病気不安症の家族に大丈夫と言っても安心しない…接し方はどうすればいい?
プロモーション
監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
家族が病気不安症で、大丈夫と伝えても安心してもらえないとき、支えるあなたも戸惑い、消耗してしまいますよね。
それは接し方が下手だからではなく、この状態がもつ性質によるものです。
この記事では、安心が届きにくい理由と、無理なく寄り添う距離の取り方、あなた自身の休め方を一緒に考えます。
40代女性(パート)
同居している母が、少しの体調の変化でも重い病気ではないかと怖がり、病院で異常なしと言われても納得しません。
大丈夫だよと繰り返し伝えても、しばらくするとまた別の不調を訴えてきます。
どう声をかけても安心してもらえず、支えているつもりが、最近は私のほうが疲れて、つい冷たく当たってしまう自分に落ち込みます。
ココラボ相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
何度伝えても不安が消えない家族のそばで、どう関わればいいのか分からなくなり、支える側の気持ちもすり減っていきますよね。うまく安心させられないのは、あなたの努力不足のせいとは限りません。
この記事では、病気不安症の家族に安心が届きにくい理由と、疲れきらずに寄り添うための関わり方を一緒に整理していきます。
cotreeは日本最大級の
オンラインカウンセリングサービス
登録しておけば、
頼りたいときにすぐ相談の1歩を踏み出せます!
何度「大丈夫」と伝えても家族の不安が消えず戸惑うあなたへ
大丈夫と伝えても家族の不安がやわらがないと、どう関わればいいのか分からなくなりますよね。この章では、安心が届きにくい背景と、支える側の気持ちの揺れをいったん整理します。
すぐに解決策へ進む前に、今の状態をそのまま見ていきます。

保証が届かないのは接し方のせいではない
家族が何度伝えても安心しないと、自分の声のかけ方が悪いのかと感じてしまう方は少なくありません。
けれど安心が届きにくいのは、病気不安症という状態の性質によるところが大きく、あなたの努力や愛情が足りないからではありません。
この状態では、検査で異常が見つからなくても、重い病気ではないかという恐れが強く残り続けます。安心させる言葉そのものが届きにくい状態だと知っておくと、受け止め方が少し変わるかもしれません。
支え続けて疲れてしまう自分を責めなくていい
毎回の不調の訴えに向き合ううちに、支えているはずの自分のほうが消耗していくこともあります。
やさしくできない瞬間があっても、それは冷たいからではなく、長く気を張り続けてきた反応です。
家族の不安に寄り添う人が疲れるのは自然なことです。あなたの消耗もまた、大切に扱われてよいものだと、最初に確かめておきたいと思います。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
病気不安症で検査が異常なしでも安心できない理由
安心が届かない背景には、この状態ならではの仕組みがあります。この章では、病気不安症とはどんな状態か、なぜ保証が効きにくいのかを家族の視点から整理します。
仕組みが分かると、関わり方の力の入れどころも見えてきます。
病気不安症とはどんな状態か
病気不安症は、重い病気にかかっているのではという強い不安が続く状態を指します。以前は心気症と呼ばれてきました。
医学的な診断基準であるDSM-5では、身体症状症および関連症群という分類に位置づけられています。実際の身体の異常の有無より、病気への強い恐れや確認行動が中心になる点が特徴です。
ふつうの心配と違うのは、問題がないと分かっても不安が長く残り、日常生活に支障が出やすいことです。何度も受診先を変えるドクターショッピングに向かうこともあれば、反対に受診そのものを避ける形をとることもあります。
多くの場合、本人はつらさを大げさに訴えているわけではなく、本当に不安で仕方がない状態にあります。ここを取り違えないことが、関わりの出発点になります。

「大丈夫」がかえって不安を強める安心の悪循環
家族としては、大丈夫だよと伝えて安心してほしいと願うのが自然です。
ただ、繰り返される保証は一時的に不安を鎮めても、また確認したくなる気持ちを強めてしまうことがあります。これは心理学で安心希求(リアシュアランス・シーキング)と呼ばれる、保証を求めるほど不安が長引きやすくなる悪循環として知られています。
大丈夫と言うと少し安心し、しばらくするとまた不安になって確かめ直す。この繰り返しに家族が付き合い続けると、双方が疲れていきます。
家族が疲れて答え方が雑になると、本人はいっそう不安を募らせ、確認がさらに増えることもあります。保証が効きにくいのは、あなたの言い方ではなく、この仕組みが働いているからでもあります。
治療で回復が見込めることを家族も知っておく
先の見えなさは、家族の不安も大きくします。
病気不安症は、認知行動療法や薬物療法など、専門的な治療によって少しずつ和らいでいくことがある状態です。治療は本人が主役で、家族はその歩みを支える役割になります。
家族がすべてを背負って治そうとしなくてよいと分かると、力の入れどころも変わってきます。
すぐに変わらなくても、適切な支援につながれば状況は動きうると知っておくだけで、家族の気持ちにも余白が生まれます。
病気不安症の家族が今日からできる接し方
仕組みが分かったら、日々の関わりを少し整えていきます。この章では、否定せず聴くこと、保証の控え方、線の引き方という三つの軸で見ていきます。
一度に完璧にしようとせず、できるところから取り入れてみてください。
否定せず話を聴き気持ちに共感する
不安を訴えられると、気にしすぎだよと返したくなることがあります。
けれど否定されたと感じると、本人はさらに分かってほしくて訴えを強めがちです。まずは、不安なんだねと気持ちそのものを受け止めることが土台になります。
不安を打ち明けられたときにすぐ話題を変えず、少しのあいだ耳を傾けるだけでも、本人の孤立感はやわらぎます。
共感するのは症状の内容ではなく、つらいという感情のほうです。病気だと同意する必要はなく、不安な気持ちに寄り添う姿勢が伝わればじゅうぶんです。

安易な保証や励ましを控える
絶対に大丈夫、心配いらないと言い切りたくなる場面は多いものです。
ただ、断定的な保証は安心の悪循環を強めやすく、かえって次の確認を呼びます。頑張ってと励ますことも、本人には追い詰められる響きになることがあります。
大丈夫と請け合う代わりに、不安なときは一緒に考えようという構えでいるほうが、関係は落ち着きやすくなります。保証を減らすのは冷たさではなく、不安を強めないための関わりです。
どこまで応じどこで線を引くかの目安
とはいえ、すべての訴えに応じ続けるのは現実的ではありません。
例えば、同じ確認に何度も答え直すより、受診のときに主治医へ相談しようねと橋渡しに切り替える方法があります。応じる範囲をあらかじめゆるやかに決めておくと、迷いが減ります。
応じきれないときも、それには答えられないけれど心配なのは伝わっているよ、と気持ちだけは返しておくと角が立ちにくくなります。
線を引くのは突き放すことではありません。ここまでは一緒に、ここからは専門家と、という役割の線引きが、家族が支え続けるための土台になります。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
巻き込まれず支えるための距離と家族自身のケア
支える関係が近づきすぎると、家族の生活まで不安に飲み込まれていきます。この章では、距離の見直しと、家族自身の消耗ケアを扱います。
支える人が倒れないことは、結果として本人の支えにもつながります。
過干渉や共依存になっていないか見直す

心配のあまり、本人の不調を先回りして確認したり、予定を家族が抱え込んだりすることがあります。
良かれと思った関わりが、本人が自分で対処する力を出しにくくさせる場合もあります。支えたい気持ちと、抱え込みすぎとの境目は見えにくいものです。
家族の予定や気分が、本人の不安の波にすべて合わせて決まっていないかも、見直す手がかりになります。
本人ができることまで代わりに背負っていないかを、ときどき振り返ってみてください。少し手を離すことが、双方の回復には必要な場合もあります。
▼関連記事
dv気質の彼氏と別れられない…暴力されても依存してしまう心理を教えて
話しづらい内容だったと思いますが、ご相談ありがとうございます。 喧嘩時とはいえ、暴力がある生活とのことに私自身とても心配しております。普段やさしいパートナーであ…
URL:https://kokolaboratory.com/qa-995/
家族の消耗と自責を和らげる方法
支える日々が続くと、眠りが浅くなったり、気持ちに余裕がなくなったりします。
自分の時間を少しでも確保し、信頼できる人に状況を話すことは、わがままではなく必要なケアです。同じ立場の家族が集まる会や相談先とのつながりも支えになります。
短い散歩や、好きなことに触れるわずかな時間でも、張りつめた気持ちはいくらかほどけていきます。
うまくできない日の自分を責めずにいられるよう、支える人にも支えが要ると、自分に許可を出しておきたいところです。
受診の勧め方と専門家に相談すべきサイン
家族だけで抱えきれない場面もあります。この章では、受診の勧め方、拒まれたときの向き合い方、そして急いで相談したいサインを整理します。
頼ることは、家族と本人の両方を守る選択肢です。

精神科や心療内科への受診と付き添い
受診を勧めるときは、心の弱さではなく体の不安として切り出すと伝わりやすいことがあります。
不安で疲れているみたいだから一度みてもらおう、といった形で、本人の困りごとに沿って提案します。心療内科や精神科のほか、まずはかかりつけ医に相談する入り口もあります。
一人での受診が不安そうなら、付き添いを申し出るのも支えになります。ただし本人の意思を飛び越えないよう、決めるのは本人という姿勢は保ちます。
受診を拒み続けるときの向き合い方
すぐに受診につながらないことも珍しくありません。
無理に説得を重ねると、かえってかたくなになることがあります。今すぐでなくていいと伝えつつ、家族だけで先に専門機関へ相談する方法もあります。
自治体の保健所や精神保健福祉センターでは、本人が動けないときの家族からの相談も受け付けています。それでも生活が立ち行かなくなってきたときは、本人の同意を待つ間も、家族が孤立しないことを優先してかまいません。
家族が先に知恵を借りることは、遠回りに見えて確かな一歩です。
うつの併発や危険なサインに気づいたら
病気不安症は、うつや強い不安を併発することがあります。
次のようなサインが続くときは、家族だけで抱えず早めに専門機関へつないでください。
- 眠れない、食べられない状態が続いている
- 気分の落ち込みや意欲の低下が強い
- 生活や仕事に大きな支障が出ている
- 消えたい、いなくなりたいといった言葉が出る
特に、消えたいという気持ちがうかがえるときは、迷わず医療機関や相談窓口に連絡してください。公的な窓口として、厚生労働省のこころの耳では、電話やメール、SNSでの相談を無料で受け付けています。
安心が届かない時間が続いても、あなたが支えようとしてきたことに意味がなかったわけではありません。距離を取り直しながら、家族と本人の両方が少しずつ休める形を探していけます。
cotreeは日本最大級の
オンラインカウンセリングサービス
登録しておけば、
頼りたいときにすぐ相談の1歩を踏み出せます!
