虚言癖の友達に疲れました。嘘だとわかっていても、縁を切るべきか悩んでいます

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

虚言癖のある友達との時間は、嘘に気づくたび、気持ちが少しずつすり減っていきますよね。

それに疲れるのは、あなたが相手をちゃんと見てきたからだと思います。

治さなきゃと背負い込まずに、まず自分がどれだけ消耗しているかへ目を向けてほしいです。

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20代女性(会社員)

学生時代からの友達に、会うたび話を盛られたり、作り話とわかる自慢をされます。

最初は笑って聞けたのに、今はどこまで本当か勘ぐってしまって、帰り道はどっと疲れるんです。

嫌いになったわけでもないのに距離を置きたくなる自分が、薄情な気もして落ち着きません。

ココラボ相談室からの回答

ご相談ありがとうございます。

好きな友達なのに、嘘に気づくたびに疲れてしまう。その戸惑いは、あなたの心が狭いからではありません。

この記事では、疲れの正体や虚言癖の友達の心理を整理しながら、問い詰めずに付き合う方法、距離を取るかどうかの判断軸まで一緒に見ていきます。焦って答えを出さなくて大丈夫です。

嘘だとわかっていて疲れるのは心が狭いからではない

この章では、まず疲れているあなたの状態そのものを見ていきます。相手を責める前に、なぜここまで消耗してしまうのかを整理します。

何を話しても信じられなくなる疲れの正体

虚言癖の友達に疲れると感じるとき、体力より先にすり減っているのは信頼です。

友達の言葉の本当と嘘を見分け、表情まで合わせ続けることが、気づきにくい心の消耗につながります。
友達の言葉の本当と嘘を見分け、表情まで合わせ続けることが、気づきにくい心の消耗につながります。

嘘だとわかる話を聞き続けると、脳は本当と嘘を仕分けする作業を止められなくなります。相手の言葉をいちいち確かめてしまう状態が、静かな疲労の正体です。

しかも、普通の会話まで今のは本当かなと勘ぐるようになります。楽しいはずの時間に気を張り続ければ、会った後にどっと重くなるのは自然な反応でしょう。

話を合わせ、表情をつくり、内心の違和感を飲み込む。こうした見えない気づかいは、感情労働と呼ばれる負担に近いものです。目に見えないぶん、自分でも疲れの理由に気づきにくいだけなのだと思います。

離れられないのは共感性の高さの裏返し

嘘に気づけるのに離れられない自分を、優柔不断だと責めていないでしょうか。

嘘を見抜けるのは、相手の言葉の細部まで受け取っている証拠でもあります。離れることへの罪悪感は、冷たさではなく情の深さから生まれています

心が狭いから疲れるわけではありません。むしろ丁寧に付き合ってきたからこそ、消耗が積み重なっているのだと思います。

会った後にどっと疲れるのは、関係を丁寧に続けようとしてきた気づかいが積み重なっているためです。
会った後にどっと疲れるのは、関係を丁寧に続けようとしてきた気づかいが積み重なっているためです。

うざい、しんどい、もう信じられない。そんな言葉が頭をよぎっても、あなたが薄情なわけではありません。長く関係を続けてきた人ほど、簡単に割り切れずに揺れるものです。

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虚言癖とは何か、友達が嘘を重ねる心理

ここでは、友達の言動の背景を少しだけ整理します。理解のためであって、原因を突き止めて治すためではないことを先にお伝えします。

嘘と虚言癖の違い、病気と決めつけない

虚言癖とは、嘘をつくことが習慣のようになっている状態を指し、それ自体は病名ではありません。

普通の嘘は、怒られたくないなど動機がわかりやすいものです。一方で虚言癖では、得になっていないのに嘘を続けてしまう点が特徴とされています。

心理学の古い整理では、嘘には事実と違うと自分でわかっている、故意に相手へ信じさせようとする、なんらかの目的があるという三つの要素があるとされます。虚言癖ではこの目的が本人にも見えにくく、周りが理由を測りかねる点が悩ましいところです。

ここで大切なのは、友達を病気だと素人判断しないことです。背景に別の要因が隠れていることもあり、決めつけは相手にもあなたにも役立ちません。

見栄や孤独感など嘘の裏にある心理

嘘の裏には、承認欲求や劣等感、満たされない孤独感が隠れていることが多いといわれます。

嘘の背景を理解することと、自分が我慢を続けたり相手を治す役まで背負ったりすることは別です。
嘘の背景を理解することと、自分が我慢を続けたり相手を治す役まで背負ったりすることは別です。

すごいと思われたい、本当の自分を知られたくない。そうした気持ちが、話を盛る方向へ働きます。嘘は自分を守るための不器用な鎧という見方もできます。

ただ、背景がわかっても、あなたが受ける消耗が消えるわけではありません。理解することと我慢することは、別物として切り分けて大丈夫です。

受診や改善を促すときの伝え方

もし本人の生活に支障が出ていて、あなたが伝えられる間柄なら、責める形は避けたいところです。

嘘をやめてと迫るより、心配していると自分を主語にして伝える方が届きやすいものです。私を主語にするIメッセージという伝え方は、相手の身構えをやわらげやすいとされています。

伝えるとしても、一度で伝わらないことは珍しくありません。相手が受け止められる状態かどうかも大きく、こちらの言い方だけの問題ではないのです。

伝えるときは相手を責めず、自分を主語にして心配を伝えたうえで、治す責任までは背負わなくて大丈夫です。
伝えるときは相手を責めず、自分を主語にして心配を伝えたうえで、治す責任までは背負わなくて大丈夫です。

とはいえ、友達を変える役割まで背負う必要はありません。改善を促すかどうかそのものを、あなたが決めていいのです。

疲れをためない虚言癖の友達との付き合い方

ここからは、消耗を減らすための具体的な関わり方を見ていきます。虚言癖の友達との付き合い方に唯一の正解はなく、あなたが楽になる方を選ぶ前提で読んでください。

問い詰めるのが逆効果になりやすい理由

嘘を暴きたくなる気持ちは自然ですが、問い詰めは関係をこじらせやすい方法です。

嘘を指摘されると、多くの人はさらに嘘を重ねて取り繕おうとします。追い詰めるほど嘘が厚くなる悪循環に入りやすいのです。

追い詰めてやろうと勧める情報も見かけますが、あなたの消耗はむしろ増えがちです。勝ち負けの土俵に乗らない方が、心は守りやすくなります。

真に受けず二人きりを避ける対処

嘘だとわかる話は、正面から受け止めず聞き流す姿勢が消耗を減らします。

そうなんだと受け流し、内容をいちいち検証しない。話を真に受けないという線引きが、感情のすり減りを軽くします。

嘘だと感じる話をいちいち検証せず、穏やかに受け流す線引きが自分の心を守ります。
嘘だと感じる話をいちいち検証せず、穏やかに受け流す線引きが自分の心を守ります。

会うときに複数人を選ぶのも有効です。二人きりだと相手のペースに巻き込まれやすく、第三者がいると自然に話が落ち着きます。

フェードアウトなど段階的に距離を取る

距離を置くは、縁を切るか続けるかの二択ではありません。その間にある選択肢は、実はたくさんあります。

会う頻度を減らす、返信をゆっくりにする、話題を当たり障りのないものに絞る。こうした段階的な距離調整なら、大きな決断の重さを抱えずに済みます。

いきなり関係を断つのが怖いなら、まずは薄くしてみる。それだけでも、会った後の重さは少しずつ変わってきます。

会う回数、返信の速さ、話題の深さを少しずつ調整すれば、縁を切るか続けるかを急いで決めずに済みます。
会う回数、返信の速さ、話題の深さを少しずつ調整すれば、縁を切るか続けるかを急いで決めずに済みます。

共通の友人やグループ内での立ち回り

共通の友人がいると、距離を置いたら悪く言われるのではと不安になりますよね。

無理に嘘を否定して回る必要はなく、あなたが淡々としていれば周囲は案外見ています。告げ口や説得より、静かに距離を保つ方が波風は立ちにくいでしょう。

共通の友人がいる場では、嘘を否定して回らず、会話を全体へ戻しながら静かに距離を保つ方法があります。
共通の友人がいる場では、嘘を否定して回らず、会話を全体へ戻しながら静かに距離を保つ方法があります。

グループでは相手の話に深入りせず、話題を全体へ戻す立ち回りが楽です。板挟みの真ん中に立ち続けなくても構いません。

仮に何か言われても、時間が経てば周りはあなたの態度で判断していきます。悪評を先回りして防ごうと動くほど疲れるので、そこは手放しても大丈夫です。

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縁を切るか続けるか、自分を守る判断軸

ここでは、関係を見直すかどうかを考える手がかりを整理します。結論を急がず、判断の材料として使ってください。

実害・消耗度・改善の見込みで考える

続けるか離れるか迷うときは、感情だけでなくいくつかの軸で眺めると整理しやすくなります。

次のような点を、自分に静かに問いかけてみてください。

  • お金や評判など、具体的な実害が出ているか
  • 会った後、立て直せないほど消耗していないか
  • 相手や関係が変わる見込みが現実的にあるか
関係を続けるか迷うときは、具体的な実害、消耗の深さ、変化の見込みという三つの軸で整理できます。
関係を続けるか迷うときは、具体的な実害、消耗の深さ、変化の見込みという三つの軸で整理できます。

実害が大きく消耗も深いなら、距離を取るのは自分を守る当然の選択です。答えが重いものほど、離れることに正当な理由があります。

反対に、実害はなく会えば楽しい時間もあるなら、無理に結論を出さなくても構いません。切るか続けるかを今すぐ決めず、付き合う濃さを調整するだけで済む場合もあります。

離れる自由があり治す責任はあなたにない

友情は、続けなければならない義務ではありません。合わなくなった関係を見直すのは、裏切りとは違います。

そして、友達の虚言癖を治す責任は、あなたにはありません。それは本人が専門家とともに向き合う課題で、友人が背負う荷物ではないのです。

離れる選択をしても、これまで大切にしてきた時間まで否定されるわけではありません。あなたには、関係を選ぶ自由があります。

つらさが続くときのセルフケアと相談先

最後に、消耗した心の休め方と、頼れる先を整理します。無理に前を向かせる話ではなく、休むための選択肢として読んでください。

会うたびに消耗するときの心の休め方

会うたびに疲れるなら、まず予定の間隔を空けて、意識的に距離を取る時間をつくってみてください。

会った日は自分の回復に充てると決め、好きなことで気持ちを緩める。罪悪感で予定を埋めるより、消耗をケアする時間を優先していいのです。

会うたびに疲れるなら、距離を置いて回復を優先し、相手と同じように自分も大切にしてよいのです。
会うたびに疲れるなら、距離を置いて回復を優先し、相手と同じように自分も大切にしてよいのです。

自他尊重を土台にしたアサーションという心理技法では、相手も自分も同じだけ大切にする関わりを目指します。相手に合わせすぎて自分をすり減らしてきた人ほど、この視点は効いてくるはずです。

ここでできること、できないことを線引きする限界設定も助けになります。全部に付き合わなくていいと自分に許可を出すことが、消耗を止める入り口になります。

眠れない・気分が沈むときは専門家へ

もし眠れない、気分が沈む、食欲が落ちるなどの不調が続くなら、それは心が休みを求めているサインかもしれません。

眠れない、気分が沈むなどの不調が続くときは、友達との関係より先に自分の心身を専門家へ相談して構いません。
眠れない、気分が沈むなどの不調が続くときは、友達との関係より先に自分の心身を専門家へ相談して構いません。

一人で抱え込まなくても、公的な相談窓口があります。厚生労働省のこころの耳では、働く人の悩みやメンタル不調について相談先を無料で案内しています。

人間関係の疲れで自分の心身に不調が出ているときは、専門家を頼っていい場面です。友達との関係より先に、あなた自身の状態を大切にしてほしいと思います。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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