから、ここでやめたら無駄になる。そう感じて手が止まらなくなることがあります。これはサンクコスト効果と呼ばれ、取り戻せない出費ほど惜しくなる心理です。

冷静に考えれば、これ以上使っても取れる保証はありません。それでも、惜しむ気持ちが判断を鈍らせてしまうのです。

ストレスや孤独感の穴埋め

仕事や人間関係で満たされない気持ちを、クレーンゲームの刺激で埋めていることもあります。取れた瞬間だけは、もやもやから解放される感覚があるのかもしれません。

ただ、埋めた分だけまた足りなくなり、次を求めてしまう。この循環に気づくことが、距離を取る最初の一歩になります。

やめられないのは、意思の弱さというより、しんどさを一時的にやわらげる手段になっているからかもしれません。だとすれば、責めるより、その手前にある疲れや孤独に目を向けるほうが、状態はほぐれていきます。

辞めたいときの距離の取り方

ここからは、ゴトン病 治し方として知られる工夫を、続けやすい形で整理します。気合いで我慢するより、そもそもやりにくい状態をつくるほうが現実的です。

ゲーセンやアプリから離れる

見るだけのつもりでも、台が目に入ると取れた記憶がよみがえり、スイッチが入ってしまいます。帰り道のルートを変えて、ゲームセンターが視界に入らないようにするのが有効です。

オンクレの場合は、アプリをいったん削除してしまうのもひとつの手です。開いてすぐ遊べる状態を、少し遠ざけておきます。

意思だけで止めようとせず、触れる機会を減らす工夫から始めてみましょう。
意思だけで止めようとせず、触れる機会を減らす工夫から始めてみましょう。

使えるお金を物理的に減らす

予算を決めるだけでは、その場で崩れてしまうことがあります。財布に必要以上の現金を入れない、電子マネーの残高を残しておかないなど、物理的に使えない状態をつくるほうが確実です。

最近はキャッシュレスで遊べる台も増えています。カードや口座との紐付けを外しておくと、勢いで課金する余地を減らせます。

景品や動画を見直して刺激を減らす

部屋に積まれた景品を一度整理してみると、これまでの自分を客観的に眺めるきっかけになります。置き場所のない景品を前に、ふと冷静になれることがあります。

あわせて、SNSや動画でクレーンゲーム関連の情報に触れる頻度も見直してみてください。おすすめ欄に流れてくる攻略動画は、それ自体が小さな引き金になります。目に入る刺激が減るほど、やりたい気持ちも静まりやすくなります。

ひとりで抱え込まない状態

最後に、自分だけで抱えないほうがよい状態について触れます。これは脅すためではなく、頼れる先を知っておくための整理です。

身近な刺激を少し整理すると、遊びたい気持ちが静まりやすくなります。
身近な刺激を少し整理すると、遊びたい気持ちが静まりやすくなります。

借金や生活費に触れている

プレイのお金を工面するために、生活費や貯金を削り始めている。あるいは借り入れが増えている。こうした段階に来ているなら、早めに相談先を持っておくと安心です。

お金のことは一人で抱えるほど視野が狭くなりがちです。第三者の視点が入るだけで、選べる道が見えてくることがあります。まずは無料の窓口に電話で状況を話すだけでも、次の一手が整理されていきます。

嘘や隠しごとが増えている

使った金額をごまかしたり、行き先を偽ったりすることが増えているなら、それは負担が大きくなっているサインかもしれません。隠すエネルギーそのものが、じわじわと心をすり減らします。

誰かに正直に話せる場があると、それだけで少し楽になることがあります。

自己嫌悪や落ち込みが強い

またやってしまったという後悔が積もり、気分の落ち込みが続いているなら、心の負担は小さくありません。眠れない、食欲がわかないといった変化が重なるときは、我慢を続けないでください。

公認心理師によるカウンセリングや、心療内科という選択肢もあります。行動嗜癖の相談先としては、厚生労働省のギャンブル等依存症でお困りの方へから、全国の相談窓口を調べることもできます。

ゴトン病とは何かを知ったうえで、今の自分に必要なのが少しの工夫なのか、誰かの手なのかを、あなたのペースで選んでいけます

アバター画像

監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

この記事をシェアする

cotreeは日本最大級の
オンラインカウンセリングサービス

登録しておけば、
頼りたいときにすぐ相談の1歩を踏み出せます!

公認心理師が
あなたの一歩を支えます

相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。

公認心理師がサイト上で回答します

公認心理師にオンラインで相談

カウンセリングの詳細