衝動買い心理とは?する人の特徴を知りたい。やめたいのに止まらない

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

衝動買いは、意志の弱さというより、疲れやストレスで気持ちがいっぱいになったときのサインとして現れることが多いものです。

自分の傾向が見えてくると、少しずつ距離が取りやすくなります。

生活に支障が続くときは、ひとりで抱えず相談も選択肢にしてくださいね。

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30代女性(会社員)

仕事終わりにスマホでネットを見ていると、気づけばカートに服や雑貨を入れて買っています。

届いた時は少しうれしいのに、翌朝には請求額を見て後悔することが増えました。

自分の意志が弱いだけなのか、どこかで止められないのか。毎回同じことを繰り返している自分に、少し疲れてきました。

ココラボ相談室からの回答

買った瞬間はほっとするのに、あとから残る後悔。その繰り返しに疲れてしまうお気持ちは、無理もないことだと思います。

この記事では、衝動買いを意志の強さの問題として片づけず、その時どんな気持ちを埋めようとしていたのかという視点から一緒に整理していきます。

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衝動買い心理とは何か

カートに入れる前後の気持ちの変化に気づくと、衝動と距離を取りやすくなります。
カートに入れる前後の気持ちの変化に気づくと、衝動と距離を取りやすくなります。

衝動買いに悩む人の多くは、なぜ止められないのかという理由をまず知りたいと感じています。ここでは衝動買い心理を、意志ではなく気持ちの動きとして整理していきます。結論を急がず、まずは全体像から見ていきます。

買う瞬間の高揚と後悔

欲しいものを見つけてカートに入れた瞬間、少し気持ちが上向くのを感じたことはないでしょうか。この高揚感は、実際に商品が届いたときよりも、買うと決めた瞬間に強く出やすいと言われています。

だからこそ、手に入れたあとに残るのは満足ではなく後悔だった、ということが起こります。ある消費者調査では、後悔した衝動買いとして服やバッグ、靴などのファッションアイテムが多く挙げられていました(アスマーク調べ)。買う前の期待と、買ったあとの気持ちのギャップに戸惑う人は、決して少なくありません。

意志の弱さだけで見ない

衝動買いをする自分を、意志が弱いからと責めてしまう人は多いです。けれど、この行動を意志の強さだけで説明するのは、少し無理があります。

そこには疲労やストレス、その場の刺激など、いくつもの条件が重なっています。自分を責めるより、どんな状況で手が伸びやすいのかを見ていくほうが、次につながりやすいはずです。

ストレスと報酬感の関係

買い物をすると、脳の中で報酬感に関わる働きが起きるとされ、ドーパミンや報酬系という言葉で語られることがあります。ただ、この仕組みだけで衝動買いのすべてが決まるわけではありません。

ストレスや不安、退屈を感じているときは、目の前の心地よさを選びたくなりやすいものです。先のことより今を優先しやすくなる傾向は、現在バイアスと呼ばれることもあります。買い物が、その一時的な安心を運んでくれる手段になっている場合があります。

疲れや不安から一時的な安心へ向かう流れを知ると、自分を責めにくくなります。
疲れや不安から一時的な安心へ向かう流れを知ると、自分を責めにくくなります。

衝動買いする人の特徴

自分は衝動買いする人なのだろうかと気になって、特徴を探している人もいると思います。ここでは衝動買いをする人の特徴を、責める材料ではなく、気づきのきっかけとして挙げていきます。当てはまる数の多さで、良し悪しを決めるものではありません。

セールや限定に弱い

セール、限定品、残りわずかといった言葉を見ると、今買わないと損な気がして手が止まらなくなる。これは衝動買いをする人の特徴として、よく挙がるものです。

価格そのものより、この機会を逃したくないという気持ちが判断を早めます。必要かどうかを考える前に、もう決めてしまっていることも多いのではないでしょうか。

カードやネットで使いすぎる

夜のスマホ時間は、支払いの実感が薄れて買いすぎにつながりやすい場面です。
夜のスマホ時間は、支払いの実感が薄れて買いすぎにつながりやすい場面です。

カード払いやキャッシュレス決済は便利な一方で、お金が減る感覚が薄くなりやすい面があります。財布から現金が出ていく実感がないぶん、支出が把握しにくくなります。

ネット購入も、思いついたその気分のまま、数回のタップで買えてしまいます。夜に一人でスマホを見ているとき、気づけば注文していたという場面は、衝動買いする人に共通しがちです。

疲れや不安で買いやすい

一日の終わりや、嫌なことがあった日ほど、つい買い物に手が伸びるという人がいます。疲れているときは、じっくり考える力が働きにくくなるためです。

このとき買っているのは、商品そのものというより、少し落ち着きたいという気持ちなのかもしれません。何を買ったかだけでなく、そのとき何を感じていたかに目を向けると、自分の傾向が見えてきます。

特徴を責める材料ではなく、立ち止まるサインとして使うことが大切です。
特徴を責める材料ではなく、立ち止まるサインとして使うことが大切です。

やめたいのに止まらない背景

やめたいのに買ってしまう、その繰り返しが、いちばんつらいところだと思います。ここでは衝動買いの心理の中でも、止まらなさの背景にある気持ちを整理します。原因を一つに決めつけず、いくつかの角度から見ていきます。

買い物で気持ちを埋める

何かを買うと、その瞬間だけは気持ちの隙間が埋まったように感じることがあります。けれど、埋めたかったのが寂しさや不安だった場合、その満たされ方は長くは続きません。

だから、買っても買っても落ち着かず、また次の買い物に向かってしまう。この流れに、うっすら気づいている人もいるのではないでしょうか。

本当に欲しいものが見えにくい

自分の欲求を後回しにする習慣が続くと、本当に欲しいものが自分でもわからなくなることがあります。すると、特売だったからという理由が、買う理由の代わりになりやすくなります。

心理カウンセラーの山根洋士さんは、こうした状態を、欲しいものを欲しいと言えないまま買い続ける姿として説明しています。自己肯定感の低さとも重なりやすい話で、買う行為でその不足を補おうとしている場合があります。

本当に埋めたい気持ちを分けて見ると、買う以外の選択肢も見えやすくなります。
本当に埋めたい気持ちを分けて見ると、買う以外の選択肢も見えやすくなります。

広告やSNSで衝動が強まる

スマホを開けば、広告やSNSを通して、魅力的な商品が次々と目に入ってきます。誰かが使っている様子を見ると、自分にも必要な気がしてくるものです。

買ったあとに残る後悔や罪悪感は、こうした外からの刺激と、疲れた心が重なったときに起こりやすくなります。責めるべきは自分ではなく、その重なりだと考えると、少し見え方が変わってきます。

衝動買いを減らす工夫

完全に買い物を禁止するのではなく、衝動と少し距離を置く工夫から始めるのが現実的です。ここでは、今日から試しやすい小さな方法を挙げます。すべてをやる必要はなく、合いそうなものから選んでかまいません。

24時間置いてから決める

欲しいと思ったものを、その場で買わずに一度置いてみる方法です。ネットならカートに入れたまま一晩、実店舗なら写真を撮って帰り、翌日にもう一度考えます。

一日経つと、思ったほど欲しくなかったと感じることが少なくありません。金額が大きいものは、24時間ではなく一週間ほど置くと、後悔が減りやすくなります。

欲しいものと必要なものを分ける

手が伸びたとき、それが欲しいものなのか、必要なものなのか、気持ちを落ち着けたいものなのかを分けてみます。買い物リストをあらかじめ作り、リスト外は保留にするのも、同じ考え方です。

セールや通知に押されやすい人は、買い物アプリの通知やセールメールをオフにしておくと、刺激に触れる回数が減ります。月に使える予算をあらかじめ決めておくのも、判断の支えになります。

欲しい、必要、落ち着きたいを分けると、その日の判断を保留しやすくなります。
欲しい、必要、落ち着きたいを分けると、その日の判断を保留しやすくなります。

支出と感情を記録する

衝動買いをしたあとに責めるより、記録として残すほうが次につながります。何を、どんな気持ちのときに、いくらで買ったかを、簡単にメモしておくやり方です。

見るのは、次の三つで十分です。

  • 買った場面(どこで、どんな状況だったか)
  • 買う前の感情(疲れ、不安、退屈など)
  • 金額と、買ったあとの気持ち

続けるうちに、自分がどんなときに手が伸びるのかが見えてきます。パターンがわかれば、その手前で立ち止まりやすくなります。

ひとりで抱えない方がよい状態

工夫を試しても止まらず、生活に影響が出てきたときは、ひとりで抱えなくてよい段階かもしれません。ここでは、相談を考える目安を、脅しではなく選択肢として挙げます。当てはまるかどうかで、自分を診断する必要はありません。

生活費や借金への影響

衝動買いが続き、生活費が足りなくなったり、返済が難しくなってきたときは、注意したいサインです。お金のことは、一人で抱えると視野が狭くなりやすい領域です。

こうした場合は、心の相談だけでなく、家計の相談や借金に関する公的な窓口も選択肢になります。金銭面の整理は、気持ちの負担を軽くすることにもつながります。

買わないと落ち着かない

買わないと落ち着かない、買い物をしないと気分が沈む、という感覚が続くときも、立ち止まりたい場面です。買う行為そのものを止められないと感じる状態は、意志だけで抱えるには重いことがあります。

このとき大切なのは、自分の弱さと捉えて我慢を重ねることより、状況を誰かと一緒に見てもらうことです。話す相手がいるだけで、見え方が変わることもあります。

生活や気分に支障が出ているときは、相談を選んでよいサインです。
生活や気分に支障が出ているときは、相談を選んでよいサインです。

心療内科や相談先の目安

衝動買いと、買い物依存症やADHD、双極性障害といった状態との関連が語られることがあります。ただ、これらは記事を読んで自分で判断できるものではありません。

どうしても止められない感覚が続き、生活や気持ちに強い支障が出ているときは、心療内科や精神科、カウンセリングで話してみるのも一つの選択です。それは病名をつけるためではなく、なぜ自分はこうなるのかを一緒に整理するための相談だと考えてもらえたらと思います。

読んだ内容を、今日すぐに全部実行する必要はありません。次に欲しいものが出てきたとき、そのとき自分が何を埋めようとしているのかに、少しだけ目を向けてみる。まずは、そこからで十分だと思います。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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