ポケモンカード依存症が心配…開封やオリパにお金を使い続けしまう

監修者の石川蓮(公認心理師)先生より

相談で多いのは、当たった話より「請求を見るのが怖い」という声です。

開封やオリパは意志の弱さでやめられないのではなく、不確実な報酬と即時性が重なった構造の問題です。

購入額そのものより、止めたいのに止まらない感覚と、生活や家族関係への影響を一緒に見ていくと、次の一手が見えてきます。

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30代男性(会社員)

ポケモンカードの開封とオンラインオリパに、毎月のように課金を続けています。
最初は好きなカードを集めたいだけだったのに、いつの間にか当たりを引きたい気持ちが先に立つようになりました。

給料日が来るたびに、今度こそ少し控えようと思うのに、仕事帰りにスマホを開くと結局回してしまいます。

これはもうポケモンカード依存症なのか、ただ趣味に熱中しているだけなのか、自分でも区別がつかなくなっています。

ココラボ相談室からの回答

控えようと思っているのに手が動いてしまう、その繰り返しのなかにいると、自分の状態をどう捉えればいいのか分からなくなりますよね。
請求を開けない不安と、趣味として楽しんできた気持ちが、同じ胸の中で混ざっているのだと思います。

この記事では、買い続けてしまう状態をどう見立てるかという判断の軸と、開封やオリパが止まりにくくなる仕組みを、一緒に整理していきます。

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ポケモンカードがやめられない不安

趣味への愛着と購入行動を分けて見ると、見直せる部分が見えてきます。
趣味への愛着と購入行動を分けて見ると、見直せる部分が見えてきます。

買い続けてしまう自分を、どう受け止めればよいのか分からないときがあります。ここでは、やめられない状態を善悪ではなく、生活への影響という視点から整理します。

結論を急がず、今の自分がどのあたりにいるのかを確かめるところから始めましょう。

ポケモンカードを買うこと自体は、悪いことではありません。好きなカードを集めたい、当たりを引いた瞬間の高揚を味わいたいという気持ちは、趣味として自然なものです。

それでも、控えようと思うのに手が動いてしまう感覚が続くと、自分はおかしいのではないかという不安が膨らみます。その不安をいったん脇に置き、状態を分けて見ていきましょう。

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依存症は自己判断だけで決めない

依存症という言葉は強い響きを持つため、自分に当てはめると余計に苦しくなることがあります。まずは、その言葉との距離の取り方から考えてみます。

ポケモンカード依存症、ポケモンカード中毒、オリパ中毒という呼び方は、日常で使われている表現です。ポケモンカードに特化した正式な診断名ではなく、購入回数や所持枚数だけで医学的な状態だと決めつけることもできません。

状態を考えるうえで中心になるのは、止めたいときに自分で止められるか、生活にどのような支障が出ているかという点です。買っている量だけではなく、購入後の気持ちや日常生活の変化にも目を向けてみてください。

趣味の熱中と生活への支障

同じように熱中していても、楽しめている状態と、苦しくなっている状態は異なります。ここでは、その境目を分ける視点を整理します。

デッキを組む、カードを集める、対戦相手とのやり取りを楽しむ時間は、生活に張りや人とのつながりを与えることがあります。カードゲームそのものを一律に遠ざける必要はありません。

判断の軸になるのは、その熱中が睡眠や仕事、学校、人間関係、家計をどの程度削っているかという点です。給料日のたびに後悔し、明細を開けられないほど不安が強いなら、楽しさより負担が上回り始めているサインかもしれません。

判断の軸は、楽しさの量よりも生活への影響がどれほど出ているかです。
判断の軸は、楽しさの量よりも生活への影響がどれほど出ているかです。

カードへの愛着と、開封やオンラインオリパに課金する行動は分けて考えられます。何を楽しみ、何に苦しんでいるのかを切り分けると、趣味をすべて手放さなくても見直せる部分が見えてきます。

買いすぎ・嘘・借金のサイン

自分でも気づかないうちに、いくつかの変化が積み重なっていることがあります。立ち止まる目安になりやすい兆候を確認してみましょう。

生活費にまで手をつけている、利用額を家族に隠している、支払いのために借り入れをしているといった状態は、趣味の範囲を越え始めた合図と考えられます。使った金額を実際より少なく伝える、明細を見られないように振る舞うといった変化にも注意が必要です。

  • 生活費や貯金を取り崩して購入に充てている
  • 利用額や購入の事実を周囲に隠している
  • 支払いのために借金を重ねている
  • 家族のお金に手を出している
  • 睡眠、仕事、学校、家族関係に影響が出ている

こうした兆候は、自分を責めるための材料ではありません。現在の状態と、先に守る必要があるものを確かめる手がかりとして見てください。

明細を確かめることは、自分を責めるためではなく、守るものを知るための一歩です。
明細を確かめることは、自分を責めるためではなく、守るものを知るための一歩です。

開封やオリパが止まらない仕組み

なぜ控えようと思っても手が動くのか。その仕組みを知ることは、自分を責める前の大事な一歩です。

ここでは、当たりの快感だけでなく、その奥で働いている気持ちも整理します。止まらなさを、自分の弱さだけのせいにしないための章です。

ポケモンカードのパックやボックス、オンラインオリパには、人の期待を引き込みやすい要素がいくつも重なっています。ポケモンカード依存症が気になるときは、本人の性格だけでなく、繰り返しやすい仕組みにも目を向ける必要があります。

当たりの快感と追い開封

最初に働くのは、何が出るか分からない瞬間のわくわくです。その期待が、どのように次の一回へつながるのかを見ていきます。

パックやオリパは、開けるまで中身が分かりません。結果が読めないからこそ期待が続き、レアカードを引き当てたときの高揚が強く記憶に残ります。

一方、目当てのカードが出なかったときも、次なら当たりそうな感覚が残ります。そこでパックやボックスを追加すると、欲しいカードを手に入れることより、開封を続けること自体が目的に近づいていきます。

これが追い開封と呼ばれる流れです。当たったときだけでなく、外れたときにも次の購入へ向かいやすいところに、止めにくさがあります。

衝動と購入の間に少し時間をつくることが、流れを変えるきっかけになります。
衝動と購入の間に少し時間をつくることが、流れを変えるきっかけになります。

取り返したい気持ちと課金

熱が冷めにくくなる背景には、損を取り戻したい気持ちも関わっています。ここでは、その気持ちが支出を広げる流れを整理します。

人は、使ったお金が無駄になったと認めることに抵抗を感じやすいものです。ここでやめたら今までの分が無駄になるという感覚が働くと、次こそ当てて取り返したいと考えやすくなります。

オンラインオリパは、スマートフォンで結果がすぐに表示され、連続して購入できます。実店舗から帰る、次の販売日を待つといった区切りがないため、気持ちが落ち着く前に次の課金へ進みやすい作りです。

当たれば戻ってくると考えて回し続け、手持ちが減ってから我に返ることもあります。損失を取り返すための購入が、かえって損失を広げるという点は、早めに知っておきたいところです。

取り返そうとする追加購入は、損失をさらに広げることがあります。
取り返そうとする追加購入は、損失をさらに広げることがあります。

ポイント交換とSNSの刺激

支出の実感を薄れさせ、期待を膨らませる要素も重なっています。ここでは、金銭感覚が揺らぎやすい仕組みを確認します。

オンラインオリパでは、不要なカードをその場でサイト内ポイントに交換し、そのポイントで再び回せる場合があります。現金が直接減っていく様子が見えにくいため、お金を使っている感覚が薄くなりがちです。

還元率100%などの表示があっても、戻るものが現金ではなくサイト内ポイントであったり、カードの評価額と実際の買取額が異なったりする場合があります。還元率や当選確率の数字だけで、得をしているかどうかを判断するのは難しいでしょう。

オンラインオリパの仕組みや用語を確認したいときは、オリパラボのような情報サイトも参考になります。ただし、評判や当選報告だけで判断せず、利用規約やポイントの交換条件まで確認することが大切です。

買いすぎを止めるためにできること

止めたい気持ちが出てきたとき、何から手をつければよいのでしょうか。ここでは、意志の力だけに頼らず、環境を変える方向から考えます。

最初から完璧にやめようとするのではなく、回しにくい状況をつくることが目標です。現状を知る、距離を取る、お金の安全を守る、という順番で見ていきます。

利用額と支払い状況を確認する

最初に必要なのは、現在どのくらい使っているかを知ることです。漠然とした不安を、確認できる数字に変えていきます。

怖くて見られなかった明細を開くのは、気が重いかもしれません。それでも、直近の利用額、未払い、借り入れ、今後の引き落とし額を一度書き出してみてください。

クレジットカードだけでなく、キャリア決済や後払いサービス、複数のオリパサイトも確認します。数字が明らかになると、いつまでに何を守る必要があるのかを考えやすくなります。

この段階では、使った分を取り返す方法を探すより、追加購入をいったん保留にすることが先です。取り返すために回さないと決めるだけでも、損失が広がる流れに区切りをつけられます。

まず数字を並べると、先に守る支払いと生活費が見えやすくなります。
まず数字を並べると、先に守る支払いと生活費が見えやすくなります。

決済とサイト利用を遠ざける

次に、回そうとしたときの手間を増やします。衝動が起きてから購入するまでに、少し時間をつくるための工夫です。

クレジットカードやキャリア決済の登録を外す、利用上限を下げる、アプリやサイトへのアクセスを制限するといった方法があります。SNSの当選投稿を非表示にすることも、購入のきっかけを減らす助けになります。

ただし、アプリを消しても再ダウンロードはでき、サイトのブロックにも解除や再登録の余地が残ります。遮断はきっかけを減らす手段であり、これだけで気持ちまで変わるとは限りません。

遮断後も買いたい気持ちが強く残ったとしても、方法が無意味だったわけではありません。どの場面で衝動が強くなるのかを知り、別の対策を組み合わせるための情報になります。

決済までの手間を増やすことは、衝動が落ち着く時間をつくります。
決済までの手間を増やすことは、衝動が落ち着く時間をつくります。

家族とお金の安全を守る

一人だけで管理しないことも、立て直しの大事な要素です。ここでは、お金の安全を守りながら、周囲と管理を分け合う方法を考えます。

利用額や決済手段を信頼できる家族と共有すると、衝動的な購入が起きにくくなります。生活費の引き落とし口座と趣味に使う口座を分け、生活に必要なお金から先に確保する方法もあります。

打ち明けるのは気が重いかもしれませんが、隠し続ける負担を減らすことにもつながります。話すときは、カードをすべて処分するかどうかをすぐ決めるより、現在の利用額と支払い状況を共有するところから始めてもよいでしょう。

家族側も、強く責めたり、突然すべてのカードを没収したりする前に、現金、預金、クレジットカードなどの安全を確保することが先です。本人がカードから得ていた交流や達成感にも目を向けると、課金以外の楽しみを一緒に探しやすくなります。

責めずに状況を共有し、生活に必要なお金から守ることが大切です。
責めずに状況を共有し、生活に必要なお金から守ることが大切です。

自分だけでやめられないとき

工夫を重ねても止められないことがあります。ここでは、それを失敗とみなさず、状態に合った相談先を整理します。

誰に何を相談できるのかが分かれば、抱え込む時間を短くできます。外の力を借りることも、現実的な選択肢の一つです。

盗みや家族との衝突が続くとき

家庭のなかでお金の安全が脅かされる場面では、対応の順番が変わります。まず守るべきものを確認しましょう。

家族のお金に手が伸びる、購入をめぐって激しい衝突が続くといった状態では、叱責や全没収を急ぐ前に、現金やカード、決済手段を本人が自由に使えない状態へ移すことが優先されます。

一度にすべてのカードを取り上げる対応は、家族の対立を深め、隠れて購入する動きにつながる場合があります。ただし、盗みや暴力など安全上の懸念があるときは、家族内だけで解決しようとせず、早めに外部へ相談してください。

家族だけで抱えず、困りごとに合う外部の窓口へつながる方法があります。
家族だけで抱えず、困りごとに合う外部の窓口へつながる方法があります。

お金の安全を守りながら、本人が何に困り、どの場面で購入してしまうのかを確認していくことが、その後の対話につながります。

心理・医療・借金の相談先

困りごとの種類によって、適した相談先は変わります。一つの窓口ですべてを解決しようとせず、現在の困りごとに近いところから相談できます。

現在の状態相談先の例
気持ちや購入行動を整理したい公認心理師などの心理職、自治体の相談窓口
自分で止めにくく、家族も対応に困っている精神保健福祉センター、保健所、依存問題の相談窓口
不眠や強い落ち込みなど心身の不調がある精神科、心療内科などの医療機関
借金や返済の見通しが立たない法テラス、弁護士、司法書士など法律・債務の専門家

厚生労働省の依存症対策ページでは、精神保健福祉センターなどの相談先が案内されています。本人だけでなく、家族から相談できる窓口もあります。

借金については、法テラスの借金相談案内から利用できる制度や相談窓口を確認できます。相談した時点で手続きを決める必要はなく、現状を説明して選択肢を知ることから始められます。

ポケモンカード依存症かもしれないと感じても、心理、医療、借金のどこへ相談すべきかを一人で正確に決める必要はありません。最初につながった窓口で、より適した相談先を案内してもらう方法もあります。

心理、医療、借金のうち、今の困りごとに近い窓口から相談できます。
心理、医療、借金のうち、今の困りごとに近い窓口から相談できます。

再び買いたくなったときの備え

一度やめられても、また手を伸ばしたくなる瞬間は訪れます。再び買いたくなることまで想定し、責める以外の備えを用意しておきましょう。

給料日の直後、SNSを眺めているとき、疲れて気分が沈んでいる夜など、課金に向かいやすい場面には共通点があるかもしれません。買いたくなった日時や直前の出来事を短く記録すると、自分のきっかけが見えやすくなります。

買いたくなるきっかけを想定し、次の行動を先に決めておくと備えになります。
買いたくなるきっかけを想定し、次の行動を先に決めておくと備えになります。

きっかけが分かれば、その時間帯は決済できる端末から離れる、SNSを見ない、誰かに連絡するといった準備ができます。衝動を完全になくそうとするより、購入に進むまでの流れを途中で変える考え方です。

対戦やデッキ作り、手元のカードの整理など、開封や課金以外の関わり方を残すことも支えになります。カードそのものを好きな気持ちと、苦しくなっている購入行動を切り分ければ、趣味との距離を調整しやすくなります。

うまくいかない日があっても、それだけで振り出しに戻ったわけではありません。どの場面で止めにくかったのかを確かめ、環境や頼る相手を調整するための手がかりにできます。

一人で抱え続けず、家族や相談窓口と一緒に現在地を確認することもできます。何を残し、何から距離を置くのかは、今の生活と心の状態を見ながら考えていけます。

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監修者: 石川蓮(公認心理師)

公認心理師、行動心理士。1997年生まれ。北里大学・大学院卒業。その後、公認心理師と行動心理士の資格取得。
在学中は高齢者や生産人口の色覚異常や朝型夜型特性が睡眠に与える効果等の研究を行う。
大学院卒業後、大学病院附属の研究所にてカウンセリングやデータマネジメント担当として勤務。また、都立高校の心理学講師としても勤務。
「心の悩みを持つ方のそばに寄り添う」をモットーに業務遂行しております。

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