精神疾患で顔つき・目つきは変わるの?特徴が気になるので教えて
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
相談の現場では、家族の顔つきが変わった気がすると不安を抱えて来られる方によくお会いします。
ただ表情や目つきは、疲れや睡眠でも揺れるもので、それだけで見立てはできません。
私自身は見た目よりも、本人が何に困っているかを一緒にたどることを心がけています。
40代女性(会社員)
最近、一緒に暮らす息子の顔つきが、前と少し違う気がしています。表情が乏しくなり、目がどこかうつろに見える日が続いていて、心配です。
調べていると病んでる目つきという言葉も出てきて、まさか精神疾患なのかと不安になります。
見た目だけで決めつけてはいけないとも思うのですが、何を手がかりにすればよいのでしょうか。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
前より表情が少ない、目がうつろに見える。そうした変化に気づくと、心配と同時に、どこまで踏み込んでよいのか迷ってしまいますよね。
精神疾患で顔つきや目つきに変化が見られることはありますが、見た目だけで判断できるものではありません。
この記事では、顔つき・目つきに出ることがある特徴、疾患ごとの見え方の違い、そして顔以外で見ておきたい生活のサインを、順番に整理していきます。
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顔つき・目つきが気になる不安

身近な人の顔つきや目つきが前と違って見えると、最初に動くのは心配の気持ちだと思います。ここでは、その不安をすぐに結論へ結びつけず、まず何に戸惑っているのかを整理していきます。
変化に気づいたときの戸惑い
前より表情が少ない、笑うことが減った、目がどこかぼんやりしている。そう感じると同時に、どこまで踏み込んでよいのか、声をかけてよいのかと迷ってしまうものです。
毎日顔を合わせている相手ほど、小さな変化に気づきやすい一方で、その変化を言葉にするのは難しいものです。気のせいかもしれない、自分が気にしすぎているだけかもしれない。そんなふうに揺れながら、はっきりさせられないまま不安だけが残ることもあります。
ここで意識しておきたいのは、変化に気づいたこと自体が、相手を心配しているからこそ生まれた感覚だということです。観察して評価しようとしているわけではなく、いつもと違う様子に心が反応している。その視点を持っておくと、このあとの見方も少し落ち着いて進められます。

病気かもと感じる怖さ
顔つきや目つきの変化を調べていくと、精神疾患という言葉に行き当たることがあります。病んでる目つきといった表現を目にして、まさか自分の身近な人もそうなのではと、急に怖さが膨らむこともあるかもしれません。
ただ、こうした言葉は印象を強く伝える反面、相手を一つのラベルに当てはめてしまう危うさも持っています。精神疾患 顔つきと検索して並ぶ情報の多くは特徴の一覧で、目の前の相手がそれに当てはまるかどうかまでは教えてくれません。
怖さが先に立つと、つい白か黒かで答えを出したくなります。けれど顔つきや目つきは、あくまで心や体の状態がにじみ出る入口の一つであって、そこから病名を決められるものではありません。見た目だけで精神疾患かどうかを判断しないことを前提に、何が見えているのかを少しずつ整理していきます。

顔つき・目つきに出る特徴
精神疾患 顔つき 特徴として語られる変化には、表情や目の動きに関するものが多くあります。ただし、どの特徴も単独で診断につながるものではなく、続いている期間や生活の変化と合わせて見ることが大切です。
無表情や口角の変化
心の調子が下がっているとき、顔に最初に出やすいのが表情の動きの少なさです。喜怒哀楽が伝わりにくくなり、無表情に近い印象になることがあります。
これは感情そのものが消えるというより、表情を動かす意欲やエネルギーが落ちている状態に近いと考えられます。口角が自然に下がったままになる、笑顔をつくっても以前より硬く見える、といった変化もこの延長線上にあります。
精神疾患 顔つき 特徴として語られるものの多くは、この表情の乏しさを指しています。ただ、表情が少ない日が一日二日あるだけなら、単純な疲れや寝不足でも起こりうる範囲です。続いているかどうかという時間の幅で見ていくと、印象に振り回されにくくなります。

目がうつろに見える
目つきの変化として相談に挙がりやすいのが、目がうつろに見えるという感覚です。視線がどこか一点を見ているようで見ていない、焦点が定まっていないように映ることがあります。
疲労や睡眠不足が重なると、健康な人でも目に力が入らず、ぼんやりした印象になります。そこに気分の落ち込みが加わると、外の世界への関心が薄れ、目の表情がさらに静かになることがあります。
精神疾患 目つき 特徴として挙げられるうつろさは、こうした関心や活力の低下が映り込んだものとして理解できます。ただし、睡眠不足や身体の不調、服用している薬の影響でも似た見え方になることがあります。

視線が合いにくい
会話のときに視線が合いにくくなる、というのも気づかれやすい変化です。以前は目を見て話していた相手が、うつむきがちになったり、視線をそらすことが増えたりします。
これは相手があなたを避けているとは限りません。気分が沈んでいるときは、人と目を合わせること自体が負担になり、無意識に視線を下げてしまうことがあります。
不安が強い状態でも、相手の反応をうかがうことに疲れて、目を合わせ続けるのが難しくなる場合があります。視線が合わないという事実だけを取り出すと冷たく感じるかもしれませんが、その背景に本人なりのしんどさが隠れている場合もあります。
落ち着かない目の動き
うつろさや視線の低下とは反対に、目が落ち着かない、きょろきょろして見えるという変化が現れることもあります。視線がせわしなく動き、どこか緊張しているように映ることがあります。
これは不安や警戒が高まっているときに見られることがある状態です。気持ちが張りつめていると、周囲の刺激に敏感になり、目の動きにもそれが出やすくなります。
同じ目つきの変化でも、静かにうつろになる方向と、落ち着かなく動く方向の両方があります。この幅を知っておくと、一つの特徴だけで決めつけずにすみます。

疾患ごとに異なる見え方
精神疾患といっても種類はさまざまで、顔つきや目つきへの出方も一様ではありません。厚生労働省のこころの病気について知るページでも、病気ごとに特徴や治療、周囲の関わり方が整理されています。
ここでは代表的なものを取り上げますが、当てはめて診断するためではなく、見え方には幅があることを知るための整理として読んでください。
うつ病・適応障害の場合
厚生労働省のうつ病に関するページでは、うつ病の症状として、気分の落ち込みだけでなく、食欲や睡眠、意欲の低下なども紹介されています。
うつ病では、意欲や感情の動きが全体に低下するため、表情が乏しくなり、目がうつろに見える傾向があります。口数が減り、視線も下がりがちになることが多く、いわゆる元気のない顔つきとして気づかれやすいです。
適応障害は、特定の環境やできごとが負担となって心身の調子が崩れる状態を指します。そのため、職場や学校など負担のかかる場面では表情が硬く曇る一方で、離れた場面では比較的和らぐ、という見え方の差が出ることがあります。
どちらも、本人が怠けているわけでも、気持ちが弱いわけでもありません。エネルギーが落ちている結果として表情に出ているかもしれない、という見方が役に立つことがあります。

統合失調症の場合
厚生労働省の統合失調症に関するページでは、こころや考えがまとまりにくくなる病気として説明されています。症状の現れ方には個人差があり、周囲から見える変化だけで判断することはできません。
統合失調症では、表情や目つきの現れ方が時期によって変わることがあります。感情の表し方が平板になり、無表情に近く、視線が合いにくくなる時期が見られることがあります。
一方で、不安や緊張が強い時期には、視線がせわしなく動いたり、何かを警戒しているような目つきに見えたりすることもあります。ただ、これらはあくまで見られることがあるという範囲の話で、表情だけで統合失調症かどうかを判断できるものではありません。
気になる場合は、見た目の印象より、本人が困っていることがあるかどうかに目を向けるほうが現実的です。眠れない、外出が難しい、会話がかみ合いにくいなど、生活の中で困りごとが出ているかを合わせて見ていきます。

双極性障害の場合
双極性障害では、気分が落ち込む時期と高まる時期があり、それぞれで見え方が大きく異なります。厚生労働省の双極性障害に関するページでも、うつ状態だけでなく、過去の躁状態を確認することの大切さが触れられています。
落ち込む時期はうつ病に近く、表情が乏しく、目がうつろに見えることがあります。反対に気分が高まる躁の時期には、むしろ活動的で生き生きとして見え、目に強い力が宿ったような印象になることがあります。
よく動き、よく話し、自信に満ちた顔つきに映ることもあり、一見すると調子がよさそうに見えるのが特徴です。そのため、元気そうだから心配ないと受け取られやすく、変化として気づかれにくい面があります。
顔つきや目つきの変化は、沈む方向だけでなく、過剰に高まる方向にも現れうる。この両面を持っておくと、見落としが減ります。
ここまで疾患別に触れてきましたが、同じうつろな目つきでも、その背景は疲れや睡眠不足、体調不良、薬の影響などさまざまです。顔つきや目つきだけを取り出して精神疾患だと結びつけるのは、本人にとっても、見ている側にとっても無理のある見方になりがちです。

顔以外で見たい生活サイン
顔つきや目つきの変化が気になったときほど、視線を顔だけに集めず、生活全体に広げてみることをおすすめします。見た目の印象は移ろいやすく、その日の疲れや体調にも左右されます。継続した変化として表れるのは、むしろ日々の暮らしのほうです。
睡眠や食欲の変化
最初に表れやすいのが、睡眠と食欲です。夜眠れていない、あるいは朝起きられず眠りすぎている。食欲が落ちて食事の量が減った、または逆に増えた。こうした変化は、心身の調子を映しやすいサインです。
本人に向けて、病気なのと尋ねるよりも、最近眠れている、ちゃんと食べられている、といった生活の困りごとから聞いたほうが、相手も答えやすいことがあります。顔つきの話から入ると相手は身構えやすいですが、眠りや食事の話であれば、心配の気持ちが自然に伝わります。

会話や反応の変化
会話の様子も、変化が出やすいところです。返事までの間が長くなった、話のテンポがゆっくりになった、以前は乗ってきた話題に反応が薄くなった。こうした変化は、表情以上に、本人のエネルギーの状態を映していることがあります。
反応が鈍いと、無視されたように感じてしまうこともあるかもしれません。ですが、それは関心が消えたのではなく、心を動かす余力が一時的に減っている状態かもしれない、という見方を持っておくと、こちらも落ち着いて関われます。
会話の変化を見るときは、言葉の内容だけでなく、間の長さや返事の量、以前との違いも手がかりになります。ただし、ここでも決めつけは避け、本人が話せる範囲を尊重することが大切です。

身だしなみや欠勤の変化
身だしなみや生活リズムの乱れも、見ておきたいサインです。服装や髪を整える手が止まる、入浴や着替えがおっくうになる。仕事や学校を休むことが増える、出かけるのを避けるようになる。これらは、エネルギーが落ちているときに表れやすい変化です。
ここで気をつけたいのは、変化を見つけても問い詰めたり、すぐに受診を迫ったりしないことです。急かされると本人は身構え、かえって話しづらくなることがあります。普段の様子を見守りつつ、気になる変化が続くようなら、本人が困っていることをそっと聞いてみる。その積み重ねのほうが、結果として相手が安心して話せる土台になります。
そのうえで、本人が強く苦しんでいる様子があるとき、生活が立ち行かなくなっているとき、あるいは自分や誰かを傷つけそうな気配があるときは、見守りだけにとどめず、早めに専門家や医療機関へつなぐ段階だと考えてください。相談先に迷う場合は、厚生労働省のこころの悩みに関する相談先一覧も参考になります。

診断や治療の判断は医師などの専門家が行うものですから、顔つきや目つきから家族や周囲の人が病名を見極めようとしなくて大丈夫です。
顔つきや目つきの変化は、心や体の不調に気づくきっかけになることがあります。ただ、それは入口であって、答えそのものではありません。見た目だけで決めつけず、睡眠や食欲、会話や身だしなみといった生活の変化と合わせて見ていくと、相手の状態がより落ち着いて見えてきます。
不安が続くとき、あるいは身近な人の様子が気にかかって自分一人では判断しきれないとき、その迷いを抱え込まなくてよい場所があります。ココラボのカウンセリングでは、相手にどう関わればよいか分からないという段階のご相談も受けています。答えを急がず、まず気持ちを整理するところから一緒に考えていけたらと思います。
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