人付き合いが苦手になってしまった…疲れたため克服方法を教えて欲しい

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

以前はできていた人付き合いが重くなるのは、気質や努力の問題ではなく、気遣いや緊張の積み重ねで起きることが多いものです。

苦手さをなくそうと焦るより、どの場面で消耗するかを知り、距離や休み方を少し調整していく。その方が、無理なく続けられます。

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30代女性(会社員)

以前はそれなりに人と話せていたのに、ここ数年、人付き合いが苦手になってしまいました。

職場のランチや飲み会に誘われると、まず断る理由を探している自分がいます。

人が嫌いなわけではないのに、こう思う自分はおかしいのでしょうか。

ココラボ相談室からの回答

以前は普通にできていたことが、いつからか重く感じられる。
その変化に戸惑い、うまくやれない自分を責めてしまう気持ちは、まわりからは案外見えにくいものです。

この記事では、人付き合いの苦手さを性格の欠点としてではなく、気遣いや緊張が積み重なった疲れとして見つめ直していきます。

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人付き合いが苦手になった疲れ

この章では、以前はできていた人付き合いが重く感じられるようになった、その疲れの正体を見つめます。うまくやれない自分を責める前に、今の自分に何が起きているのかを一緒に整理していきます。

疲れを欠点ではなく、気遣いの積み重ねとして見直す視点を補います。
疲れを欠点ではなく、気遣いの積み重ねとして見直す視点を補います。

以前より人と会うのがしんどい

昔はそれなりに人と会えていたのに、いつからか集まりの前に気が重くなる。そんな変化に、自分でも戸惑う人は少なくありません。人付き合いが苦手になったと感じるとき、社交の力が落ちたわけではないことが多いです。気を遣う場面で、以前より消耗しやすくなっているサインとも言えます。

日々の緊張や気遣いが積もると、人と会うこと自体が大きな負担に感じられます。これは怠けでも欠点でもなく、心のエネルギーの使い方が変わってきたのかもしれません。

人が嫌いとは限らない

人付き合いを避けたくなると、自分は冷たい人間なのだろうかと不安になることがあります。けれど、人と関わりたい気持ちがあるからこそ疲れる、という面もあります。

相手を大切にしたい、嫌な思いをさせたくないと思うほど、会話に神経を使います。人が嫌いなのではなく、丁寧に向き合おうとして力尽きているだけの人はとても多いのです。

ひとりになるとほっとする

誰かと別れた瞬間に、ふっと肩の力が抜けてほっとする。その感覚に、後ろめたさを覚える必要はありません。

ひとりの時間で回復するのは、内向的な気質の人によく見られる自然な特徴です。一人が心地よいことと、人とまったく関わりたくないことは、別のものとして分けられます。

ひとりの時間は、人付き合いで使った心の力を戻す大切な余白です。
ひとりの時間は、人付き合いで使った心の力を戻す大切な余白です。

人付き合いで疲れる場面

一口に苦手といっても、しんどさを感じる場面は人によって違います。ここでは代表的な場面を挙げながら、自分がどこで消耗しやすいのかを探ってみます。

雑談や沈黙が怖い

目的のない雑談や、会話が途切れた沈黙が苦手だという声は多く聞かれます。何か話さなければと焦るほど、かえって言葉が出てこなくなります。

沈黙が訪れると、自分のせいで気まずくしていると感じてしまう。そう思うと会話の間じゅう気が休まらず、終わるころには疲れ切ってしまいます。

集団の輪に入れない

大勢の輪の中では、いつ話に入ればいいのか分からず、立ち尽くしてしまうことがあります。一対一なら話せるのに、人数が増えると急に難しくなる人もいます。

これは会話のタイミングを読もうと頭を働かせ続けているためで、集中力を大きく使います。輪に入れないのは社交性の欠如ではなく、気の配り方が細やかすぎるゆえとも考えられます。

顔色を読みすぎる

相手が今どう感じているかを、無意識のうちに探ってしまう。わずかな表情の変化にも敏感で、嫌われたのではと気にしてしまうことがあります。

どの場面で消耗しやすいかを分けると、対処の糸口が見えやすくなります。
どの場面で消耗しやすいかを分けると、対処の糸口が見えやすくなります。

顔色を読む力は本来やさしさですが、働きすぎると自分がすり減ります。相手に合わせて言葉を選び続けるうち、自分の言いたいことは後回しになりがちです。

ママ友や職場で気を遣う

人付き合いが苦手な女性の相談では、ママ友や職場での気疲れがよく語られます。価値観の合わない輪に無理に入り、心のこもらない相づちで疲れてしまう。

職場でも雑談や飲み会で気を張り続け、帰宅後にどっと疲れが出ることがあります。どの場面にも共通するのは、その場を壊さないよう気を配りすぎている点です。

苦手になってしまった背景

なぜ以前より苦手になったのか、その背景をたどると、自分を責める気持ちが少しほどけます。ここでは代表的な要因を、決めつけずに見ていきます。

過去の人間関係の傷

信頼していた人とすれ違ったり、心ない言葉を受けたりした経験は、後まで影響を残します。また同じように傷つくのを避けようと、心が距離を取ろうとするのは自然な働きです。

その慎重さは、あなたを守るための反応でもあります。ただ守りが強くなりすぎると、安心できる相手との距離まで開いてしまうことがあります。

年齢や環境の変化

年齢を重ねると、付き合う人の顔ぶれも、大切にしたいものも変わっていきます。以前は楽しめた集まりが、今は気ぜわしく感じられることもあるでしょう。

転職や引っ越し、結婚や出産といった変化も、人との関わり方を大きく変えます。苦手になったのではなく、自分に合う距離感が更新されている途中なのかもしれません。

苦手さの背景は一つに決めつけず、いくつかの要因として見ていけます。
苦手さの背景は一つに決めつけず、いくつかの要因として見ていけます。

狭く深い関係を失う怖さ

広く浅くより、狭く深く付き合うことを好む人は少なくありません。その付き合い方は心地よい一方で、大切な相手を失ったときの痛手が大きくなります。

一度その痛みを知ると、新しい関係を築くことに慎重になります。また失うのが怖くて、はじめの一歩をためらってしまうのは無理のないことです。

HSPや特性との関係

刺激に敏感なHSPと呼ばれる気質や、内向的な性格が関係していることもあります。発達的な特性が背景にある場合もありますが、自己判断で決めつける必要はありません。

これらは病気ではなく、その人の感じ方の傾向です。ただ生活に支障が続くときは、専門家と一緒に背景を整理する選択肢もあります。

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無理なく試せる克服方法

ここからは、人付き合いが苦手なときの克服の工夫を見ていきます。無理に社交的になるのではなく、相手や距離、休み方を調整する方向で考えます。

無理に広げるより、安心できる小さな関わりから試す方法があります。
無理に広げるより、安心できる小さな関わりから試す方法があります。

まずは疲れる相手を分ける

すべての人付き合いが、同じようにしんどいわけではないはずです。一緒にいて楽な人と、気を張ってしまう人を、いちど分けて考えてみます。

疲れる相手とは距離や頻度を控えめにし、楽な人との時間を少し増やす。その調整だけでも、消耗の総量はずいぶん変わってきます。

少人数や1対1から試す

大人数が苦手なら、無理にその形にこだわらなくてかまいません。気の合う一人と静かに話す時間のほうが心地よい、という人は多いです。

大勢の場でも、誰か一人と話せれば十分と思うだけで気が楽になります。少人数や1対1から慣らしていくのは、続けやすく現実的な方法です。

話すより聞くを選ぶ

自分から話題を出すのが苦手なら、聞き役に回るという手があります。相手の話にうなずき、もう少し詳しく尋ねるだけで、会話は自然と続きます。

うまく話さなければという気負いを手放すと、緊張はやわらぎます。聞き上手は、無理をせずに相手に喜ばれる、負担の少ない関わり方です。

断る前に保留する

誘いに気が乗らないとき、すぐ断ると角が立たないか気になることもあります。そんなときは、断る前にいったん保留するという選択肢があります。

予定を確認してから返事しますと伝えれば、考える時間が生まれます。切るか我慢するかの二択ではなく、その中間を持っておくと心が楽になります。

会った後に休む時間を作る

人と会うと疲れるなら、あらかじめ回復の時間を予定に組み込んでおきます。会った後は静かに過ごすと決めておくだけで、気持ちの負担は軽くなります。

疲れるのは頑張った証でもあり、恥じることではありません。消耗を見越して休みを用意しておくのは、立派な自己管理の一つです。

ひとりで抱え込まないサイン

苦手とうまく付き合える範囲を超えて、生活に支障が出てくることもあります。ここでは、ひとりで抱えず相談を考えたいサインを挙げておきます。

生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えず外の助けを使って大丈夫です。
生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えず外の助けを使って大丈夫です。

当てはまる場合は、公認心理師や医療機関のほか、厚生労働省のまもろうよ こころの利用も考えてみてください。

外出や連絡が怖い

人と会うことだけでなく、外に出ることや連絡を取ること自体が怖くなる。そんな状態が続くときは、疲れが一時的な範囲を超えているのかもしれません。

避けたい気持ちが強まり、動ける範囲がどんどん狭くなっていく。その変化に気づいたら、無理に一人で立て直そうとしなくて大丈夫です。

反省や自己否定が止まらない

会話のあと、あの一言はまずかったと延々と自分を責め続けてしまう。一人反省会が止まらず、自分を否定する言葉ばかりが浮かぶこともあります。

こうした思考のループは、意志の力だけでは抜け出しにくいものです。考えが堂々巡りするときは、外から整理を手伝ってもらう価値があります。

眠れないほど悩んでいる

人間関係の悩みで、夜になっても頭が休まらず眠れない。食欲が落ちる、気分の落ち込みが続くといった変化が出ることもあります。

こうした心身のサインは、心が休息や助けを必要としている合図です。一時的なものか続いているかを、いちど立ち止まって見てみてください。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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